【カオス通信】″強いオンナ″が暴走する特殊漫画でトリップ
最近買った漫画にヒロインが暴れまくる作品が多かったので、今回はそのあたりをご紹介してみます。面白い漫画に出会うためには、勢いで買う勇気とジャンルにこだわらない柔軟な精神が必要と思う今日このごろ。
■『巨娘』作:木村紺/発行:講談社
表紙で三白眼なガンを飛ばしているのが、主人公のジョーさんです。身長181cm(!)のれっきとした女性で、焼鳥屋さんの店長をしています。本作でジョーさんは、使えないバイトを教育したり、ヤクザのクレームを切り抜けたり、ボロボロの支店を改革したりと大活躍。怒りっぽくて手も足も出るヤンチャさんですが、筋は通っているので誰も逆らえません。まあ、怒った顔が野獣・猛獣の類なので恐いというのもありますが。
プライベートも女性のそれとはかなり違います。歩く時は常にガニマタ、仕事から帰って寝るまでに缶ビールを10本くらいガブ飲み、合コンではオトコを堂々とお持ち帰り、彼氏にコスプレさせて欲情するなど、そんじょそこらの男よりも男らしいのです。
ジョーさん以外の登場人物達もなかなかクセモノです。お店の調理担当のトオル(♀)は、仕事もできるし頭も切れるのですが、性格が凶暴なので接客には全くの不向き。中華包丁をタチの悪い客に向かって、ブンブン振り回したりするので話になりません。ほかにも絶望的に仕事ができない&やる気もないダメ人間のポン子、小柄で見た目が完全に女の子なジョーさんの彼氏・美樹(よしき)、男性不信で妄想癖のあるサチなど、様々な事件の種が用意されています。
ストーリーは、ジョーさんのお店での出来事を中心に、各キャラクターのエピソードが語られるといった内容。一度でも飲食店などのサービス業で働いた人にとっては、"あるある"と思える部分も多く、"男前店長繁盛記"的な読み方もできる点もポイントです。もちろん、コメディとして予備知識なしでも問題なく楽しめます。
この作品は、あまりにも男らしいジョーさんのキャラクターを受け入れられるかどうかで、評価が分かれる気がします。その部分さえ大丈夫ならば、本作はかなりのオススメ。唯一の萌えキャラがジョーさんの彼氏だけというのも、なかなかイマっぽくていい感じです。最近「なんか面白い漫画ないかあ」と悶々としている人は、この本でストレス解消をしてみるのが吉かと。
<オススメ度★★★★★>
<見どころ:豪快で仕事熱心で欲望に忠実なジョーさん(♀)の男気に惚れる>
■『モンスターキネマトグラフ』作:坂木原レム/発行:徳間書店
主人公は興奮すると巨大怪獣に変身してしまうマミヤさん。設定だけ見ると完全にギャグ漫画のノリですが、内容は意外にもシリアスな人情ものです。物語はマミヤさんが日本軍の“大量破壊兵器”として戦う、1944年の戦時中から始まります。敵軍の襲撃を火炎放射で迎撃するマミヤさんですが、その特異体質は同胞であるはずの兵士からも忌み嫌われ、戦場では常に孤独を強いられます。
戦後、怪獣化することに意味を見出せなくなると、その孤独にはさらに拍車がかかっていきます。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのが映画の世界だったということで、タイトルの『モンスターキネマトグラフ』につながるわけです。それにしても口説き文句が「怪獣映画なんだ! 君じゃないとダメなんだよ!!」というのは、一歩間違えるとかなり失礼な気がしないでもないかも。
■『巨娘』作:木村紺/発行:講談社
表紙で三白眼なガンを飛ばしているのが、主人公のジョーさんです。身長181cm(!)のれっきとした女性で、焼鳥屋さんの店長をしています。本作でジョーさんは、使えないバイトを教育したり、ヤクザのクレームを切り抜けたり、ボロボロの支店を改革したりと大活躍。怒りっぽくて手も足も出るヤンチャさんですが、筋は通っているので誰も逆らえません。まあ、怒った顔が野獣・猛獣の類なので恐いというのもありますが。
ジョーさん以外の登場人物達もなかなかクセモノです。お店の調理担当のトオル(♀)は、仕事もできるし頭も切れるのですが、性格が凶暴なので接客には全くの不向き。中華包丁をタチの悪い客に向かって、ブンブン振り回したりするので話になりません。ほかにも絶望的に仕事ができない&やる気もないダメ人間のポン子、小柄で見た目が完全に女の子なジョーさんの彼氏・美樹(よしき)、男性不信で妄想癖のあるサチなど、様々な事件の種が用意されています。
男前なジョーさんの顔アップ。ショートカットで化粧っ気もなく、への字口で表情も怒り気味ですが、完全無欠の女性であります。 | ファンシーな服を着ていますが、ジョーさんの彼氏です。この絵はギャグっぽいですが、本編ではもっとキュートに描かれてます。 |
ストーリーは、ジョーさんのお店での出来事を中心に、各キャラクターのエピソードが語られるといった内容。一度でも飲食店などのサービス業で働いた人にとっては、"あるある"と思える部分も多く、"男前店長繁盛記"的な読み方もできる点もポイントです。もちろん、コメディとして予備知識なしでも問題なく楽しめます。
この作品は、あまりにも男らしいジョーさんのキャラクターを受け入れられるかどうかで、評価が分かれる気がします。その部分さえ大丈夫ならば、本作はかなりのオススメ。唯一の萌えキャラがジョーさんの彼氏だけというのも、なかなかイマっぽくていい感じです。最近「なんか面白い漫画ないかあ」と悶々としている人は、この本でストレス解消をしてみるのが吉かと。
<オススメ度★★★★★>
<見どころ:豪快で仕事熱心で欲望に忠実なジョーさん(♀)の男気に惚れる>
■『モンスターキネマトグラフ』作:坂木原レム/発行:徳間書店
主人公は興奮すると巨大怪獣に変身してしまうマミヤさん。設定だけ見ると完全にギャグ漫画のノリですが、内容は意外にもシリアスな人情ものです。物語はマミヤさんが日本軍の“大量破壊兵器”として戦う、1944年の戦時中から始まります。敵軍の襲撃を火炎放射で迎撃するマミヤさんですが、その特異体質は同胞であるはずの兵士からも忌み嫌われ、戦場では常に孤独を強いられます。
オビに書かれたコピーだけを読むと、まるで腐女子テイストのギャグ漫画。実際はかなり違うのですが、営業戦略と思えば納得。 | 古き良きシネマの雰囲気を盛り込んだ本作は、怪獣映画への愛情がたっぷり含まれています。ちなみにオマケ漫画はギャグ分多め。 |
戦後、怪獣化することに意味を見出せなくなると、その孤独にはさらに拍車がかかっていきます。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのが映画の世界だったということで、タイトルの『モンスターキネマトグラフ』につながるわけです。それにしても口説き文句が「怪獣映画なんだ! 君じゃないとダメなんだよ!!」というのは、一歩間違えるとかなり失礼な気がしないでもないかも。