現在プレミアリーグの首位を走るアーセナルのMFセスク・ファブレガスが、チームが好調を維持する原因に、ティエリ・アンリの退団を挙げた。

 今夏の移籍マーケットで、アンリをバルセロナに放出したアーセナル。チームの得点源としてだけでなく、精神的支柱として君臨したフランス人ストライカーの退団を受け、今シーズンは苦難のシーズンを送るだろうと予想されていた。

 しかし、シーズンが始まるとアーセナルの若手選手が躍動。現時点で、消化試合が1試合多い2位のマンチェスター・ユナイテッドに勝点2差をつけて首位に立っている。そして、“ヤング・ガンナーズ”の象徴的存在であるセスクは、その好調の理由を「アンリ依存からの脱却」だと説明している。

「僕らはアンリの存在に萎縮していたんだ。彼は素晴らしい選手だったけど、同時に、彼と一緒にプレーするのは簡単なことじゃなかった。周りは彼の思うとおりにプレーしようとしていたし、要求にはすべて応えなければならないと思っていたんだ。でも、今はもう誰にも萎縮することはないよ。アンリがいなくなったことで、僕らは苦しむだろうと言われていた。その評価を覆すことが、みんなのモチベーションになっているんだ」

 中盤で好調のチームを鼓舞し続けるセスク。すでに9試合で6ゴールを記録するなど、名実ともにアーセナルの顔となりつつある。20歳のスペイン代表が牽引する若手軍団は、この勢いのまま前評判を覆すことが出来るだろうか。