マクドナルドの全国2,600店舗では、無線LANが利用できる(写真はイメージ)

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   ブログが「炎上」するのは珍しくもない昨今だが、今度はニュースサイトの記事が「炎上」している。市民記者によるニュースサイト「オーマイニュース」に掲載された記事をめぐり、「非常識だ」と言った声が殺到。これをIT系のニュースサイトが紹介し、さらに「延焼」しているのだ。なにせ、マックの店で何も飲食物を注文しないまま、無線LANだけは使わせろ、という勇ましい主張なのだ。

「営業妨害をしている可能性もありますね」というコメント

   発端は、2007年6月2日にオーマイニュースに掲載された「Yahoo! 無線LANスポット、看板にいつわりあり??」という記事。この記事は公衆無線LANサービスをテーマに書かれたものだ。現在、マクドナルドの全国2,600店舗では、「Yahoo!BB」のオプションサービスに申し込めば、自由に無線LANが使えるようになっている。このサービスをめぐって、市民記者はマクドナルドに矛先を向けているのだ。記事によると、市民記者とマクドナルドとの店員との間で、こんなやり取りがあったという。

「お客様、ご注文をお伺いします」
「飲食の希望はありません。Yahoo! の無線LANスポットを利用してパソコンだけをしたいのですが?」
「ここは休憩所ではありませんので、飲食以外の利用はご遠慮ください」

   これに市民記者は憤慨、

「無線LANサービスの利用を勧誘するYahoo! のホームページには、月額料金を支払えばホットスポットが使いたい放題のようにうたってある。それなのにマクドナルド店舗でのこの対応はどういうことであろう」

などと主張し、マクドナルドやヤフーに「取材」。その結果を紹介した上で、

「勘違いされやすい表示法を今後も続けることが、Yahoo!のような有名企業にとって、はたして益になることだろうか。なんとも首を傾げざるをえないのである」

と結論づけている。

   これに対して、「この記事に一言」と呼ばれるコメント欄には、

「コーヒーくらいは注文してあげて下さいね」
「飲食店に入って何も注文しない客は営業妨害をしている可能性もありますね」

などと、飲食店で何の注文もせずに無線LANを使用することに対する批判の声が広がった。

何らかの飲食物を購入することがサービス利用の前提

   念のため、J-CASTニュースでも、日本マクドナルドのコミュニケーション部に確認してみたが、

「ウェブサイトにも『マクドナルドの店内で食事をしながらインターネットを楽しみたい!そんな要望にお答えします』とあるように、店舗の付加価値を高めるためのサービスです。お客様第一ですので、ご購入いただいている限りは、自由に(無線LAN)をご利用いただけます」

と話し、あくまでも何らかの飲食物を購入することがサービス利用の前提だという認識を示した。「本業はレストラン」とも述べている。その一方で、飲食物の購入がない場合であっても、

「急用などで、どうしても使わないといけない、という場合には、その旨ご要望いただければ、ご利用をお断りするようなことはありません」

とも話している。

   また、Yahoo!BBの公衆無線LANサービスの紹介ページを見ると、こんなことが書いてある。

「『カフェでお茶しながら情報をチェックしたいんだけど』Yahoo! BBが提供する公衆無線LANサービスにお申し込みいただければ、そんなご要望にもすぐにおこたえできます」

   ここからも、飲食店で無線LANサービスを利用する時は、飲食物の購入が前提となっていることがうかがえる。

   また、この記事を執筆した記者には、06年9月に「書店でログインしたまま放置してあったPCで、他人のミクシィのプロフィールを書き換えた」旨を自分の記事で告白し、多数の批判を受けたという「前科」があることで、炎上状態に油が注がれた形となった。

   さらに、今回「炎上」した記事は、6月5日にIT系ニュースサイト「インプレス・ウォッチ」でも、

「蛇足だけれど、マクドナルドの100円で飲めるコーヒーは、値段にしてはとてもおいしい」

という皮肉とともに紹介され、この記事をソースに2ちゃんねるにスレッドが立てられて批判が続くという「延焼状態」が続いている。

   ちなみに、この記者は自身のブログで

「私は去年(編注: 06年)の1月にPJニュース資格を取得したものの、当局との対立により席を蹴って立つ形で、本年3月に記者資格を返上させてもらうとメールにて申し出た」

と、市民記者によるニュースサイト「PJニュース」から、オーマイニュースに活動の場を移したことを明らかにしているが、

「もちろんいずれオーマイニュースも見限らねばならないときがくるのかもしれないが」

とも書いており、新たな活動場所を探していることも示唆している。