実車を見たことがないという人も多いはず

 すでに販売が終了してしまったモデルは中古車で探すしかないが、そのなかでもとくに希少価値が高いのが特別仕様車や限定車といったものだ。期限限定だったり台数限定だったりと欲しくても手に入れることができなかった人も含め、中古車で狙うライバルが多い車種と言えるだろう。今回は、そんな中古でしか狙えない特別仕様車、限定車を独断と偏見でご紹介したい。

1)マツダ・ユーノス・ロードスター M2 1028

 M2と言えばBMWのハイパフォーマンスバージョンを思い浮かべる人が多いだろうが、90年代に同名のマツダ車の商品企画を事業目的とした会社が存在していたのである。そのM2が手掛けたモデルは複数台あるが、そのなかでも高い人気を誇るのが94年に300台限定でリリースされたM2 1028である。

 徹底的に軽量化がなされたボディに幌は装備されず、純正品よりも軽量化がなされたハードトップのみ。10点式のロールケージが備わったシャシーに加えエンジンも手が入り、専用のカムシャフト、ピストン、エキゾーストマニホールド、エアクリーナーなどへ変更がなされており、走りに特化した限定車として非常に高い人気をキープしているのだ。

2)トヨタ・コンフォートGT-Z

 タクシーや教習車として使われる4ドアセダンのコンフォートをベースに、TRDが2003年に限定で販売したのが、コンフォートGT-Zだ。ベースの直列4気筒2000ccの3S-FE型エンジンにスーパーチャージャーをドッキングし、専用サスペンションやブレーキ、エアロパーツなどを装着したモデルだった。

 80年代のスポーティセダンをイメージした(おそらくAA63カリーナ辺り)同車は、ワタナベの8スポークアルミやエアダム付きチンスポ、3連の追加メーター(オプション)など、当時を知る人であれば感涙のアイテムを装備、用意していた。限定60台とごく限られた台数のみの販売だったのが非常に惜しまれる1台である。

定番だが価値の高いスバルのSシリーズ

3)スバルS20#系

 すでにノーマルでも非常に高いポテンシャルを持つ車両をベースに更なる妥協なきポテンシャルアップを図るのがスバルのS20#系だろう。初登場は2000年に登場したGC8型インプレッサをベースとしたS201で、当時はまだ280馬力規制があった時代だったが、コンプリートカーということで300馬力を発生させていた。

 S202からS204は2代目インプレッサ、R205(205のみSではなくR)は3代目インプレッサハッチバック、S206はWRXセダンがベースとなり、S207からは現行WRXがベースとなっているが、どれも純正よりもポテンシャルが向上しているのがポイントだ。S209は北米専売車となるが、日本へ輸入する業者が登場するのも時間の問題だろう。

4)トヨタ・クラウン リボーンピンク/若草色エディション/空色エディション

 先代のクラウンが登場したときの発表会で突如登場したピンク色のクラウン。当時のトヨタのCMキャラクターであったドラえもん(の実写版)に登場するどこでもドアの色がモチーフとされたそのモデルは、2013年9月に1カ月の期間限定で受注を行い実際に販売がなされている。

 そのピンクのボディとホワイトの内装は衝撃的で企業の広告塔代わりに導入するところもあるなど、注目度の高いモデルとなった。その勢いに乗じたのか、2015年には当時のCMに登場していた若草色と空色のクラウンについても期間限定で販売されたが、こちらはピンクほど話題に上がらず、ある意味レア車となっている。