4年連続で明治グループがトップに。

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合同企業説明会では理系学生向けと明示したブースやフロアも少なくない (撮影:梅谷秀司)

AIやビッグデータの重要性が高まる中、それを扱えるITエンジニア人材の需要は高い。そして、そうした業務に適応力がある「理系の学生」を企業はとくに求めている。では反対に、理系の学生はどんな企業に行きたいと考えているのか。


4月12日付の配信記事「2万人の就活生が選んだ『就職人気ランキング』」で、最新の学生の人気企業を掲載した。さらに、総合ランキング以外にも、男女別、文理別といった、属性別のランキングも作成している。今回、その中から理系就活生を対象にした、「就職人気ランキング・理系学生版」の上位100社を紹介していきたい。

ランキングは、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の調査を基にしたものだ。同社の就職サイト「ブンナビ!」に登録している学生のうち2万2028人(うち理系3604人)が回答した結果だ。調査期間は2018年10月1日から2019年3月31日までとなっている。

ランキング表には、2020年卒・前半の総合順位と、昨年(2019年卒・前半)の理系順位を掲載している。なお、「前半」とあるのは、同調査が年に2回実施されているからだ。調査を、憧れやイメージが強い就活の「前半」と、実際の説明会や面接を経た「後半」とに分けて、傾向の違いを分析している。

トップ10の半数が菓子・食品メーカー

1位は明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)で、4年連続で理系人気ランキングの首位に立つ。食品は理系の中でも女子を中心に人気となっているが、その傾向がランキングでも浮き彫りになっている。ただ、明治グループは菓子や乳業だけでなく、Meiji Seikaファルマで医薬品も展開しており、薬学系の学生も含め、幅広い支持を集めているのが不動の1位になっている要因だろう。

2位も菓子メーカーのロッテが入った。以下、トップ10には6位カゴメ、7位キユーピー、9位味の素がランクイン。トップ10の半数が菓子や食品のメーカーだ。

システム開発系企業も人気になっている。3位にはソフトウェア開発や業務システム開発を手がけるSkyが入った。昨年の理系28位からジャンプアップ。採用に積極的で、合同企業説明会の会場に大きなブースを出していることが多い。今年は200人ほどの採用を予定している。

4位は伊藤忠商事系のITサービス大手、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、5位にはSIer(システムインテグレーター)国内最大手のNTTデータがランクインしている。

男子学生のランキングと同様、理系でも商社の人気が高まっている。伊藤忠商事が昨年理系54位から15位に、丸紅が同177位から19位にランクアップした。

そのほか大きく順位を上げたのは、25位のDMG森精機(昨年理系順位130位)。工作機械メーカー世界最大手だが、残業時間の削減や社内託児所設置など、働き方改革やダイバーシティーに注力しており、そうした点も評価されたのかもしれない。



■調査について
調査主体:文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所
調査対象:2020年春入社希望の「ブンナビ!」会員(現大学4年生、現大学院2年生)
調査方法:文化放送キャリアパートナーズ運営の就職サイト「ブンナビ!」上でのWebアンケート、文化放送キャリアパートナーズ主催の就職イベント会場での紙アンケート、文化放送キャリアパートナーズ就職雑誌同送ハガキアンケート
*投票者1名が最大5票を有し、志望企業を1位から5位まで選択する形式
調査期間:2018年10月1日〜2019年3月31日
回答数:22028(うち男子8360・女子13668/文系18424・理系3604)
総得票数:67262票

「就職」を重視する学生は「企業イメージ(企業価値)」よりも「仕事イメージ(仕事価値)」に重点を置くとの仮説の下で、ランキングを算出。
就職者誘引度は、学生が企業イメージと仕事イメージのどちらを企業選択時に重視したかという回答によって算出。企業イメージのみで投票した場合は就職者誘引度0、仕事イメージのみで投票した場合は100とし、得票平均値を就職者誘引度としている。
総得票数×就職者誘引度=就職ブランド力とし、就職ブランド力を基にランクを計算。
社名はアンケート上の名称で、1採用窓口=1社名を基準にしている。グループで採用が一本化されている場合は「○○グループ」等で表記。