Officeの新機能を一般公開前にいち早く利用できる「Office Insider」とは？
●Officeにも用意されている「インサイダープログラム」
Windows 10では、開発途中の機能を一般公開前に利用できる「Windows Insider Program」というプログラムが提供されている。Windows 10ユーザーなら誰でも参加できて、開発者や新しもの好きの個人、新機能の影響を検証しなければならない企業ユーザーなどに利用されている。
特に企業の場合、Windows上ではさまざまな業務システムが動いている。
このため、新機能が一般公開されたあとで、万が一、不具合が発生すると大問題となる。
そこで、ITを担当する部門や担当者が「Windows Insider Program」に参加して開発途中の機能を検証することは、重要な取り組みとなっている。
同様のプログラムは、Officeでも提供されている。それが「Office Insider」だ。
ただし、利用できるのはサブスクリプション型で提供されるOffice 365の場合に限られる。
個人だと、Office 365 Soloを契約している場合に利用できる。また、OfficeがプレインストールされているOffice Premiumでも利用できるようだ。
ただし、パッケージ版Officeでは利用できない。
また、Office 365を契約している企業でも、管理者が「Office Insider」の利用を禁止している場合も利用できない。
マイクソフトは、Officeに関しても、Windows 10と同様にクラウドから自動的にアップデートする仕組みを推進している。
このため、特に企業においては、一般公開前にOfficeの新機能を検証する必要がでてくる。このあたりの事情はWindows 10と同様だ。なお、プログラムに参加したユーザーは、誰でもマイクロソフトにフィードバックを送ることが可能となっている。
●Office Insiderへの参加方法
では、Office Insiderに参加する方法を説明しよう。
なおOffice Insiderは、
・Office InsiderはWindowsデスクトップ版
・Mac版
・Android版
などで提供されている。
ここでは、Windowデスクトップ版での操作を説明しよう。
WordやExcelなどのOfficeアプリケーションを起動したら、［ファイル］の［アカウント］を選択し、［Office Insider］ボタンをクリックしてメニューを開いて、［Office Insiderに参加］を選択する。
［新規登録してOfficeの新しいリリースをいち早く入手します］をチェックし、レベルを選択し、［このプログラムへの参加を〜］をチェックして［OK］をクリックする。
マイアカウントの「追加のインストールオプション」のページ（URLはページ末を参照）を表示し、［バージョン］でInsiderビルドの種類を選択してから［インストール］をクリックしてインストールを実行する。なお、自動的にOffice Insiderビルドに更新されるので、既存のOfficeをアンインストールする必要はない。
以上でOfficeがバックグラウンドで自動的に更新されて、Officeの各アプリケーションで開発中の機能が利用できるようになる。
なお、選択できるレベルには、「Insider」と「月次チャネル（対象指定）」の2種類がある。「Insider」を選択すると、高頻度で新機能がリリースされる。ある程度のリスクは覚悟して、サポートされない新機能でもいち早く検証したいユーザー向けだ。「月次チャネル（対象指定）」はもう少しリスクが低く、サポートされた新機能を一般公開前に使ってみたいユーザー向けだ。
Office Insiderの参加だが、いつでも終了できる。
Officeアプリで［ファイル］の［アカウント］を選択し、［Office Insider］ボタンをクリックしてメニューを開いたら、［レベルの変更］を選択する。
そして、［新規登録してOfficeの新しいリリースをいち早く入手します］のチェックを外して［OK］をクリックする。
これで、次回、Officeが更新されるとき、Insiderビルドではなく通常のリリースのOfficeが反映される。
開発中のバージョンを利用することになるので、パソコンが不安定になるなどのリスクもあるが、マイクロソフトにフィードバッグを送って機能改善を要望することもできるので、興味がある方は、試してみてはいかがだろうか。
・ Officeの「追加のインストールオプション」のページ
・ Office Insiderの解説ページ
井上健語（フリーランスライター）
