メルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』も大好評な、出版やビジネスにと精力的に活動を続けるホリエモンこと堀江貴文さん。そんな堀江さんの人気YouTubeコンテンツ『居酒屋ホリエモンチャンネル』に、メルマガ『【最も早くおしゃれになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断』の著者で、8月にファン感謝イベントを開催予定の人気ファッションアドバイザー・MBさんがゲストです。「低身長向けブランド」の立ち上げで盛り上がった第1回に続き、第2回目の今回は、ユニクロの姉妹ブランドとして安さが人気の「GU(ジーユー)」について。MBさんいわく、日本でGUの人気がイマイチとのことですが、一体なぜなのでしょうか?

MBさんが分析「日本でGUがイマイチなワケ」

堀江:それで、さっきの155もそうだけど、アパレルってまだまだ色々あると思います。

MB:そうですね。色々あると思います、全然。

堀江:俺が考えてるのは、やっぱ靴のマーケットなんだよな。「甲高幅広族」向けのとか……。

寺田:あぁ、私もそっちなんですよ。

堀江:そういう人って結構いると思うんだよね。

寺田:女子なんかだと、パンプスが履けない問題があって……。

MB:そうですよね。パンプスなんて大きいサイズを選んじゃうと、スポッと抜けちゃいますもんね。

寺田:そうなんです。だから、足が甲高幅広の女子って、履ける靴がめちゃくちゃ限られてくるんですよ。

堀江:ホント、「甲高幅広族」ってマイナー民族なんだよ。

MB:そういうのをだんだん潰していきたいんですよ。でも、一番困ってるのは低身長だと思うんですよ。

堀江:でしょうね。それは完全にそうだよね。だから、それは3年前に155ってことで考えたのよ。

MB:さすが。

堀江:それで僕、ちょっと思ったんですけど、ZOZOTOWNとMBさんの関係性って言うか、どうなんですかね。その辺をちょっと話しておきたかったんだよね。

堀江貴文氏

MB:ZOZOと僕は、めっちゃフラットですよ。たまに会って話すぐらいで。

堀江:でも何だろう。ZOZOは既存のアパレルブランドとは別の動きじゃないですか。

MB:まったく違いますね。

堀江:その動きに対して、既存のアパレルはどう考えてるのかっていうところが、結構気になってて。やっぱファッションECでは世界で一番イケてると思ってて、戦略的にも……。

MB:そうですね。

堀江:例えば、WEARでナンバーワンの子って高橋愛ちゃんだけど、彼女ってちょっと低身長じゃない? 彼女ってブランドとかを作んのかなって、思ったりしてたんだけど。

MB:いや、その説明は彼らからもよくされるんですけど、結局は彼らってデベロッパーなんですよね。自分たちで何か事を起こしてっていうことには、あんまり積極的ではなくて。まぁブランドはやってるけど。例えば僕がZOZOのなかでこのブランドが好きで「これ宣伝したい」ってみたいなことを言っても、彼らはひとつのブランドに偏ることはしたくないからって言うんですよ。

堀江:プラットフォーマーっていうこと? でも、プライベートブランドは立ち上げているじゃない。

MB:そう。そこの矛盾感はあるんですけどね。でも彼らと話をしてると、やっぱそういう話はしてきますよね。

堀江:だって、サイズを取りに行こうとしてるじゃない? ZOZOスーツで。アレ、頼みました?

寺田:頼んでないです。

MB:僕はやりました。

堀江:僕はね、初期型を持ってたから……。でもね、初期型って使えなくなっちゃったの。なんかアプリに登録したのに、初期型はダメになっちゃって。それで水玉が来ちゃったんだけど、アレって撮影を11回しないといけなくって……。

MB:そうなんですよね。

堀江:それがスゲーめんどくさいなって。旧型は着るだけでよかったから、めっちゃラクなの。

MB:それはすごい難しくて。結局ZOZOで売れてるのって、今はオーバーサイズなものばっかりなんですよ。トレンドがオーバーサイズなんで。でも、ZOZOがやってることって、世界的にはすごくレアなことなんですけど、ミドルレンジのとこなんですよね。……日本の今のファッション業界って、ハイブランドと中間の価格帯とファストファッションって3段階になってますけど、世界的にはもうミドルレンジって存在しないんですよ。日本だけミドルレンジの価格帯って生きてて、それを担ってるのがZOZOなんですけど。

そのミドルレンジっていうのは、ファストファッションよりもイイものが欲しいって人たちだから、感度がすごく高いんですよ。で、その感度が高い人は何に手を出すかって言うと、今はオーバーサイズがトレンドだから、やっぱそういうサイズを気にしなくてもいいものを買うんです。

それじゃぁ、ZOZOスーツってどんな必要性があるのよっていうと、実はミドルレンジの人たちにはハッキリ言って全然必要なくって、ローレンジの人たちをミドルに上げるための施策だと思うんですよ。ところが、そういうローレンジの人たちが、果たして12回まわって撮影するっていうめんどくさいことをするのかっていう話なんですよ。その辺の不一致感は、ZOZOスーツってまだまだあるなぁって思うんですけどね。

堀江:だからアレ、一番最初のバージョンのままだったら良かったのにって思ってて。

MB:そう。一番最初のままだったら良かったですよね。でも、いまAmazonがまた開発してるみたいですよ。

堀江:そうなんだ。……今、コメントで「寺田さん、公開ZOZOスーツ」だって。

寺田:なんでだよっ(笑)。なんで全部公開になるんだよ、私の場合。

堀江:じゃぁ、それZOZOに提案してみよう(笑)

MB:あぁ、それイイかもしれませんね(笑)……でも155のヤツは、ぜひモデルになって。

MB氏

寺田:確かに155はそうかもしれないですけど、ZOZOは要ります?

堀江:いいじゃん、全部出しちゃえよ。

寺田:要らないと思うんだけどなぁ。

堀江:……いやぁ、でもそこは面白いと思ったんだけどなぁ。高橋愛ちゃんとかブランドやらないんだ。そういうプラットフォームにするんだと思ってたんだけど。

MB:やらないんでしょうね。やればいいと思うんですけどね。

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堀江:だって今のインフルエンサーって、昔の109ブランドのモデルとかショップ店員とかに当たるんじゃないですか?

MB:同じですね、感覚的には。その人たちが洋服作って売って、みたいな。

堀江:でも今だったら、もっとカジュアルに作れるじゃないですか。

MB:全然作れます。でも、賢い人たちってもう自分で動いてたりしますね。例えば100人ぐらいしかフォロワーを持ってないような大学生のインフルエンサーとかでも、モノ作っちゃえば10枚ぐらいは売れちゃうから。それこそ古着屋さんで買ってきたのを丈詰めて売ってみたいなので、小銭を稼いでみたいな……。

堀江:あぁ、丈詰めて売ってとかしてるんだ。

MB:そう。めちゃくちゃいますよ。だから、そういうプチデザイナーみたいなのが量産されてますよ。

堀江:あぁ、それがminneとかの世界なんだ。あとはハローサーカスみたいな……。

MB:そうそうそう。

堀江:そんな感じだ、なるほど。

MB:うちの会員さんとかも、「どうやってブランドを立ち上げたらいいですか」とか「どうやったらMBさんみたいになれますか」ってよく言うんですけど、別に100人インスタで集めれば、普通に服を作って売って、お小遣いになるから、そっから始めればいいじゃんって。100人集めるのは別に大したことないから、全然できるし、やってる人はいるんですよ。

堀江:でも、本当にイイものを作ったら、100個とかでも手売りで売れるもんね。

MB:そう。例えばユニクロのパンツって万人に向けてやってるから、ちょっと裾幅が甘かったりするわけですよ。誰でも足を通せるように。でも、2センチ詰めるとカッコよくなるとか言ってるんですけど、「それを僕やるから、1000円プラスで買ってください」みたいなことをしてる人もいて。それが全然商売になってるんですよ。そんな簡単なことなのに……。

寺田:私も丈詰めるのやって欲しい……。

堀江:めんどくさいもんね。

寺田:低身長派としては……ワイドパンツがここ数年、流行り続けてるじゃないですか。履けないんですよ、いい丈で。

MB:わかります。

寺田:かと言って、ユニクロに「丈詰めてください」って持っていけるような素材感とかモノでもないから、めちゃくちゃ無理して履こうとするんですけど……。

MB:アパレルで次来るのって、リメイクだと思ってて。10年前とかと比べて、男性も女性もそうなんですけど、持ってる服の数って3倍だか4倍とかに跳ね上がってるんですよ。

堀江:あぁ、安くなったから。

MB:そう。それでみんな洋服の枚数は持ってるんだけど、ちょっと不満があるんですよね。それをどうするかっていうと、すでに持ってるから新しいものを買うっていうテンションにはなかなかならないけど、持ってるものを直すっていうテンションに変わりつつあると思うんですよね。だから僕、話しちゃいますけど、来年にお直し屋さんと組んで、商売をやろうと思ってるんですけど。

堀江:え? なるほどねぇ。

MB:今って何でもお直しできるんですよ。例えばコートを丈詰めてジャケットにするとか、長袖のシャツを半袖にするとか、襟をちっちゃくするとか、レディースをメンズにしちゃうとか、ワイドパンツを細身のスキニーにしちゃうとか……。実は何でもできるんだけど、ほとんどの人がそれを知らないんで。ただお直し屋さんって、職人の世界だから、今はなかなか職人さんのなり手が少ないんですけどね。

堀江:俺この間、むりやりお直ししちゃったけどね。

MB:何のお直し?

堀江:サンダルを買ったんです。何かこの辺がこう……まあおしゃれサンダルですね。後ろにも何かこう付いてるんだけど、甲高幅広族じゃないですか。なんか「痛い痛い」ってやってたら、後ろがブチッて切れちゃって。

寺田:わっ、切れたんだ。かかとの部分が?

堀江:だから、バチッ、バチッ、バチッて切って、リメイクして普通のサンダルになっちゃった。

MB:(笑)。セルフリメイク?

堀江:そう、セルフリメイク。でも何かそういう感じだよね。

MB:みんなもう物を持ってるから、カスタマイズの需要があると思うんですよね。

堀江:確かに。でも、もうちょっとそれって大規模化というか……。

MB:うーん。

堀江:できそうだけど……。俺なんかは、でも、やっぱリメイクのセンスとかは別にないから、勝手にやってほしい。

MB:そう、だから洋服屋さんがお直し屋さんになればいいと、僕は思うんです。セレクトショップの人たちとかは、やっぱりセンスはあるけど給料低いから。そういう人たちがお直し屋さんと組んで「提案するお直し屋さん」とかをやればいいと思うんです。僕はそれをやろうかなと思って。

堀江:なるほどね。……でもさ、それにしてもユニクロはすごいよね。

MB:すごいっすね。

堀江:あの値段であれ出すのは、ちょっと反則だね。

MB:反則。

寺田:ジーユーはもっと反則だと思ってました。

MB:反則です、反則。

堀江:何だっけ、見せてもらった?

寺田:そう。「ユニクロがすごい」っていう話になった時に、「いや、さらにジーユーがすごい」っていう話をしたときに、タイトスカートが390円で売ってて……。

MB:あぁ、ありますよね。

堀江:390円って、ないよね。

MB:おかしいです。

寺田:……そのタイトスカートが反則だっていう話をしたんですけど。

堀江:あれ、どうなの?

MB:いや、もうすごいんですけど、ちょっと素材はまぁ劣るじゃないですか。

寺田:まあ確かに。

MB:でも、それって棲み分けの違いで。

堀江:だって390円だったら、1回着るだけでもイイよね。

MB:そう、1回でいい。

寺田:だから洗濯して、そのワンシーズンに2〜3回着れたらOKって思っちゃいます。

MB:うん、十分。去年はだって秋冬に990円のニットシリーズやってて、めっちゃ売れてたんですけよ、ジーユーって。

寺田:今年もトップスを何かやってましたよね、その辺の値段で、確か。

MB:でもジーユーはちょっと業績、若干落ちてます。

寺田:そうなんですか?

堀江:価格を安く売り過ぎでしょ。

寺田:でも、女子のジーユーがすごいなって思うのは、小物も充実してることで。だからもう、ジーユーに行けば揃うんですよね。

MB:だから109の進化形ですよ、ジーユーは。

堀江:あ、そうなんだ。

MB:はい。もうトレンドをめっちゃ速く追っ掛けて、安く作るってのがジーユーです。

堀江:要はインディテックスとか、そっちと同じなのね。それをやろうとしてんだよね。

MB:そうそう、同じです。でも、結局あれってロングスパンで売るものじゃないじゃないですか。例えばユニクロだと、カシミアのニットとかフリースとかって、もう10年ぐらい売ってるじゃないですか。でもジーユーでガウチョって、最近じゃ聞かないじゃないですか。

寺田:聞かない。

MB:ジーユーはショートスパンで、トレンド物を安くポンと売って、さっさと売り抜けて、次に行くっていうシステムなんですけど、ユニクロはもうずっと10年ぐらい長いこと売るから、すごくいい素材だけど安くできるっていう。そういう仕組みの違いはありますけど。

寺田:在庫を抱えても、来年売ればいいし。

MB:そう。ただ残念ながら、トレンドフルなものって日本では売れないんです。それは日本人は素材の良さを気にするところがあるから。……和服ってデザインは同じだけど、素材や柄とかにはこだわりますよね。それは今も同じで。だから日本ではユニクロのほうが売れて、ジーユーはイマイチなんだと。だからジーユーは、海外に出るべきだと僕は思うんですけど。

寺田:そうか、海外のほうが売れるんですね。

MB:海外だと、H&Mとかはバカスカ売れてるけど、日本だとあんまりなんです。

寺田:確かに。H&Mはあんまそそられないです。

MB:そう、だからちょっとガラパゴスなんですよね。

堀江:うん、そうだよね。

撮影:上岡伸輔

 

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