韓国でアタマジラミ感染の小学生が急増 原因は「勉強のしすぎ」?

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 韓国の小学生の間でよく勉強する子どもほどアタマジラミの感染率が高く、保護者を悩ませているという。韓国健康管理協会の調査によると、2016年、全国小学生のアタマジラミ感染率は平均2.8%だったが、教育熱の高いソウル・江南(カンナム)区では9%と平均の3倍を超えた。この地区の子どもたちは毎日勉強に追われるあまり、髪を乾かす時間もなく濡れたまま就寝したことが原因で感染率が高まっていると指摘されている。

◆急増するアタマジラミの感染者
 アタマジラミは10歳未満の小学校低学年の子どもに最も多く感染する寄生虫だ。おもに髪の毛の接触によって感染して頭皮から血を吸うため、出血やかゆみなどの反応が出る。大きさは2ミリほどで肉眼でも確認することができる。日本でも有機塩素系殺虫剤の使用禁止に伴い1982年度にアタマジラミの報告件数が2300件、感染者約2万4000人と急増したが、のちに開発されたピレスロイド系殺虫剤の登場により感染件数は減少した。

 韓国では1960〜70年代に流行し、衛生状態が良くない環境で発生するという理由から後進国型の伝染病として知られるようになった。88年のソウルオリンピック後、国民の所得水準が向上して髪を頻繁に洗うことができるようになってから問題は徐々に解決された。しかし、最近になって再び急増しているとのことだ。

 韓国健康保険審査評価院(HIRA)によると、アタマジラミは10歳未満(0〜9歳)の子どもが最も多く感染する。昨年診療を受けた患者8700人のうち、10歳未満が5532人と6割以上を占めた。性別では、女の子(4389人)が男の子(1143人)より4倍程度多かった。韓国健康管理協会は、全国の小学生アタマジラミ感染率は平均2.8%だが、江南エリア一帯の感染率は9%だと発表した。

◆勉強に追われ髪を乾かす暇もない小学生
 アタマジラミの流行自体は珍しいことではない。幼稚園児や小学校低学年の児童は体を寄せ合って遊ぶため、時期を問わずアタマジラミが見つかることがよくある。しかし韓国では、教育熱が高いことで有名な江南エリアに住む小学生から多く発見されたため、過酷な受験事情との関連性が指摘されている。

 韓国中央大学病院のソ・ソンジュン教授は「共働き家庭が増えた結果、子どもの衛生管理に気を配らなくなり、子どもたちは勉強で忙しいという理由で頭を十分に乾かさずに眠るためアタマジラミが住みやすい環境になったようだ」と分析した(朝鮮日報)。

 超学歴社会と言われる韓国では夜遅くまで塾に缶詰めになって勉強することは珍しくなく、小学生も例外ではない。学校が終わったあとも塾で机を並べて長時間過ごすため、自然と感染しやすい環境が構築されているのだ。

 また、アタマジラミは「いじめ」問題にもつながる。実際、光州(クァンジュ)に住む女子小学生はアタマジラミが原因でいじめにあうと、地域のボランティア団体がすぐにスタッフを小学生の家に派遣し、2時間かけてアタマジラミを除去することがあった(スポーツ京郷)。

 アタマジラミは成虫や幼虫なら市販のシャンプーで洗い流すことができる。髪が比較的長い女子児童でも大人が丁寧にクシでとかすことで十分に取り除ける。しかし韓国では、まず保護者が勉強で忙しい子どもと十分なコミュニケーションを図る時間を確保することが急務なようだ。