2008年以来10年ぶりの巨人復帰となる上原浩治【写真:Getty Images】

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2008年と2018年の主な巨人投手陣を比較

 上原浩治の巨人復帰が決まった。背番号は「11」。2008年以来10年ぶりの巨人復帰となる。これは、MLBから復帰したNPB選手としては、大家友和の12年(1998年に横浜からレッドソックスへ移籍、2010年にインディアンスから横浜に復帰)に次ぐ長いブランクだ。

 それでは、巨人の投手陣の顔ぶれは2008年と2018年では、どう変化しているのだろうか。

【2008年の巨人投手陣】

〇先発

グライシンガー(33歳)、内海哲也(26歳)、高橋尚成(33歳)、上原浩治(33歳)、バーンサイド(31歳)、木佐貫洋(28歳)

〇救援

山口鉄也(25歳)、越智大佑(25歳)、クルーン(35歳)、東野峻(22歳)、西村健太朗(23歳)

【2018年に想定される巨人主力投手陣】※年齢は3月30日現在

〇先発

菅野智之(28歳)、野上亮磨(30歳)、田口麗斗(22歳)、畠世周(23歳)、大竹寛(34歳)、ヤングマン(28歳)

〇救援

マシソン(34歳)、カミネロ(30歳)、澤村拓一(29歳)、西村健太朗(32歳)、森福允彦(31歳)

 10年前から活躍しているのは西村健太朗だけ。内海哲也と山口鉄也は10年前から在籍しているが、昨年はともに一線級の活躍はできなかった。

 監督は原辰徳から、上原浩治と同じ1975年4月3日生まれの高橋由伸に。上原は歳月の経過を実感しながら、再び巨人投手陣の一員となる。

巨人で歴代15位の112勝、断トツ1位のK/BBでどこまで勝ち星伸ばすか

 続いて、巨人投手の歴代勝利数15傑をみてみよう。

【巨人投手の歴代勝利数15傑】

1別所毅彦 221勝

2中尾碩志(輝三) 209勝

3堀内恒夫 203勝

4V.スタルヒン(須田博) 199勝

5藤本英雄 183勝

6斎藤雅樹 180勝

7桑田真澄 173勝

8槙原寛己 159勝

9城之内邦雄 141勝

10江川卓 135勝

11大友工(工司) 129勝

12内海哲也 128勝

13西本聖 126勝

14藤田元司 119勝

15上原浩治 112勝

 上原は巨人で歴代15位の112勝を挙げているが、今後どれだけ積み上げることができるだろうか。

 プロ入り以来、NPB、MLBを通じて背番号「19」をつけていたが、現在この番号はエース菅野智之がつけているので、新しい背番号は「11」となる。巨人の「11」は、巨人史上最多勝の別所毅彦、渡辺秀武、角三男、斎藤雅樹らがつけてきた由緒ある背番号だ。背番号の歴史にも、新たな1ページを加えることになる。

 NPBで上原が記録したK/BB(奪三振数÷与四球数)は6.68。82年を超すNPBの歴史で、1500イニング以上投げた投手では断トツの1位だ。史上最も制球力がある投手、と言ってもいいだろう。MLBでもK/BBは7.33を記録するなど、全く衰えなかった。

“芸術品”とも言えるその投球を、巨人の若手投手の前で披露する。そのこと自体が球史に残る出来事と言ってもよさそうだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)