井上尚弥【写真:Getty Images】

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“疑惑”の王者、陣営が山中との再戦後に対戦歓迎「ネリがもう一度勝利したらイノウエと…」

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)が、“山中因縁”のチャンピオンから挑戦状を叩きつけられた。WBC世界バンタム級前王者の山中慎介(帝拳)相手にTKO勝ちを収めながら、試合前のドーピング検査で陽性反応を示したルイス・ネリ(メキシコ)陣営が2018年に対戦を熱望していることを明らかにしている。ESPNスペイン語版が報じた。

「モンスター」の対戦候補に、まさかの名前が浮上した。ルイス・ネリだ。

 ネリは8月のタイトル戦で山中を下したが、試合前のドーピング検査で筋肉増強剤に似た性質を持つジルパテロールに陽性反応が出たことをWBCが発表。ネリ側は「禁止薬物はメキシコで食べていた肉に混入していた」と主張し、WBCは王座を剥奪しない代わりに山中との再戦を命じていた。

「神の左」を持つ山中とのリベンジマッチに臨むことになるネリ。しかし、記事によると、プロモーターを務めるサンフェル社のフェルナンド・ベルトラン氏は「VS山中」の先を見据えているという。

「ルイ・ネリはサンフェル社の現在と未来にとっての鍵となるファイターの1人だった。彼はいい2017年を過ごしたが、2018年はもっといい年になることに疑いを抱いていない。ヤマナカとの2戦目の交渉を待っている。我々は高い確率で日本に行くことになるだろう」

プロモーター「対戦を受ける準備している」、米報道「ネリが井上戦を否定することない」

 ベルトラン氏は山中とのタイトルマッチが日本で行われる可能性が高いことを明らかにした上で、山中を倒した場合のネリのマッチメークについて、仰天プランを明かした。

「ネリがもう一度勝利したなら、イノウエとの対戦を受ける準備をしている」と明言。現在、スーパーフライ級最強と呼ばれる井上のバンタム級転向を前提にした上で、激突を歓迎。2018年にカルフォルニアを舞台として具体的に言及もしていた。

 特集では「シンスケ・ヤマナカとの日本での再戦ですべてがうまくいけば、メキシコのザンファー社はパンテリータ(小さな豹)こと、ルイス・ネリがパウンド・フォー・パウンドにおける世界最高の1人と多くから認められている日本人、ナオヤ・イノウエとの対戦を否定することはないだろう」と報じられている。

 井上は12月30日にヨアン・ボワイヨ(フランス)との7度目の防衛戦を行う。来年2月にはアメリカで予定されるスーパーフライ級の世界王者が一堂に会する「Superfly2」で統一戦の実現に期待が集まっている。

 一方、山中との因縁のリベンジマッチの先を見据えるネリ陣営。話題性抜群となるモンスターと小さな豹の米国決戦は2018年に実現するのか。大きな話題の一つとなりそうだ。