『娼年』 ©石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

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石田衣良の小説『娼年』が映画化されることがわかった。

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昨年に松坂桃李主演で舞台化された同作。大学生活にも退屈し、無気力な生活を送っている森中領が、ボーイズクラブ「パッション」のオーナー・御堂静香と出会い、彼女の勧めで始めた男娼の仕事をしていくなかでやりがいを見い出し、やがて静香に思いを寄せていくというあらすじだ。森中領役を演じるのは、舞台版に引き続き松坂桃李。監督は舞台版の脚本、演出を手掛けた三浦大輔が務めた。R-18指定作品となる。

本日10月17日に29歳の誕生日を迎えた松坂桃李は、「撮影前に三浦監督に言われた言葉です。“ようやくこれで石田衣良さんが産み出した『娼年』が完成する”と。撮影を終えた今、僕自身もそう感じています。舞台同様、無になりましたが。何より女性の方にこそ観ていただきたい作品です」とコメント。

また三浦大輔監督は「映像化は色んな意味で舞台化よりさらに困難な作業になりましたが、原作の石田衣良さんの小説の意思を受け継ぎ、『性描写』に関しては一切妥協せず、でも、よりポップに描き切ったつもりでいます」と述べている。映画の撮影はすでに終了し、10月の完成を目指して仕上げの作業中だという。公開は2018年春を予定している。

なお本日発売の『小説すばる11月号』で『娼年』シリーズの最新作『爽年』の連載がスタートする。

■松坂桃李のコメント
昨年、「娼年」という舞台に出演したことは自分の中で大きな出来事の一つでした。
この作品の千秋楽の日、二度とできない、そう思えるほど、無の状態になりました。
だから映画化の話を聞いた時には、不安しかありませんでした。
でも、舞台で表現できなかったこと、映像だからこそ残せるものが、映画「娼年」にはあると思いました。
撮影前に三浦監督に言われた言葉です。
“ようやくこれで石田衣良さんが産み出した「娼年」が完成する”と。
撮影を終えた今、僕自身もそう感じています。
舞台同様、無になりましたが。
何より女性の方にこそ観ていただきたい作品です。

■三浦大輔監督のコメント
厳しい条件の中、全キャスト、スタッフが満身創痍で作り上げました。娼夫になる主人公の「領」は舞台に引き続き、松坂桃李君です。舞台からさらに進化した、また新たな「領」を演じてくれ、やはり、この役は彼でしか成立し得ないと確信しました。映像化は色んな意味で舞台化よりさらに困難な作業になりましたが、原作の石田衣良さんの小説の意思を受け継ぎ、「性描写」に関しては一切妥協せず、でも、よりポップに描き切ったつもりでいます。結果、あまり前例がない、新しいエンターテイメントが産まれた予感がしています。R18作品ですが(こればっかりはしょうがない)、幅広い人たち、特に女性の方々に観て欲しい気持ちでいっぱいです。「娼年」は女性の欲望を全肯定する物語です。公開をどうぞご期待ください!