ふわふわ♡ 羊毛フェルトの手作り「基本のき」&厳選アイデア

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ふわふわの質感が可愛く、定番人気の“羊毛フェルト”は、動物モチーフやアクセサリー、ファッション小物などが作れ、多少アバウトでも形になりやすく、ミシンや手縫いなどの裁縫が苦手な人にでも作りやすいこと。また材料が比較的手に入りやすく、時間もあまりかからずに完成するのも魅力です。でも、そもそも基本がわからない! という人に――ちょっとリアルでかわいい羊毛フェルト作品が人気の羊毛作家/緒方伶香さんに、今すぐ挑戦したくなるかわいい作品を作りながら、羊毛フェルトの基本を教えてもらいました。羊毛フェルトの仕組みを理解すれば、オリジナル作品も、どんどん作れちゃいますよ。



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羊毛フェルトの「基本のき」――羊毛フェルトを作る2つの方法


羊毛フェルトに必要な材料と道具

■ 羊毛

羊の毛を刈り取ったふわふわの毛で、羊の種類によって、毛の色も変わります。刈りとったままのナチュラルカラーはもちろん、白の羊毛を染色したカラフルなタイプも豊富なので、作品によって好みのものを選びましょう。今回紹介した作品は羊毛専門店などで取り扱っている天然毛を使用していますが、どんなものを使ってもOK。ただし、天然毛は風合いが違います。動物などに使うと、よりリアルな可愛さが楽しめるはず。

■ フェルティングニードル

羊毛を刺すときに使う羊毛フェルト専用針のこと。針先にいくつか傷があり、そこに羊毛が引っかかることによって少しずつ繊維がからみ、固まっていきます。写真の左から「細針」「中針」「太針」。太さのバリエがあれば、刺し始めや大きな作品には太針、少し固まってきたら中針、小さな作品や仕上げには細針……など、使い分けができて便利。手に入らなければ、中針だけでもOK。針が2、3本並んだ「並列」タイプなどもあります。

■ フェルティングマット か たわし

ニードルを使ったニードルパンチでフェルト作品を作るとき、針をテンポよく刺すには、すべりを防止し、作業台も守るためのマットが必要です。市販の「フェルティングマット」はもちろん、大きめのたわしも便利。たわしの上に羊毛を置き、ニードルを刺すことで繊維の隙間に針先が入って羊毛も固定されるため、作業がスムーズに。安価なたわしは繊維が抜けてフェルトにからまることもあるので、しっかりとした作りのものを選ぶのがおすすめです。

■ 「水フェルト」用の道具

鍋や洗面器、湯(42度程度)、液体洗剤(液体洗濯石けん・できれば弱アルカリ性)、手にはめるためのポリ袋(手袋)。また、水分を含ませて作るため、大きなバットやビニールシートなどの敷物も用意しましょう。今回は作業時にカー用品のフロアマットを使用しましたが、これは十分な大きさがあって作業がしやすく、おすすめです。液体石けんは、水500mlに対して5〜10滴程度の量で十分。

■ 【羊毛にはいろいろな種類・状態のものがあります】


同じ羊毛でも、とかし方によって状態が変わります。一番左の原料の状態「グリージーフリース」(a,b)から、洗って、カード機にかけて繊維をそろえて細長く巻き取った状態の「スライバー」(c)、それをさらにとかしてゴミをほぼ取り除いた状態の「トップ」(d)、カード機にかけてふわふわにした羊毛をふとんわた状に巻きとった「カーデッドウール」(e)、さらに幅広に巻きとった「ロール(バッツ)」(f)などがあります。どれもフェルト作品作りに使えますが、立体作品にはカーデッドウールやロールが向いています。

羊毛が手に入るおすすめショップ

■ 『アナンダ 吉祥寺店』

羊の原毛や毛糸の量り売り、道具の販売をはじめ、紡ぎの講習やワークショップも随時開催。山梨に本社・本店をかまえる紡ぎ車と世界の原毛の店『アナンダ』は、羊毛フェルト好きにはつとに知られた専門店。自社で染めたオリジナル羊毛はもちろん、少量ずつがセットになったものなど、初心者でも買いやすい商品ラインナップがうれしい。原毛やフェルトづくりに精通したスタッフばかりなので、わからないことも気軽に相談できそう。本店の講習やネット通販も充実。

―Shop Information―
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-38-7
☎0422-24-7118
[営業時間]10:00〜18:00
http://www.ananda.jp/


棚一面に並んだ羊毛のラインナップは圧巻。素材、色、状態別に分かれています。大きなロールは、ここでしか手に入らないオリジナル。

■ 【羊毛フェルト作品の作り方を教えてくれた先生】

緒方怜香さん

●おがた・れいこ 美術大学を卒業後、印刷会社のアートディレクター、テキスタイルデザイナーを経て、東京・吉祥寺にある『アナンダ』のスタッフとして羊毛に親しむ。現在はワークショップや羊毛教室を開催したり、羊毛のある暮らしや作品を雑誌やテレビなどのメディアでも紹介している。著者に『羊毛のしごと+』『手のひらの動物 羊毛でつくる絶滅危惧種』(以上 主婦の友社刊)などがある。
hopetosa.com
https://goo.gl/HXTj48
https://goo.gl/g7KDgR

100円ショップでも材料は手軽に買えて人気!


フェルトづくりの道具や羊毛は100円ショップなどでも手に入ります。フェルティングニードル&マットのセットをはじめ、2本並列タイプのニードル、カラーバリエーション豊富な羊毛セットや、動物などが作れるキットなども。


初心者でも簡単! 羊毛フェルトでりんごを作る方法


羊毛を丸めてニードルパンチで形を作っていくだけの「りんご」モチーフは、羊毛フェルトをはじめて作る人、基本をおさらいしたい人におすすめです。葉っぱを作って本体の実につけるコツやニュアンスある見た目に仕上げる方法など……ちょっとしたポイントで、ただ丸いだけじゃなく、ぐっと洗練された雰囲気に。完成品はそのまま飾るのはもちろん、ひもを縫いつけて、オーナメントやキーホルダーにしても素敵です。

■ 【材料】

羊毛(ここでは「染色ロムニー」使用)
 赤……5g
 抹茶、緑……各少量

■ 【作り方】

■ 1 赤い羊毛を丸めて実を作る

(a)赤の羊毛を引っぱりながら、のばす。
(b)のばした端からくるくると巻いていく。
(c)いろんな方向から巻き、形を整えながら丸くしていく。指先に力を入れて、固めにぎゅっと丸めて。

■ 2 ニードルで端を固定し、全体を刺す

(d)丸くなったらマットの上にのせ、ニードルで刺して、巻き終わりの端を固定する。
(e)さらに表面全体をリズミカルに刺して、固めていく。
(f)りんご部分のベースが完成。

■ 3 表面に色のニュアンスを出す

(g)緑の羊毛2色を手で混ぜる。2色を合わせて引っぱり、のばす。
(h)半分にちぎっては重ね、のばす。何度か繰り返して、色がふんわりと混ざればOK。
(i)これをほんのひと筋だけ手にとり、りんごの表面にふわりとのせ、ニードルでところどころ刺しておさえれば、青みがかったニュアンスが出現。

■ 4 緑の羊毛を巻いて葉っぱにする

(j)残りの緑の羊毛を引っぱってのばし、端からくるくると巻いて葉っぱを作る。
(k)葉っぱの形になったらマットの上にのせ、ニードルパンチで固める。このとき、りんごと接合する根元部分はふわふわのままにしておくこと。
(l)葉っぱの根元とりんごをニードルパンチで接合する。

動物モチーフの人形に挑戦! 羊毛フェルトでおとぼけ顔のくまさんを作ろう


りんごモチーフで羊毛フェルトに慣れたら、次は動物のフェルト人形に挑戦してみましょう。羊毛をぐるぐる巻いた手足をさらに羊毛でくるむようにして作る方法は、想像よりもずっと簡単。形がちょっといびつになっても、それもまた“味”。とぼけたような表情に仕上げて、見ているだけでくすりと笑える、くまを作ってみましょう。

■ 【材料】

羊毛(ここでは「ロムニー」使用)
 ナチュラルカラー ダーク……10g
 ライトグレー、ホワイト……各少量
羊毛(ここでは「染色ロムニー」使用)
 ブラック……少量

■ 【作り方】

■ 1 手足を作る

(a)ダークの羊毛を両手分で3g程度手にとり、そのうち半量程度を芯にして、残りの羊毛を引っぱってのばし、端から芯に巻いていく。
(b)中心はあまり巻かずに、ふんわりの状態を残しておく。
(c)このくらいの状態まで巻いたらOK。
(d)マットの上にのせ、手先となる両端を中心にニードルを刺して、固める。ダークの羊毛で、両足分も両手と同様に作る。

■ 2 ボディをざっと形作る

(k)全体をニードルで刺して、固める。広範囲を固めたいときは、ニードルを2本を重ねて持って使ったり、並列タイプのニードルで刺すと、作業が早くなる。
(l)ボディのバランスを考えながら形を整え、ひたすらぐさぐさと刺していく。


(h)手の上に顔をつくるつもりでふんわりと羊毛をかぶせ、手前に折る。
(i)ニードルパンチで手の位置を固定する。
(j)羊毛の端は、胴体に巻きつけるようにする。

■ 3 ボディの形を整える

(k)全体をニードルで刺して、フェルト化させる。広範囲をフェルト化させたいときは、ニードルを2本を重ねて持って使ったり、並列タイプのニードルで刺すと、作業が早くなる。
(l)ボディのバランスを考えながら形を整え、ひたすらぐさぐさと刺していく。

■ 4 耳を作る

(m)ダークの羊毛をほんの少量だけ残して引っぱってのばし、端からくるくると丸めたら、マットの上に置いてニードルで刺す。
(n)ボディと接合する根元の部分はふわふわのままにしておく。これを2個作る。
(o)2つの耳の根元のふわふわの部分と本体をそれぞれニードルパンチで接合する。
(p)本体のベースが完成。

■ 5 鼻と口を作る

(q)ライトグレーの羊毛を少量とり、鼻&口になる部分に広げて刺す。
(r)刺しながら、小さく丸く整えていく。
(s)口部分は羊毛は使わずに、ニードルでぐっと刺し、線をつける。


(t)鼻を作る。ダークの羊毛の残りを手にとり、鼻を線を描くように刺していく。
(u)余分な羊毛をはさみで切る。
(v)はみ出た毛端を鼻下に刺し込んで、整える。

■ 6 目を入れる

(w)ホワイトの羊毛を左右の目の部分に刺し、余分な羊毛をはさみで切って、はみ出た毛端を差し込んで整える。
(x)ブラックの羊毛を白目の上に、白目と同様に入れる。

■ 【目にボタンを使う方法】

細かい作業が苦手という人は、ぬいぐるみ用の目玉ボタンを使えば、簡単に目が入れられます。サイズや色など種類豊富なので、合うものを探してみて。


(1)目を入れる位置を決めたら、つけたい位置をえんぴつなどで刺して、凹みをつくる。
(2)ボタンの糸通しの底に接着剤をつけ、凹みにぐっと刺し込む。

■ 【目・鼻・口を作るときのコツ】

(1)羊毛を少量とり、鼻&口になる部分にふんわりとのせ、少しずつ形をまとめるように刺していく。鼻は羊毛をほんのひと筋手にとり、少しずつ刺し込んでいくイメージ。
(2)鼻下や口はニードルで線を描くように。鼻下にはほんのひと筋分だけ羊毛を刺し込む。余分な羊毛をはさみで切り、はみ出た毛端をニードルの先で差し込み、整える。
(3)目も鼻と同様に、少しずつ刺し込んで。

■ 【動物のふわふわな毛並みを作るコツ】

ふわふわの毛並み感を出したい人は、ニードルを刺して固めていく際、やりすぎないうちにやめること。やわらかさを残す程度に固めるのがおすすめです。固めるほどに触感がしっかりとしますが、同時に仕上がりのサイズが小さくなっていきます。

こすって固めて! 石けん水で羊毛フェルトボールを作ろう


羊毛フェルトを石けん水につけてこすることで、毛をからませて作る「水フェルト」。フェルティングニードルだけで作るよりも、ぎゅっと密度の濃いフェルトができるのが特徴です。表面が固く、なめらかに仕上がるのも水フェルトならでは。やさしく、回数を多くこするのが、きれいに作るポイントです。飾り棚にころりと転がすだけで、絵になる! ボールはいろんな色の羊毛で作ってもかわいく、オーナメントやアクセサリーなど、アレンジも自在です。

■ 【作り方】

■ 1 羊毛をざっと丸める

(a)羊毛を強く引っぱりながら、のばす。
(b)端から、くるくると巻いていく。
(c)いろんな方向から巻き、形を整えながら丸くしていく。指に力を入れて、固めにぎゅっと丸めること。
(d)巻き終わりをニードルパンチで処理する。全体を見て、ふくらんでいるところがあればニードルで押し込むように、リズミカルに刺していく。

■ 2 石けん水の中でこすり、ボール状にする

(e)鍋に湯(42度)と液体洗剤(石けん)を数滴入れ、よく混ぜる。
(f)手にポリ袋(手袋)をはめ、ボールを石けん水にひたす。
(g)両手で軽く転がすように、やさしく振動を与える。力加減はやさしく、でもこする回数は多くするのがコツ。全体をまんべんなくこすっていく。
(h)全体がつるりとしたらOK。

羊毛フェルトボールで雪だるまを作ろう


次に白いフェルトボールを2個作って、雪だるまに仕上げてみましょう。カラー羊毛で目や鼻をつける細かな作業に少しコツがいりますが、たとえぶかっこうでも、必ず可愛く仕上がるはず。

■ 【材料】

羊毛(ここでは「カーデッドウール」使用)
 ホワイト……5g
羊毛(ここでは「染色ロムニー」使用)
 ブラック、肌色、ネオピンク……各少量

■ 【作り方】

■ 1 ボール2個をつなげる

(i)ボールをサイズ違いで2つ作る。
(j)2つを合わせ、重なる部分をニードルパンチでつなげる。
(k)接合部分に羊毛を少し足し、ニードルで刺して補強する。
(l)雪だるまのボディが完成!

■ 2 黒フェルトで目と鼻をつける

(m)雪だるまに目をつける。黒の羊毛をほんのひと筋とり、目の部分にニードルで刺す。
(n)はさみで余分な羊毛をカットする。
(o)目の部分からはみ出た毛端を、目に入れこむようにして刺す。
(p)鼻部分も目と同様に、黒の羊毛をニードルで刺す。

■ 3 ピンクのほっぺをつける

(q)ピンクと肌色の羊毛2色を少量ずつ手にとり、引っぱりながらのばす。
(r)のばして半分にちぎり、重ねる。
(s)何度か繰り返して、混ざったらOK。
(t)ほっぺの部分に、ニードルで刺す。

■ 【「水フェルト」だけでフェルトボールを作る方法もあります】

ニードルを使わず、石けん水だけで作る方法もあります。まずは羊毛を5cmほどの長さにちぎって広げ、それとは別に、ニードルを使うバージョンと同様に細長い羊毛を端からくるくるとボール状にまとめたら、先ほど広げておいた羊毛にくるみ、石けん水に浸けて手でころころと丸めるだけ。針を使わないので、子どももチャレンジしやすいのがうれしい!

石けん水で絵を描くように…… フェルトコースターを作ろう


羊毛を平らになるように重ねてこすれば、シート状の羊毛フェルトができます。この方法なら、マットやコースターからバッグやルームシューズなど、さまざまなものを作ることができるので、ぐっと作品の幅が広がります。固めるとふた回りほど縮むので、実際に作りたいサイズ感よりも大きく羊毛を広げ、作業するのがポイント。

■ 【材料】

羊毛(ここでは「ロムニー カーデッドウール」使用)
ホワイト……7g
羊毛(ここでは「染色ロムニー」を使用)
ネオピンク……2g
羊毛(ここでは「染色ロムニー フルーツロール」という羊毛ミックスを使用)
パープル、コバルトブルー……各ひとつかみ

■ 【作り方】

■ 1 羊毛をちぎって広げる

(a)白の羊毛を両手で持ち、引っぱる。
(b)中心から自然にちぎれる。
(c)ちぎった羊毛をひろげる。
(d)繊維の方向が縦横になるように重ねる。

■ 2 石けん水をかける

(e)じょうろなどに湯(42度)を入れ、液体洗剤2〜3滴を入れる。
(f)洗濯ネットなど、ポリエステル100%のネットを上に重ね、液体洗剤を入れた湯を全体にかける。
(g)ポリ手袋などを手にはめて上から軽く押さえ、湯を染み込ませる。
(h)ネットをはずして、まんべんなく湿っているか、チェックする。

■ 3 四角形にする

(i)四方の端を折り返し、四角に形を整える。
(j)全体の厚みが均一になるように、足りない部分には羊毛を少し足す。端に足すときは、くるむようにする。
(k)平面には、羊毛をのばして重ねるように足すとよい。
(l)ベースが完成。

■ 4 好きな柄をつける

(m)好きな色のフェルトを使い、絵を描くように重ねていく。
(n)一部だけ厚くなりすぎないように注意。

■ 5 こすって密着させる

(o)ネットを重ね、最初はやさしく、だんだん強くしながら、振動を与えるように摩擦していく。
(p)表面をつまんでみて、しっかりからんで固まっているかどうかをチェック。
(q)ネットをはずし、湯で濡らしたタオルの上に置いて、丸めながらさらにゴシゴシと振動を与えていく。全面が均等に縮むように、いろいろな方向から巻き直して、転がすとよい。
(r)ひとまわり収縮した状態。

■ 6 さらにこすって端まで密着させる

(s)今度は直接手に持ち、丸めたりこすったりしながら、さらに振動を与えて固める。
(t)中心に振動が集中してしまうので、端も意識してこすること。さらにひとまわり縮小して、しっかりと固まったら完成。

■ 【「水フェルト」でこんなものも作れます】

石けん水を使った「水フェルト」なら、ほかにもバッグや帽子、ルームシューズなど大きなものも作ることができます。羊毛専門店『アナンダ』のオープン&クローズサインも、フェルトによる手づくり。文字を入れたり、動物モチーフを付けたり、さまざまなテクニックが詰まっています。

もっと手軽に! 台所スポンジを芯に使って はりねずみを作ろう


立体や大きめの作品の場合、羊毛の分量が必要になりますが、そんなときは芯にスポンジを入れることで、使う羊毛の量を減らすこともできます。羊毛だけで作るよりもニードルを刺した感触は少し固いですが、慣れれば上手に刺せるはず。手でぎゅっとつぶせる、やわらかいキッチン用のスポンジが扱いやすくておすすめです。

■ 【材料】

羊毛(ここでは「ロムニー」使用)
 ホワイト……5g
 ダーク、ダークグレー、ライトグレー……各ひとつかみ
羊毛(ここでは「染色ロムニー」使用)
 肌色、ブラック……各少量
スポンジ……1個

■ 【作り方】

■ 1 スポンジを芯に、羊毛を巻きつける

(a)スポンジをぎゅっと丸めて棒状にする。
(b)ホワイトの羊毛を少量残し、残りを引っぱり、スポンジにきつく巻き付けていく。
(c)スポンジが隠れるぐらい巻く。
(d)マットの上に置き、ニードルで全体を刺す。

■ 2 鼻をつける

(e)はりねずみのボディの片側を鼻先に見立て、細くなるようにさらに刺す。
(f)ダークの羊毛を丸め、マットの上でニードルパンチし、鼻を作る。ボディにつける根元部分はふわふわのままにしておく。
(g)ボディにつけ、根元をニードルで刺して、接合する。

■ 3 ボディに色をつける

(h)針部分のパーツをつくる。グレー2色を引っぱりながらのばし、半分でちぎれたら重ねながら、色を混ぜる。
(i)ボディにふわりとのせ、ニードルで軽く押さえるように刺し、固定する。

■ 4 耳と目をつける

(j)耳を作る。ホワイトの羊毛を丸め、マットの上に置いてニードルで刺す。ボディにつける根元の部分はふわふわのままにしておく。
(k)肌色の羊毛をほんのひと筋とって耳の中心にのせ、ニードルで刺してつける。
(l)耳の根元をニードルでボディに刺し、接合する。もう片耳も同じように付ける。
(m)目をつける。ブラックの羊毛をほんのひと筋とり、目の位置にニードルで刺し入れる。余分な羊毛をはさみで切り、はみ出た毛端部分も差し込む。両目を入れて、完成。

毛糸を巻いてからめるだけ! もこもこ羊モチーフを作ろう


ウールやアルパカなどの毛糸だって、原料は同じ羊毛――つまり、余った毛糸を羊毛フェルトのように使って、手づくりを楽しむこともできます。原毛と同じようにニードルパンチや水フェルトに使えるので、羊毛が手に入りにくい人や、毛糸が余ってなにか作ってみたい! という人におすすめです。

■ 【材料】

毛糸……適量
フェルト……1枚

■ 【作り方】

■ 1 フェルトの土台に毛糸を巻きつける

(a)シート状のフェルトをざっくりと羊の形に切り、ボディに毛糸を巻いていく。ときどきニードルを刺して固定させながら巻いていくと、ズレにくい。
(b)巻いた部分全体をさらに刺して、形を整える。毛糸のふわふわ感を残したければ軽めに、しっかりと固めたい場合はぐさぐさと、たくさん刺す。

■ 2 端をニードルで刺し、とめる

(c)毛糸がちょうどいい具合に巻けたら、はさみでカットする。
(d)糸端をニードルで刺し、とめる。毛糸の雰囲気を残しながら、羊毛フェルト作品に。

フェルトボールで作る羊毛フェルトの雑貨やアクセ

■ 100均ハンドメイド♪ 羊毛フェルトボールでひよこサンタの作り方☆

黄色系の羊毛フェルトで作ったフェルトボールに、ネイルパーツやフェルトで瞳やくちばしをつけ、ピンクの羊毛フェルトで頬に赤みを足したキュートなひよこちゃん。赤いフェルトで作ったサンタ帽を被せれば、クリスマスシーズンにぴったりの作品に。

■ 100均アイテムで作る! グリーンポットカバー

もこもこしたボアタイプのネックウォーマーを鉢植えに被せた後、フェルトボールをいくつもつなげた糸を巻き付けると、あたたかみのあるグリーンポットカバーが完成☆ 鉢植えも季節で衣替えすると楽しいですね。

■ 羊毛フェルトで作る胸キュン♪ snow man ピアス!

とってもキュートなふわふわのスノーマン。小さめに作ったフェルトボール2つを縫い合わせて、つなぎめに、マフラーに見立てたジャージ生地を巻いて縫いとめています。Tピンに通してアメリカンピアスパーツにぶらさげれば、ゆらゆらとかわいいピアスに。

■ 100均の材料で子どもと作るオーナメント

膨らました風船に、ボンドに浸した紐や糸を巻き付け、乾いたら風船を割って作ったボール状の入れ物の中に数色のフェルトボールをイン。コロコロとしたかわいらしい見た目で、見るたびに心が和みます。ホームパーティの飾りとしても◎!

■ ペットボトルのフタで簡単かわいいプチ針山

ペットボトルキャップと布で作った土台の上にフェルトボールをちょこんとのせた針山は、愛らしい見た目でそのまま飾っておきたくなること必至。紐やレースなどで周囲を好きに飾り付ければ、かわいさが倍増して、さらに愛着が増すはず。

■ フェルトボールにビーズのお花をつけてキュートなストラップに

フェルトボールは針が通りやすいので、ビーズをお花型に縫い付けて、さらにかわいく仕上げるのも◎。ストラップの紐にもビーズをたっぷりあしらって、女性らしさ満点に仕上げるのがおすすめです。ちょっとしたプレゼントにもいいですね。

■ フェルトボールで簡単ほっこり秋色ピアス☆

フェルトボールにピンを通してピアスパーツと接続して作るかわいらしいアクセサリー。フェルトボールはそのまま使ってもいいですが、羊毛フェルト用ニードルで模様をいれてもGOOD。ベースの色との相性をみながら、いれる色を考えて。

■ 【簡単!】ナチュラルカラーのフェルトで大人可愛い首元に☆

ネックレス専用糸でフェルトボール数個をつないだアクセサリー。こちらのアイデアでは、白、薄橙色、こげ茶の3色の羊毛フェルトを使っていますが、単色でもかわいいし、さらにカラフルな色味のもので作るのもステキです☆

■ フェルトボールのコロコロアクセサリー

こちらのネックレスは、こぶりのフェルトボールを使うことが第一のポイント。小豆大の小さなフェルトボールをたくさんつなげるとかわいさ倍増。同じサイズのフェルトボールで、ピアスやブレスレットを作るのもおすすめ。

■ 毛糸でおしゃれハンドメイド♪ ふわふわブレスレット

好きな色の毛糸をマルカンに通して作るブレスレット。毛糸の中ほどに小さめのフェルトボールをいくつか通せば、コロンとしたやさしい表情も加わってさらに魅力的な一本に。ボタンやウッドビーズなどのパーツと組み合わせても。

■ 羊毛フェルト/簡単! ほっこり可愛いネックレス

小さなフェルトボール数個をフェルトに固定したものを、台座に接着して作るキュートなチャーム。フェルトボールの上からお花モチーフやパールシールなどを飾り付けた後、好みの革紐などをつけたら完成です☆

■ 羊毛フェルトのピンクッション♡ プチギフト

ラップの芯、または厚紙を帯状にカットして作ったカップに、両面テープを貼ってレースやリボンを貼りつけ、その中にフェルトボールを収めて作るミニ・ピンクッション。ちょっとした贈り物としてもぴったりですね。

羊毛フェルトで作るキュートなマスコット

■ ドライの松ぼっくりや木の実を使った♬ ちっちゃなオブジェ

羊毛フェルトで作ったスノーマンやくま、小鳥などは、あたたかみがある木の実や木製インテリアと相性抜群。松ぼっくりや木の枝を拾ってきて組み合わせるのもいいし、木製のウッドスタンドなどに添えてあげるのも◎!

■ コルクの栓で♥ かわいいうさこさんオブジェ

飲み終わったワインのコルク栓の表面を少しだけ浅く掘って羊毛フェルトを敷き詰め、その上に羊毛フェルトで作ったうさぎを座らせた愛らしいオブジェ。同様の要領で水色の羊毛フェルトを敷き詰めたコルクの上に水鳥やあひるをのせると、優雅に泳いでいるシーンのよう。

■ 愛想はないけど、愛嬌はあります♪ 羊毛のモアイ

細長い箱型の羊毛フェルトを作り、額にあたる部分に半円形のパーツを作り、続いて、鼻、唇などを大まかに形作ったら専用ニードルで刺しながらしっかりと成型。すべてのパーツが整ったら後ろにブローチピンを縫い付けて完成です☆ 存在感バツグンの作品。

■ 羊毛フェルトでウェルカムラビット

100均の羊毛フェルトを使って作ったうさぎのカップルに、ウエディングドレスとタキシードを着せて作るウェルカムラビット。グリーンやベル、リボンと組み合わせてハッピーなイメージを演出して。

■ 羊毛フェルト 鳥さんたちの夏休み♪

インコやオウムなどいろんな種類の鳥さんが、アヒルのうきわをつけて夏休みを満喫中というシュールな作品。鳥の種類によって目鼻のパーツを変えれば、よりリアリティのある表情に。うきわのアヒルのぎょろっとした瞳がポイント☆

■ 思わず笑顔になるひつじくまさん

土台となる部分をコットンでしっかりと作ってから、羊毛フェルトをチクチクと重ね合わせて作るひつじくまさん。小さく丸めた足を埋めこみ、頭部にはポイントとなるハートマークを接着。愛らしさ満点です。

羊毛フェルトを使って作るほっこり雑貨

■ 余り毛糸で羊毛フェルトコースター♡

フェルトボール20数個に糸を通して、ぐるぐると渦巻きにしながら縫い留めていけば、ほんわかとした手触りのコースターが完成☆ ポットマットとしてもおすすめです。カラフルな色で作ってもかわいいですよ。

■ ドライフラワーを使った小さなインテリア小物♥

フェルトボールに小枝を挿し、その小枝にフェルトの鳥さんをとまらせたオブジェは、ナチュラルインテリアにマッチ。ガラスドームに入れるのがナイスアイデアですね。

■ 余り毛糸でフェルト小物♡

茶色の毛糸を芯に、赤い毛糸を実に見立てて作るりんごオブジェ。まず芯となる部分を細長く形成し、その周囲に赤系の糸をプスプスとニードルで刺していけばOK! 毛糸は少しずつ足していくと作業しやすいですよ。

■ ひつじちゃんのメモリージャー☆ 〜羊毛フェルト&カルトナージュで

日々のうれしかったことや楽しかったことを紙に書いてビンに入れておく「メモリージャー」。そんな思い出の詰まったビンのフタには、その年の干支の動物をつけておくとすぐに思い出が蘇ります。羊毛フェルトで作ったやさしい表情の動物で、一年間の記憶をやさしく彩って。

まだまだある羊毛フェルトのおすすめ作品

■ ハロウィン♪ オバケたちのガーランド

オレンジ、黒などのハロウィンカラーの羊毛フェルトをテグスでつなげたユニークなガーランド。オレンジのガーランドの先端にはかぼちゃモチーフ、白いガーランドの先端にはおばけモチーフ、紫のものにはコウモリモチーフをつけるととってもキュート☆

■ 渦巻きボールのリボンピアス

羊毛フェルトに丸カンをさして、リボンやビーズと接合させるおしゃれなピアス。ふわふわの羊毛フェルトとゆらゆら揺れるリボンやビーズの組み合わせは、ガーリーなファッションにも、シンプルなファッションにも合います。

■ クルミボタンで簡単♬ とってもかわいいリアルマカロン

モコモコの生地を被せたクルミボタンに羊毛フェルトを挟んで作るキュートなマカロン。こちらの羊毛フェルトはふわっとした質感を残したまま使用するのがポイント。本物そっくりのコロンとした形状がかわいいですね。

■ 毛糸で可愛いハンドメイド♪ ふわふわブローチ

羊毛フェルトで作ったスノーマンに毛糸のマフラーを巻いた後、数種類の毛糸を垂らした、ほっこりした表情のあたたかみあるブローチ。秋冬のおしゃれを盛り立ててくれること間違いなし。毎年使える季節がくるのが楽しみになりますよ!

■ お部屋に温かさをプラスするかわいいリース♪

同じ大きさの羊毛フェルトボールを7〜8個つなげて輪っか状にした「ポン・デ・リース」。フェルトボールは全色同じ色でもかわいいし、アクセント的に1、2個だけ色を変えるのも◎! 季節に合ったカラーを選んで。

■ 初心者でもできた! 羊毛刺繍でクルミボタン

ある程度形になった羊毛フェルトボールをフェルトの上にのせ、しっかりと刺してくっつけたら、さらに小さなボールをのせてなじませていきながら作るバタフライ刺しゅう。出来上がったらくるみボタンにして、ブローチやヘアピンにしてはいかが?

■ 100均素材で♪ 羊毛フェルトでウェディングケーキ

羊毛フェルトでフルーツ、生クリームを表現したウェディングケーキ。スポンジケーキ部分には、土台として台所用スポンジを使うとキレイに成型できます。いろんな色のフルーツをのせると賑やかな印象に♪

■ フェルトのお花ブローチの作り方♪

羊毛フェルトを、真ん中をくぼませながら丸く刺し、くぼみ部分にフレンチノットステッチなどを自由に刺しゅうして作るお花のブローチ。お花が出来上がったら羊毛で作った葉っぱを付けてブローチピンをセットしたら出来上がり☆ 洋服だけでなく帽子やバッグに着けてもおしゃれ。

■ *フェルト関連の特集はこちら*
https://kurashinista.jp/feature/detail/975
https://kurashinista.jp/feature/detail/958
https://kurashinista.jp/feature/detail/575

針を使った「ニードルフェルト」と濡らして固める「水フェルト」。基本の作り方をマスターしたら、あとはほとんどその応用でできるものばかり。ちょっぴりいびつになっても可愛いから、ゆるっと手作りが楽しめますね。

「基本」分 撮影/黒澤俊宏(主婦の友社写真課) 
      取材・文/佐々木素子
投稿まとめ/松本玲子