2014年に69年ぶりとなる、国内での感染例が確認された『デング熱』。

以降、公園など人が集まる場所には、デング熱を媒介する『蚊』に気を付けてとの注意書きをよく見かけます。

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デング熱を防ぐにはどうすればよいのか…国立感染症研究所の昆虫医科学部・部長の沢辺京子さんに話を伺ってきました。

デング熱について

まず、デング熱とはどういうものなのか、教えてもらいました。

――突然デング熱が話題になった理由は?

デング熱は、輸入症例(海外でウィルスをもらってくる)で毎年報告されています。ただ、2014年は海外でかかった人が国内の蚊に刺され、さらにその蚊を媒介にして感染が広がったために、話題になりました。

デング熱自体は、それほど珍しいものではないんです。

――どんな症状が出る?

デング熱の症状は、主に発熱と悪寒、発疹です。場合によっては、出血熱を起こすこともあります。
専用の治療はなく、熱が出たら解熱剤を飲むなどの対処療法となりますが、一般に市販されている解熱剤には、出血傾向を助長するものが多いため、アセトアミノフェン以外は使わないようにしてください。

とはいえ、5,6割の人は症状があまり出ません。気付かずにウィルスをたくさん持っている人がいるんです。

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――蚊を媒介に広まる?

デング熱は、人から人へは感染しません

ネッタイシマカとヒトスジシマカの2種類の蚊が、感染している人の血を吸い、ほかの人を刺すことでウィルスを広めます。
このうちヒトスジシマカは、日本に広く分布している一般的な蚊です

身の回りにいる蚊が媒介するデング熱。どうしたら刺されないのか、感染しないための対策方法をご紹介します。

――どのような蚊ですか?

ヒトスジシマカは、頭から背中にかけて一筋のシマのある蚊です

少し低いところを飛んでおり、腰から下など足元を主に狙います。
実験では、マンションの2、3階までしか自力では上がってきませんでした。

また、主に公園や屋外におり、朝方から夕方まで活発的になります

――感染しないようにするには

蚊に刺されることで感染するので、外出の際には虫よけスプレーなどの忌避剤を塗って対策をしてください

忌避剤が使えない場合は、長袖長ズボンを着て肌をできるだけ出さないようにしましょう

蚊は黒い色に寄ってくるので、黒い服を避けて白い服を着るのも効果的です

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――ほかにも対策方法はありますか?

蚊が増えれば増えるほど、感染は広まりやすくなるので、蚊を増やさないように対策をすることが大切です

蚊の幼虫ボウフラは、水がなければ生きられません。自宅周辺の植木鉢やバケツ、シートなど水のたまりやすいものは、ひっくり返したり、片付けたりして少しでも発生を防ぎましょう。

また、公園などの雨水ますや排水溝の泥溜めなど、個人で対応できないものは、自治体の担当部署や施設の管理者に連絡するなど対応を求めてください

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蚊を媒介とした感染症は、しっかりとした対策をとることで、広がりを防ぎ自分の身を守ることもできます。

デング熱が広がってくる前に、近所の発生源を確認するなど、対策方法を周りの人にもぜひ教えてあげてください。

[文・構成/grape編集部]

動画提供東京医科大学病院 渡航者医療センター