JR各線が2017年3月4日、ダイヤ改正を行った。東京都内を走る中央線快速列車もそのひとつ。JR東日本八王子支社のプレスリリースによると、これまで新宿始発だった平日23〜0時台の下り、特別快速の高尾行き2本が、東京始発に変更された。また、新宿始発の特快2本は「快速」に変わった。

平日深夜の帰宅客を支えた「新宿始発の特快」。鉄道ファンはもちろん、通勤での利用者からも、惜しむ声が出ている。

利用者からは「座って帰れて早かった」

「新宿始発の特快」の特徴は、大きくわけて2つある。ひとつは、新宿からの利用客が座りやすいこと。東京始発の場合は、神田、御茶ノ水、四ツ谷の3駅に停車するため、新宿に着くころには空席は絶望的だ。これが無くなるとあって、ツイッターでは「座って帰れて早かった」「崩れ落ちてる」と嘆く利用者が多い。

そして、もうひとつは停車駅の数。東京始発の特快は、新宿を出ると中野に停車する。しかし新宿始発は、中野を通過して、その次の三鷹までノンストップ。三鷹以西の住民からすると、停車駅が少なく、乗降時の客移動も減るのがメリットだ。

しかし、三鷹より東、とくに23区西部の住民にとっては、「乗り間違えると、三鷹まで送られてしまう電車」として畏怖する存在でもあった。事実、西荻窪が最寄りのJタウンネット記者は、ほろよい気分で乗車して後悔した経験が、数知れずある。もう、車窓を流れる中野サンプラザを横目に、「あ......あぁ」と肩をおとさなくて済む。

昼間を走る中央特快。画像は飯田橋駅(Cheng-en Chengさん撮影、flickrより)

最終日となった17年3月3日には、新宿駅で「見送り」をする鉄道ファンも多かったようだ。ツイッターには、現場からの画像が投稿されている。

なお、ダイヤ改正後も、中野を通過する「特快」はある。平日朝の上りに設定されている「通勤特快」は、国分寺を出ると、三鷹も通過して、新宿までの約27分ノンストップ。通過マニアの方は、ぜひこちらを。


各駅の案内板には、まだ「新宿始発が通過」の文字が(2017年3月8日撮影)