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 2016年一番の芸能ニュースだと言っても過言ではないかもしれない。SMAPが2016年12月31日いっぱいで正式解散し、約28年間の活動に終止符を打った。幹部同士のプライドがぶつかって残ったものは悲しみだけ。“元SMAP”となった5人の2017年はどうなるのか。

■SMAP解散 誰も得しない終幕劇

 12月26日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)最終回は、『世界に一つだけの花』を歌唱後、中居正広(44)が感極まってステージ後ろで涙を拭うシーンに瞬間最高視聴率27.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。他にも中居が右手の5本指を1つずつ折り、再び手を開いて振るなど印象的な振り付けを行なったり、5人全員で深々とお辞儀をしたりしてファンの涙を誘った。

 一年前に「SMAPが解散する」なんて言えば大笑いされていたことだろう。しかし現在、そんな冗談のような悪夢が実現することになった。

 発端は2016年1月13日、同グループのチーフマネージャーであるI氏の退社とともに、SMAPの退所が取り沙汰された。その後1月18日、『スマスマ』で5人は生放送で解散を否定するも、覆水盆に返らず。一度壊れた関係はもとに戻らず、8月にあらためて解散することを事務所が発表。全国のファンの声援もむなしく、一気に年末の解散を迎えた。

「結果的に見れば、SMAPはメリー喜多川(90)・藤島ジュリー景子(50)らとI氏の対立に巻き込まれ、最終的にメンバー間の友情破壊にまで至った。アイドルの枠を超えて国民的人気を誇ったグループの解散がこんなに寂しい形で終わるとは。紅白なんて、何事もなければさらに10年以上は連続出場していたでしょうに」(報道関係者)

 2017年、“元SMAP”となる5人はどんな動きを見せるのか。

 夏頃には、I氏が中居らと合流するために水面下で怪しい動きも見せていたが、現在はすでに新しい中国ビジネスに本腰を入れているという報道もあり、木村拓哉(44)を除いた4人と再集結する可能性は低いと見られ始めている節もある。その代わり5人全員がジャニーズに残留し、それぞれソロ活動に精を出すという見方が強くなってきている。ただし2017年9月までと言われる5人のジャニーズとの契約がどうなるか未知数で、独立の可能性が0%だとは言い切れない。

 木村はドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)や映画『無限の住人』などに出演するなど役者業が忙しい。草なぎ剛(42)も同じく1月期に“復讐シリーズ”の第2弾ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系)に出演する。視聴率争いは、TBS伝統の日曜夜9時枠に出演する木村のほうにプレッシャーがありそうだ。

 稲垣吾郎(43)は深夜のバラエティ番組『ゴロウ・デラックス』(TBS系)やラジオ番組『編集長 稲垣吾郎』(文化放送、『編集長 稲垣吾郎』から改名)でレギュラー出演を続ける。1月にスペシャル版が放送されるドラマ『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)のように、主役起用にこだわらないスタンスを継続するならドラマのオファーがすぐ届きそうだ。

 中居は『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)を筆頭に、各局で司会番組を抱えるため、2017年も多忙であることに代わりはないだろう。「『スマスマ』のスタッフに自腹でスニーカーを送るなど、フジとの結びつきも強い。フジから何かしら司会番組をオファーされるかもしれません」(前出・報道関係者)という意見もある。

 引退報道まで出ていた香取慎吾(39)は、1月31日の誕生日に40歳。一部報道によると、関係者に「(芸能活動を)やめないよ」と漏らしている模様。実際、香取がレギュラー出演する『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)などは番組終了の気配はない。春以降もレギュラー番組に出演し続け、新たにドラマなど俳優業の仕事が決まれば引退説は自然消滅していきそうだ。

 SMAPメンバーがお茶の間から消える、ということはなさそうだが、巷ではやはり将来的にグループ復活を望む声も多い。8月にはX JAPANのドラマー・YOSHIKI(51)も「皆さんまだ生きてらっしゃるので、何年後でも再結成していただけたらファンの方たちは喜ぶでしょうし、僕もそれを望んでいます」と発言。12月26日のイベント時にもあらためてエールを送っている。

「本当に、不幸中の幸いはメンバーが皆健康で生きていること。X JAPANみたいに主要メンバーが亡くなりでもすれば、将来の完全復活は不可能になる。もう一つ、希望的観測は木村以外のメンバーが結婚した時の心境の軟化。解散時に裏切り者と言われ続けた木村への理解が深まり、メンバー間の和解につながるかもしれない。色々考えうる。この先どうなるか分からないが、とにかく明るい未来を期待したい」(前同)

 一つの時代を築いたSMAPの解散。まずは各メンバーもファンも、新しい年に前を向いていく必要がありそうだ。

文・阿蘭澄史(あらん・すみし)※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。