「地下鉄」には、地上や高い場所を走る区間のある路線も。「日本一標高の高い地下鉄駅」も存在します。

標高およそ103mでも「地下鉄」の駅

 地下鉄というと、その名前から低い所を走るイメージがあります。しかし、東京メトロ銀座線の渋谷駅がビルの地上3階にあるように、高い所を走る場合が。なかには、標高100m以上の地下鉄駅も存在します。

「日本一標高の高い地下鉄駅」は、レール面の標高が136.4mにある(2016年5月、佐々木基博撮影)。

 そもそも日本において「地下鉄」の明確な定義は存在しませんが、国土交通省鉄道局が監修している「鉄道統計年報」では、東京メトロと9の自治体、すなわち一般的に「○○地下鉄」と案内されている路線の事業者が「地下鉄事業者」に分類されています。

 このうち、神戸市営地下鉄西神・山手線の総合運動公園駅(神戸市須磨区)は、レール面の標高が102.74mに位置する地上駅。同駅を含む区間は丘陵地帯のため標高が高く、総合運動公園駅の近くでは日本で唯一、地下鉄路線が高架線で新幹線(山陽新幹線)を乗り越える場所もあります。

しかし近年、新たな「日本一」が! しかも地下鉄らしい地下駅で

 この総合運動公園駅、「高さ日本一の地下鉄駅」として、長らく知る人ぞ知る存在でしたが、2015年、その「日本一」の座をほかの地下鉄に譲りました。

 新たな「日本一」になったのは、2015年12月に開業した仙台市営地下鉄東西線の西側の終点、八木山動物公園駅(仙台市太白区)。こちらは駅や線路が地下にある典型的な地下鉄駅です。レール面の標高は136.4mで、日本地下鉄協会から「日本一」の認定も受けています。

八木山動物公園の駅舎屋上からは、仙台の街を一望できる(2016年5月、佐々木基博撮影)。

 八木山動物公園駅は高い場所に造られただけあって、地下2階の駅からエレベーターで上れる駅舎屋上の「八木山てっぺんひろば」から、仙台の街を展望できます。

【表】日本の地下鉄一覧

「鉄道統計年報」など国土交通省の資料では、全国10事業者の路線が「地下鉄」とされている(データ出典:国土交通省鉄道局監修『数字でみる鉄道2016』)。