安定したプレーを披露した吉田。ミスもほとんどなくチームの逆転勝利に貢献した。 (C) Getty Images

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 現地時間11月3日、イングランドのセント・メリーズでヨーロッパリーグのグループステージ4節、サウサンプトン対インテル戦が開催された。
 
 11月1日にフランク・デブール監督を解任したインテル。仕切り直しとなる一戦でステーファノ・ヴェッキ暫定監督は、長友を左SBで先発出場させたほか、ベンチスタートが多かったラノッキアをCBの一角に配置した。
 
 一方、前節アウェーでインテルに敗れたため、グループ突破に向けて負けられないサウサンプトンは、CBの一角に吉田が入って、ファン・ダイクとコンビを組んだ。
 
 日本人対決にも注目が集まる試合は、ホームチームが開始1分でファーストチャンスを創出。しかし、タディッチのクロスに合わせたロドリゲスのヘディングシュートは枠を外れた。
 
 ホームの大声援の後押しを受けるサウサンプトンは、落ち着きのないインテルとは異なり、10分にロドリゲス、15分にレドモンドが立て続けに相手ゴールへと迫った。いずれもネットを揺らすことはできなかったが、立ち上がりの主導権を握った。
 
 流れを変えたいインテルは司令塔のバネガが精細を欠き、自分たちのペースに持ち込めない時間帯が続いたが、ワンチャンスをものにして試合を動かす。
 
 33分、カンドレーバが右サイドを深くに侵入して、ペナルティーエリア内に鋭いクロスを送る。これにペリシッチが合わせるが相手DFマルティナがブロック。こぼれ球をペリシッチがイカルディに落とし、アルゼンチン人FWが冷静に沈めた。
 
 エースの一発で先制したインテルだったが、その後もサウサンプトンに攻め込まれる展開が続くと、終了間際にはペリシッチがハンドでPKを献上。しかし、この窮地を守護神のハンダノビッチがビッグセーブで救って、何とかリードを保って折り返した。
 
 支配率64%、シュート11本と圧倒的に攻め込んだサウサンプトンは、後半も同様の展開に持ち込み、キックオフから30秒でウォード・プラウズが惜しいシュートを放った。
 
 受け身に回ったインテルは49分、ホイビェアのミドルシュートをハンダノビッチがセーブ。そのこぼれ球をロドリゲスに詰められるが、好セーブを連発する守護神がかき出して事なきを得る。
 
 あと一歩、ゴールに届かないサウサンプトンは、59分にロドリゲスに代え、巨漢FWのオースティンを投入。すると、セットプレーの流れからネット揺らす。
 
 64分、右からのCKの流れからロメウのシュートがクロスバーを直撃。そのこぼれ球にファン・ダイクが詰めて待望のゴールを奪った。
 
 同点ゴールで勢いづいたホームチームはさらに攻勢を強め、69分、逆転に成功する。
 
 左サイドからのタディッチのクロスをニアサイドでダンブロージオがブロック。流れたボールが長友に当たって、ゴールへと吸い込まれた。
 
 長友のオウンゴールで逆転を許したインテルは、74分にエデル、82分にF・メロと交代カードを切るも、自陣に引かずにプレッシングをかけてくるサウサンプトンの守りに手を焼いて、目立ったシーンを作れず。結局試合は2-1でサウサンプトンが逆転勝ちを収めた。
 
 ヴェッキ暫定監督の初陣を飾れなかったインテルはグループ最下位を抜け出せず、決勝トーナメント進出がより一層厳しくなった。