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トルコの古代都市「テオス」は文書が刻まれた石碑・石板が多く眠っており、考古学的なドル箱だと言われています。このテオスの発掘で、新たにエリート青年集団によって作られた、奴隷レンタルや土地のリースなどについての契約書が発見されました。

Centuries-old rental agreement unearthed in Turkey’s İzmir - ARCHAEOLOGY

http://www.hurriyetdailynews.com/centuries-old-rental-agreement-unearthed-in-turkeys-izmir.aspx?pageID=238&nID=104520



2,200 years ago in Turkey, this disturbing rental agreement was inscribed in stone | Ars Technica

http://arstechnica.com/science/2016/10/2200-years-ago-in-turkey-this-insane-rental-agreement-was-inscribed-in-stone/

テオスは約2200年前のイオニア地方沿岸部にいくつも存在した都市の1つです。神殿や円形競技場や大きな建築物の遺跡があるだけでなく、テオスには文書が刻まれた石碑・石板などが多く眠っており、何世紀にもわたって都市を支配した官僚政治がどのようなものだったのかを解き明かすカギがあると考えられています。

トルコ・アクデニズ大学の考古学者Mustafa Adak氏はテオスの遺跡を発掘している人物の一人。今回Adak教授が新たに発見した全長1.5メートルの大理石でできた石碑には、58行からなる古代の契約書が書かれていました。契約書には、土地のリースやレンタル奴隷をどう扱うべきかについて書かれており、当時の文化を明るみにするものでした。

これが発見された石碑。



文字がびっしりと書かれていますが、石碑に大きな損傷がないため、内容を確認できるようになっています。



Adak氏らが発掘した土地は、「ネオス」と呼ばれる、都市が運営するギムナジウムに属する20〜30代の青年グループに与えられたものでした。ギムナジウム(Gymnasium)は英語で体育館や競技場を意味しますが、古代ギリシアにおいてはただ単に運動する場所ではなく、大学と職業訓練校を合わせたような裕福な市民向けの施設として機能していました。そして、石碑に書かれた文言によると、発見された土地は裕福なテオスの市民からネオスへと寄付されたものだったとのこと。この時、与えられた土地には神殿が含まれており、「聖なる場所」だとして税金は半額免除されていたこと、そして土地だけでなく施設や奴隷も付属していたことなども書かれていました。

ネオスに属する男性たちは、基本的には裕福な出自なのですが、大学に通う今日の学生たちと一緒で、一時的とは言えお金を持っていませんでした。そこで、豪華な家や奴隷を維持するだけの資金を持たなかった彼らは、条件付きで寄付された土地をリースしだします。ネオスが提示した条件には「年に3日は自分たちが神殿を使えること」「借り主が正しく施設を使っているか調べられるように、ネオスはいつでも土地に立ち入ることができる」といった内容が含まれていました。

Adak教授によると、契約書の内容の多くは借り主が契約を破った時の罰則について書かれており、借り主が土地に損害を与えたり、賃料の支払いを行わなかったり、建物の修繕を行わなかった時に罰則が与えられた様子。

土地の貸し出しはオークション形式で行われ、土地を借りるには保証人が必要であったこと、契約書には借り主の父親や都市の高官の名前が連なっていたことなども、今回発見された石碑によって明らかになりました。高官の名前が記載されていたのは、将来的にエリートになる予定のネオスメンバーたちが、どのようなことを行っているのかに行政側が注目していたことを示すものと見られています。

ここまで明確に記された当時の契約書が発見されたのは初めてのこと。契約書の中には2016年現在は意味が不明の法律用語が2つ書かれていたとのことで、今後、古代文化を解明していく上での大きなカギとなるものと見られます。