代表に入ると「水を得た魚」状態になる5選手
今日のサッカー界で数々の記録を塗り替えるメッシとクリスティアーノ・ロナウドだが、母国の代表チームではクラブほどの活躍ができないでいる。
一方、その反対に、クラブでは輝きを放てないにもかかわらず、代表では“水を得た魚”のように躍動する選手もいる。
今回はそんな選手たちをご紹介しよう。
セルヒオ・ロメロ
代表チーム:アルゼンチン
成績:81試合0ゴール
現所属:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
ユナイテッドでスペイン代表GKデ・ヘアの牙城を崩せずベンチを温め続けているロメロ。彼はサンプドリアに在籍していた2013-14シーズン以来、3シーズンでリーグ戦たったの7試合しか出場していない。
しかし、あのファン・ハールが指揮するAZで評価を高めて代表入りした2009年以来、“アルビセレステ”のゴールマウスを守り続けている。
クラブで出番を失ってからもその地位は盤石で、2014年ワールドカップ、2015、2016年コパ・アメリカの準優勝を最後方から支えた。出場数は歴代トップ10入りとなる81にまで伸ばしている。
ルーカス・ポドルスキ
代表チーム:ドイツ
成績:129試合48ゴール
現所属:ガラタサライ(トルコ)
今夏、12年に及んだドイツ代表でのキャリアに終止符を打ったポドルスキ。129試合48ゴールという数字は輝かしい歴史を誇る同国でも3位の記録である。
しかし、クラブでは全く別の顔を見せ、ユース時代から過ごしたケルンを除くとバイエルン、アーセナル、インテルとビッグクラブではイマイチ活躍できなかった。
代表とクラブの差に関して、ミロスラフ・クローゼやマリオ・ゴメスも同様の指摘を受けている。ただクローゼがブレーメン、ゴメスがバイエルンでそれぞれ得点王になったのに対し、ポドルスキは1部リーグで個人タイトルを獲得した経験を持たない。
ティム・ケイヒル
代表チーム:オーストラリア
成績:92試合48ゴール
現所属:メルボルン・シティ(オーストラリア)
2006年ワールドカップで2ゴールを決められて以来、すっかり日本の“天敵”となったケイヒル。
圧倒的な跳躍力から繰り出すヘディングを武器に、代表で92試合48ゴールと凄まじい結果を残しているが(かつて中盤の選手だったことを考慮しても)長いキャリアで二桁ゴールは3度しか経験がなく、1シーズンの最高得点数も11に過ぎない。近年はスター選手が揃うMLS、中国に活躍の場を移したが目立った成績を残せず、今年、初めてオーストラリアに戻った。
しかし、代表での彼は全く別の存在であると見るべきだろう。今年12月で37歳になるが、11日に行われる試合でも日本の前に立ちはだかるはずだ。
本田 圭佑
代表チーム:日本
成績:82試合36ゴール
現所属:ミラン(イタリア)
オランダの小クラブに過ぎないVVVでの活躍から日本代表に上り詰め、2010年ワールドカップ直前に中村俊輔から主役の座を奪った本田。以来、全ての主要な大会でエースとして君臨している。
2014年1月に移籍したミランでは10番を与えられながらコンスタントに活躍ができず、常に批判の対象となっているが、一方で代表での勝負強さは健在。今回のワールドカップ予選でも7試合連続ゴールを決めるなど、欠かせない存在であり続けている。
エドゥアルド・バルガス
代表チーム:チリ
成績:62試合31ゴール
現所属:ホッフェンハイム(ドイツ)
現在、清武弘嗣が所属するセビージャを指揮するホルヘ・サンパオリがウニベルシダ・デ・チレを率いていた時にエースだったのがバルガスだ。
彼はサンパオリがチリ代表の監督に就任すると必然的にチームの主力となり、アレクシス・サンチェスの相棒として2014年ワールドカップでベスト16の原動力に。その後もコパ・アメリカの連覇に大きく貢献している。
しかし、欧州では鳴かず飛ばずで在籍した5シーズンで決めたゴールはわずかに8。代表では「ササコンビ」と呼ばれたサラス、サモラーノの記録に肉薄する31ゴールを決めているにもかかわらず、クラブでは全く活躍できていないのである。