伏兵ハンガリーが10人のオーストリアに快勝!!《ユーロ2016》

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▽ユーロ2016グループF第1節のオーストリア代表vsハンガリー代表が14日にスタッド・ド・ボルドーで行われ、伏兵ハンガリーが2-0で快勝した。

▽ユーロ予選を初めて突破したオーストリアと、予選プレーオフを制して44年ぶりの本大会出場を決めたハンガリーが対峙したアウトサイダー同士の一戦。オーストリアは重要な初戦に向けて、アラバやアルナウトビッチ、ドラゴビッチ、フックスなどヨーロッパの主要リーグでプレーする主力が先発入り。対するハンガリーは、40歳の守護神キラーイ、37歳の司令塔のゲラに加え、エースのジュジャークらが先発に入った。

▽キックオフ30秒過ぎにオーストリアがいきなりゴールに迫る。ボックス手前でアラバが左足を振り抜くと、これがゴール右隅を捉える。しかし、このシュートは右ポストを叩いて開始早々のゴールとはならず。

▽エースの強烈な一撃でリズムを掴んだオーストリアは、その後もボールを保持して主導権を握る。だが、ハイプレスとリトリートを織り交ぜたタイトな守備を敢行するハンガリーの守備をなかなか崩せない。

▽一方、良い守備から反撃を試みるハンガリーは、右サイドのジュジャークの個人技とサライを目がけたロングボールのセカンドボールを拾う形からフィニッシュに繋げていく。4分と11分にはトップ下のクラインハイスラー、23分にはゲラがシュートを放つが、GKアルマーを脅かすまでには至らない。

▽ハンガリーの健闘で前半半ばから終盤にかけても拮抗した展開が続く。何とか前半のうちにゴールをこじ開けたいオーストリアは、35分にボックス手前でヤンコが競ったボールに反応したユヌゾビッチが右足のシュートを放つが、これはGKキラーイの好守に阻まれる。

▽さらに41分には左サイドを突破したアルナウトビッチが丁寧にグラウンダーで折り返したボールを、ファーに走り込んだハルニクがスライディングで合わせるが、うまくミートできず。逆に、43分にはハンガリーが中盤でのパスカットからクラインハイスラーのスルーパスに抜け出したジュジャークに決定機も、利き足とは逆の右足のシュートは枠の左に外れ、前半はゴールレスで終了した。

▽ハンガリーのフィオーラのミドルシュートで幕を開けた後半は、前半に比べてサイドバックが高い位置取りを見せたオーストリアがサイドを起点にチャンスを作る。だが、アルナウトビッチらが深くえぐって上げたクロスは、最後のところで味方に合わない。

▽一方、自陣で奪ったボールをミスなく繋いでカウンターに転じるハンガリーは、52分にゲラ、54分にはジュジャークが強烈なミドルシュートを放つが、これはGKアルマーの好守に遭う。それでも、前半同様に健闘が続くハンガリーは、ワンチャンスを生かして先制に成功する。62分、フィオーラのロングフィードを胸で落としたサライが、クラインハイスラーのスルーパスに抜け出し、GKとの一対一を制した。

▽やや軽い対応から先制を許したオーストリアは、失点前に負傷交代したユヌゾビッチに代わってサビツァーを投入したのに続いて、失点直後にヤンコを下げてオコティーを投入する。だが、攻め手を見いだせないチームは、66分にドラゴビッチがこの試合2枚目のカードをもらい、退場処分に。ビハインドに加え、数的不利を背負うことになった。

▽一方、前がかりな相手に対して、効果的なカウンターで追加点を狙うハンガリーは、きっちり試合をコントロール。その後、先制点に絡んだサライとクラインハイスラーを下げてプリシュキン、シュティエベルを投入すると、この交代策が完璧にハマる。87分、相手のFKのカウンターからプリシュキンのロングスルーパスに抜け出したシュティエベルが相手陣内を独走し、最後は飛び出したGKのポジションを見極めてボックス外から見事なループシュートを流し込んだ。

▽この追加点で試合を決定付けたハンガリーが、下馬評を覆す快勝でオーストリアを退けた。一方、格下相手にまさかの敗戦を喫したオーストリアは、次節のポルトガル代表戦に向けてディフェンスリーダーのドラゴビッチを出場停止、司令塔ユヌゾビッチを負傷で欠くことになった。