寿司を握るのは花形の仕事であり修行中の身では触ることも難しい

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寿司職人として一人前になるためには「飯炊き3年、握り8年」の修行が必要、などという話があるが、ホリエモンこと堀江貴文さん(43)がツイッターで、問題なのは職人としてのセンスであり「何年も修行するのはバカだ」と切り捨てた。

寿司職人になるためには修行をするのはナンセンスで、料理学校に数か月間通えばなれるものだし、自己流でやっている人もいる、というのだが本当だろうか。

「飯炊き3年、握り8年」の伝統

ホリエモンは2015年10月29日にツイッターで、寿司職人に関してバカなことを書いているブログがあると指摘し、

「今時、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行しねーよ。センスの方が大事」

とつぶやいた。フォロアーからご飯を炊く時の水分調節やシャリを握るのはそう簡単に会得できるものではない、と意見されると、

「そんな事覚えんのに何年もかかる奴が馬鹿って事だよボケ」

と返した。長い期間の修行や苦労によって手に入れたものは価値がある、というのは偏見であり、寿司職人の修行というのは若手を安月給でこき使うための戯言に過ぎないというのだ。

ホリエモンは2014年12月26 日にYouTubeで配信している「ホリエモンチャンネル」で寿司職人について語っている。コロンビアに寿司店を出したいという男性からの相談に答え、その中で寿司職人になるには10年くらいかかると言われてきたけれど、半年くらいでプロを育成する専門学校も出来ている。長い期間修業が必要なのは「1年間ずっと皿洗いしていろ」などと寿司作りを教えないから。今は独学で寿司を出したり、短期養成の専門学校に行って寿司職人になる人が増えている、問題は寿司を作る人のセンスだ、などと語った。

これに対して、「求人@飲食店.COM」の2015年4月10日付けの記事は、

「寿司は日本の伝統食であり、美食の象徴でもあります。やはり一流を目指すとなると、現在第一線で活躍する巨匠たちの辿ってきた道、つまり『飯炊き3年、握り8年』を実践するのが一番確かな道です」

と反論した。

今回のホリエモンのツイッターは、この記事に対する再反論というわけだ。

寿司を握るのは花形、問題はセンス

こうしたやり取りにネットではこんな様々な意見が出た。

「ホリエモンのほうが正論。目で見て盗めとか日本の精神文化はおかしすぎる」
「職人バカにしてるのかこいつ」
「飯炊き3年握り8年とはそれだけ場数を踏まないといけない事を表した表現であり、それだけやったからOKってわけでもない。どんな仕事でも、教わってできることと場数を踏むことで得るものがあるんです」

大阪が本社の「3ヶ月で江戸前寿司の職人になる」と看板を掲げた専門学校に話を聞くと、

「授業は厳しいですが、3か月で海外に店舗を出した生徒さんもいるなど、短期間で寿司作りから経営まで学ぶことはできます」

と説明した。では10年以上も修行する人と、3か月で店を出せる人の違いは何なのか。質問してみるとこんな答えが返ってきた。

「寿司は古い体質があり、寿司を握ることができるのは花形なんです。新人は追い回しから始まり寿司を握ることはずっと先の話になりかなりの時間を要するわけです。そのため当校ではプロの寿司職人を講師に招き、始めから実践を積み重ねます」

ダシの取り方、魚のおろし方、魚の目利きの仕方などのコツを集中して抑えて行くのだそうだ。とはいっても受講した全員が3か月で一人前の寿司職人になれるかというと、そうではないらしい。

「和食を長くやっている職人でも寿司は苦手だという人もいます。問題となるのはセンスがあるかどうかで、センスがあれば一気に高みに登って行きます」

そう担当者は話していた。