ハリルホジッチ監督 代表発表会見で不満を連発「相手をリスペクトしすぎ」

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1日、シリア戦とイラン戦に挑む日本代表が発表された。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「この試合が一番難しい」と現在グループ首位、13得点0失点のシリアへの警戒感を露わにした。また、9月のFIFAランクでは日本の58位に対して40位と、格上の評価を得ているイランに対しては、「何人かの選手の可能性を見たい」と選手の実力を見極める試合にするとした。

その後、ハリルホジッチ監督としては初招集になる南野拓実や柏木陽介、塩谷司などを含むメンバーが発表され、監督は勝利に向けての意気込みを語った。

これはこれまでの会見とほぼ同じ進行だった。そして記者会見の間にハリルホジッチ監督は日本サッカーを「チクリ」と批判するのもおなじみの光景だった。今回の会見で監督が挙げたのは7つの点。

1. 日本人のメンタリティの問題

ハリルホジッチ監督はラグビー日本代表のコーチが言っていたという「日本人は(相手を)リスペクトしすぎだ。自分たちをあまりリスペクトしていない」ということを「サッカーの選手にも感じる」として、「勝利の文化を植え付けたい」と語った。

2. ケガを抱えたままプレーしている問題

山口蛍がケガを抱えたままプレーしていたという話から、「このような治療の仕方に私は満足していません。少しケガをしている選手がプレーを続けると違う問題が発生してしまいます。そして大きなケガにもなりかねません」「日本代表で呼びたい選手というのは100パーセント準備が出来ている選手です」と苦言を呈した。

3. ゴールゲッターが不足している問題

南野拓実を招集した理由で、監督は南野を「一番面白いと思われるのはボールがないところの動き」「常に得点を取る、もしくは取らせるポジションにいます」と褒めつつ、「今のところ私たちはゴール前での効率性というところでハイパフォーマンスになっていませんから彼が必要です」と現状への不満を述べた。

4. 試合の準備期間の問題

監督は、シリア戦へ準備期間が少ない等の不安を素直に口にした。「シリアはもうすでに昨日(9月30日)合宿を始めているんですね。そして明日(10月2日)オマーンと親善試合をします。おそらくフィジカル的に我々よりフレッシュな状態で我々に挑んでくるでしょう」「我々は火曜の朝に到着する選手がいます。みなさんがこの状況をどう思われるかわかりませんが、これは私にとって大きな問題です」

5. 国内組のトレーニング負荷が低いという考え

監督がスケジュールよりも不安だと語ったのは「国内組にケガを抱えている選手が多い」ということだった。「特に筋肉系の問題を抱えている選手が多い」「どこに問題があるか、私はすでに把握しています」「私は警告を何度か叫んでいます」と選手にチームの練習だけではなく、「個人でもっとトレーニングしてくれ」と伝えていることを明らかにした。

6. PKを獲得できない問題

「私は日本に着いてからずっといっているのだが」と、今回もPKについての話が始まった。「まだ我々がPKをもらっていない。それが理解できない」と監督の声が大きくなる。「まだ1回もPKの可能性がない」と「このことについてはまた話さなければならない」と収まらない様子だった。

7. FKからの得点がないという問題

一時は日本のお家芸だったFKについても監督は不満がある。「現在サッカーでは得点の35パーセントがFKから入っています。我々は0パーセント。それを選手には強調したいと思います。それに関してトレーニングして説明する時間がほしいと思います」

この中には、しごくもっともな意見と同時に、国内サッカー関係者が聞くと顔色を変えそうな考えも示された。ただ、このような「毒」にも取れる発言が今の日本サッカーに刺激を与えているのは間違いない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】