ニンジン、セロリのポリポリに気分転換の効果(画像はイメージです)

写真拡大

気分の明るい暗い、そしてストレスの感じ方の強弱は意外にも食べ物次第? このほどハーバード大学で栄養学について教鞭をとる医師が、ストレス解消や気分を明るくさせる効果のある食品類をラジオ番組で紹介した。スイーツは長い目でみれば逆効果であることが多いというのである。

このほどワシントンD.C.を本拠地とするラジオ局『ナショナル・パブリック・ラジオ』に出演し、「ストレス解消や気分転換のためには、炭水化物や糖質がいっぱいのスイーツを食べるよりもこれらを摂る方が大切です」と話したのは、ハーバード大学で栄養学を教え「ボストン小児病院」の小児科医であるデヴィッド・ルードウィッグ博士。ストレスをためない、心配事や不安に打ち勝つ強い精神力はまずは食事からだという。以下のことを覚えておくとよいようだ。

■カボチャの種や暗緑色の野菜、葉菜
カリウム、リン、亜鉛、マグネシウムがカボチャの種には特に豊富で、頭痛、心配症、不眠、疲労感、高血圧などに対する万能薬ともいえるが、1日の望ましい摂取量に至っていない人が多いという。循環器系の健康には欠かせないマグネシウムだが、実は脳や精神面での健康を考える上でも重要な働きをし、シソ、オクラ、ケール、フダンソウといった深緑色の葉菜にも多く含まれている。日本でもマグネシウムが豊富な枝豆はビールの理想的なおつまみとして高い評価を得ているようだ。

■卵
質の良いたんぱく質はもちろん、カルシウム、鉄、亜鉛、セレニウム、リン、ビタミンA、D、K、自律神経を整える作用のあるEとほぼすべてが揃った完全栄養食品。著書『The Happiness Diet』を持つコロンビア大学の精神科医ドリュー・ラムゼイ氏は、「心配事をためないためには朝の卵料理が一番」と述べている。

■ニンジンやセロリ
スティック状にカットされたニンジン、セロリなどをポリポリと音を立てながらおいしそうに食べる人がいる。その硬いものを噛むという行為は、体に蓄積している緊張感を解きほぐしてくれるそうだ。さらに嬉しいことには、歯をきれいにして口臭を防ぐことにも役立つという。

■青魚や油
アメリカ国立衛生研究所のジョー・ヒベルン氏は、数十年の研究を経て、オメガ3脂肪酸が慢性的なストレスやダメージから神経細胞を守ることを突き止めた。また油の種類にも気を使うべきで、オススメはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている亜麻仁油、エゴマ油、シソ油。ほかにくるみ、ココナッツオイルも豊富だと話題になっている。油をそうしたものに変えて心臓病、ガン、脳卒中、糖尿病などのリスク軽減をと呼びかけられるようになっているが、アメリカ国立衛生研究所は「亜麻仁油の摂取でADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供たちの問題行動が改善したとの報告がある。オメガ3脂肪酸には神経の興奮を抑える力がありそうだ」と発表。子供のうちに青魚をたっぷりと食べることにより、よりポジティブな精神力や行動力を身につけることも期待できそうだという。

■全粒穀物
玄米、キヌア(キノア)、発芽玄米、ふすまを取っていない麦、オートミール、ソバ粉などで、精白されたものより食物繊維、ビタミンB群、ミネラルが多く、かつ血糖値を急激に上げないことから美容と健康を大切にする人々には特に好まれている。スイーツを食べるのであれば精白小麦粉より全粒粉で作られたものを、と意識するとよい。なお神経伝達物質が多い発芽玄米は、脳内の“幸せホルモン”である「セロトニン」を安定させるとして特に評価されている。

■ビタミンCが豊富な食品
心理学の専門誌『Psychology Today』に発表された論文によれば、血中ビタミンC値が高い人ほどよりストレスからの回復が早いことがわかったとのこと。ベリー類、ブロッコリー、芽キャベツ、キウイフルーツ、パパイヤ、かんきつ類など、ビタミンCが豊富といわれる食品を積極的に摂るとよい。