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ユニセフ(国連児童基金)は2日、子どもに対する暴力や虐待による経済的損失の試算が、東アジア・太平洋地域の国々で年間2,090億ドル(地域全体のGDPの2%)に上ると発表した。

○暴力・虐待のうち、最大損失は「精神的虐待」の659億ドル

暴力・虐待の5つの形態について、精神的健康、身体的健康、生活・行動面への影響等を分析した。その結果、地域全体の経済的損失は、「精神的虐待」が最高額で659億ドル。次いで、「性的虐待」(399億ドル)、「身体的虐待」(396億ドル)、「ネグレクト」(324億ドル)、「家庭内での暴力の目撃」(310億ドル)という結果となった。

子供への暴力・虐待は、同地域において、国の所得レベルに関わらず起きている。例えば、14%〜37%の子どもが、少なくとも1つの形態の暴力・虐待を経験している。高所得国では、女性の42%が精神的虐待を経験。また男性の32%が家庭内暴力を目撃している。

また、経済的損失では、低所得国の男性の精神疾患のうち、25%が子供時代の身体的虐待と関連しているという。同様に、低中所得国の女性の精神疾患の31%が子供時代の性的虐待と、高所得国の女性では19%が子供時代の精神的虐待と関連している。

子供への暴力・虐待による経済的損失は、高中所得国でGDPの3.45%と最大となり (うち最大の1.26%が精神的虐待)、高所得国では1.45%(うち最大の0.42%が精神的虐待)だった。