写真の保存に最適なオンラインフォトストレージ8選・2015年版
By Erich Z
スマートフォンやカメラで撮影した写真はどんどん増えていくため、全てのデータを管理するのは大変な作業です。クラウド上に写真を保管すればあらゆる端末から全ての写真にアクセスできるようになりますが、オンラインフォトストレージはサービスによって使い心地が異なるもの。そこでThe Vergeの記者が写真の管理に使える8つのオンラインフォトストレージサービスの2015年版をまとめています。
http://www.theverge.com/2015/4/29/8467289/cloud-photo-storage-comparison-dropbox-icloud-flickr-onedrive-free
The Vergeでは2013年に「クラウドに思い出を残せる最高のフォトアプリ」として10のオンラインストレージサービスをまとめていました。それから約2年が経過した2015年現在、当時「世界一の写真アプリの1つ」とまで言われた「Everpix」はすでにサービス提供を終了。数々のスタートアップが誕生と閉鎖を繰り返してサービスの選別が進められ、新サービスの登場・発展速度は停滞気味になりつつあります。一方でAppleやAmazonのようなIT業界の巨人はサービスの改善に努め、価格を見直しました。
世界中で年間9000億万枚の写真ファイルがウェブ上へアップロードされると見られる2015年になり、主要なオンラインストレージサービスは全て「自動アップロード機能」を採用。スマートフォンの普及率が上昇を続けていることから、自動的にカメラロールの写真がバックアップできる機能が必須になったわけです。The Vergeではそんな2015年現在で実際に「使える」8つのオンラインストレージサービスをピックアップしています。
◆01:Amazon Cloud Drive/(Prime Photos)
Amazonは無料で5GBまで使えるフォトストレージ「Amazon Cloud Drive」を提供しています。2014年11月にはプライム会員向けに容量無制限の写真ストレージサービス「Prime Photos」を開始。非プライム会員でも年額12ドル(約1400円)で利用可能です。ウェブ・iOS・Android・Kindle Fire・Fire Phone・Windows・Macに対応していますが、日本向けのサービス提供は記事執筆現在では開始されていません。
Amazonのストレージサービスは、他のサービスに比べると操作の直感性に欠けるそうですが、保存容量無制限なのが強み。Amazon.comのAmazonプライムは翌日配送などのネットショッピング機能以外にも、映画・TV番組などのストリーミング視聴や何百万曲の音楽を再生可能であるため、すでにプライム会員であれば充分過ぎるほどの機能であるとのことです。なお、Prime Photosに300GB以上をアップロードして検証した人物は、「RAW画像をアップロードできる」「オリジナルファイルと同一のファイルが保存される」といった点を評価しています。
無制限に写真を保存できるAmazonの「Prime Photos」に300GB以上アップロードしてわかったこと - GIGAZINE
◆02:iCloud
Appleはオンラインストレージサービスとして、無料でiCloudに30日間1000枚までの写真やビデオを保存できる「フォトストリーム」と、無料で5GBまでの写真やビデオをiCloudに保存できる「フォトライブラリ」を提供しています。フォトライブラリはMacに新しく追加された「写真」アプリやiOS端末と連携して使用でき、保存ファイルを編集すると一度で全端末に反映できます。
iOS端末で撮影したファイルを低解像度で本体に保存して、オリジナルファイルをiCloudに保存するという設定があるなど、Appleユーザーなら使えるオンラインストレージサービスになっており、無料の5GBに加えて月額たった100円でさらに20GBの容量を追加可能です。
◆03:Dropbox
Dropboxは「Carousel(カルーセル)」というiOS/Android向け写真ギャラリーアプリを提供しています。スマートフォンで撮影した写真やムービーを自動的にDropboxへバックアップするアプリで、アップロードしたファイルはスマートフォンからタイムライン形式で確認できます。端末の内蔵ストレージを節約できる便利なアプリですが、Androidアプリのダウンロード数は500万回以下と、まだ知名度は低めの模様。SNSへの共有機能やアプリ間共有機能が優れているとのことなので、今後ユーザーが増加すればますます便利になりそうです。
Carousel
https://carousel.dropbox.com/
なお、バックアップ元となるDropboxは無料で2GBの容量を持ち、月額1200円で1TBという料金設定になっています。他のサービスと比べると最安値というわけではありませんが、同期能力については最強レベルのストレージサービスです。
◆04:Flickr
Flickr最大のポイントは無料で1TBまでのファイルを保存できること。写真を保存しつつ公開できるFlickrにはプロ・アマ問わずレベルの高い写真家が集まっています。しかし、FlickrはInstagramに対抗してモバイルアプリでスクエア表示を採用したことで、もともとフルブリード表示の写真をスクエアサイズで表示すると一覧が見づらくなってしまうなど、混乱が起こってしまったとのこと。ただし長年にわたって写真を保存しているユーザーがいるため、オンラインストレージにとって重要な「安全性」については信頼があるようです。
◆05:Google+
Google+はソーシャルネットワーキングサービスですが、Google+の写真機能はオンラインストレージとしても秀逸です。2048ピクセルまでの写真であれば容量無制限で写真を保存でき、アップロードした写真は赤目処理や明るさ補正を行う「自動補正機能」によって美しい写真に補正されます。自動補正機能はオフにしたり、個別に補正したりすることも可能。バーストショットなどで撮影した5枚以上の写真でGIFアニメーションを作成できるほか、アップロードした写真の中からきれいに撮れている写真を集める「ハイライト」の写真選出機能にも優れているとのこと。
さらに、スマートフォンで撮影した画像の自動同期機能や、ウェブベースの写真編集ツールを豊富に備えているなど、写真を管理するにあたって他のオンラインストレージサービスに引けをとらない内容になっています。
◆06:OneDrive
SkyDriveからOneDriveに名称を変更したMicrosoftのストレージサービスは、無料で30GBまでの容量を利用でき、モバイルアプリを通じてスマートフォンなどの端末からの自動アップロードにも対応しています。特徴的な機能はアップロードした写真を自動的にタグ付けする機能で、写真から機械判別で「ビュッフェ」「自動車」「都市」「群衆」などのタグが付けられます。ただし、写真にそぐわないタグが付いてしまうことがあるようです。
@Adventureee_ One Driveで勝手にタグ付けされてた。あれかな ひろさんは人間じゃないのかな? まぁ 動物のように可愛いけど。猫のように可愛いけど。 #Alexandros #磯部寛之 #OneDrive pic.twitter.com/IUjtDG1a2R— ちった。 (@Adventureee_) 2015, 3月 18
The Vergeの記者によると、OneDriveは写真を保存するストレージとしてはトップレベルではないものの「問題なく使えるレベル」と述べています。
◆07:Picturelife
Picturelifeは無料で8GBのストレージが使えるフォトストレージサービス。iCloudやGoogle+などのテクノロジー業界の巨人たちによるストレージサービスには、他のサービスへの共有機能やインポート機能がないものがほとんどですが、Picturelifeは何度かクリックするだけでFlickr、Foursquare、Google、Instagram、Tumblr、Twitterといった他社サービスへ写真を接続可能です。そのため、複数のSNSにアップロードしている写真をまとめてバックアップするのに適しているとのこと。
また、Picturelifeのモバイルアプリには、ある1日の写真をハイライトする機能があり、思いがけず数年前の出来事を思い返すことができます。オンラインストレージサービスがあれこれある中で、Picturelifeは全ての写真を1カ所にまとめるという使い方ができ、使いやすいUIで設計されていますが、2015年2月にStreamNationに売却されたため、今後サービスはどのように変化していくのかが気になるところです。
◆08:SmugMug
SmugMugは14日間のフリートライアルを設けていますが、無料で使えるストレージはなし。トライアル後は年額約40ドル(約4800円)のベーシックプランで、容量無制限のストレージを利用することができます。他のサービスとは異なるアプローチですが、プロやセミプロのカメラマンに適したサービスになっているとのこと。SmugMugに保存した写真はポートフォリオなどで使えるように特化しており、さらにどのプランにもウェブサイト作成機能があるため、SmugMugに保存した写真を使ったウェブサイトが作れるようになっています。
また、SmugMugに保存している写真を商品として販売することも可能です。単に写真を保存するにはあまり向いていませんが、カメラに携わる職業の人向けのサービスとなっています。
なお、ピックアップに当たって考慮されたのは各機能の違いや使いやすさなど。8つのサービスの機能や価格は1つの表にまとめられており、各項目は以下のようになっています。
「Auto-Upload(自動アップロード)」
「Share to External Social Networks(SNSへ共有)」
「Share to Web Gallery(ウェブギャラリーへの共有)」
「Public, Writeable API(書き込み可能なAPI)」
「Intergrated Printing Service(印刷サービス)」
「Cloud Editing(クラウド編集)」
「Display RAW Files(RAWファイルの表示)」
「Host and Stream Video(ムービーファイルのアップロードと再生)」
「Timeline View for Photos(写真のタイムライン表示)」
「Mobile Album Creation(モバイルアルバム作成機能)」
「Search by Filename(ファイルネーム検索)」
「Import from Social Networks(SNSからインポート)」
「View EXIF Data(EXIFデータの閲覧)」
「Photo Deduplication(画像重複)」
「Platforms(対応プラットフォーム)」
「Free Strage(無料ストレージ領域)」
「Pricing Tiers(価格)」