ソフトバンクの「ガラケー不要論」は先送り案だった?ガラケーだけ発表をズラした真相とは

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ソフトバンクは5月22日、新モデルとしてガラケー2モデルを発表した。
それは、5月19日にスマホの新モデルを発表したわずか3日後というタイミング。こだだけ、短期でわざわざスマホと発表する日をずらすのは、極めて異例と言える。

なぜ、ソフトバンクは、ガラケー2モデルだけ発表をずらしたのだろうか。

●今回発表されたのはシンプルフォン
今回、新モデルとして発表された2モデルは、両方ともハイスペックモデルではない。
あくまでも、メールと通話を重視したシンプルなガラケーだ。
いったいどのようなモデルが発表されたのだろう。

・COLOR LIFE 5 WATERPROOF
パナソニック モバイルコミュニケーションズ製のガラケー。
テンキーの下に、「I」「II」「III」というマルチワンタッチボタンを搭載し、さまざまな機能や、あて先を登録できる。
また文字を大きくする「特大」よりもさらに大きな「極大」という設定で、非常に大きな文字を表示させられる。
防水・防塵、ワンセグ、赤外線に対応するほか、Bluetoothにも対応し、法人需要にも使えるようになっている。
5月29日発売予定


パナソニック モバイルコミュニケーションズ製「COLOR LIFE 5 WATERPROOF」


・かんたん携帯8
ZTE製のシンプルケータイ。
ディスプレイ下に5つのワンタッチボタンを用意して、短縮ダイヤルやメールあて先に利用できる。
シニア向けモデルで、サブディスプレイも大型化しているほか、表示できる文字も、従来モデルよりさらに大きくできる。
さらにバッテリーを大型化することで、充電を忘れても1週間利用できるとうたっている。
防水・防塵や防犯ブザーに対応。
6月以降発売予定


ZTE製「かんたん携帯8」


この2モデルの共通点は、通話とメールを中心に利用する「シンプルなケータイ」であることだ。

●発表会の趣旨と合わなかった? それとも…
それでは、なぜこのガラケー2モデルが5月19日の発表会に発表されなかたのだろう。

ここから先は筆者の考察になる。
パナソニック製「COLOR LIFE 5」の発売が近いことから、決して開発遅れの影響ではないことがわかる。

そこには、ソフトバンクの方針が現れているようだ。
5月19日の発表会では、ソフトバンクは3つの発表を行った。
・Androidスマホなど新製品発表
・Yahoo!ショッピングとの連携
・Surface 3の発表


3つの発表は、テクノロジーや技術、サービスの先進性に注力したモノと受けとることができる。
また一方で、ソフトバンク発表会より前に発表されたドコモとauも関係しそうな点もある。

●ドコモとauは「ガラホ」だが、ソフトバンクはあえて「ガラケー」
先日、ドコモとauから発表されたケータイは、全てが「ガラホ」に分類される製品だった。
キャリアの方向性や製品の考え方に違いはあるものの、Android OSを搭載した最先端のケータイモデルだ。

対して、ソフトバンクが発表したのは、これまで通りの「ガラケー」だ。
通常通り、今回のガラケーをスマホと同時に発表すると、「ガラホ vs ガラケー」比較になりかねない。
それを避けるために、あえてガラケー2モデルの発表を遅れさせた可能性もある。

つまり、ガラホとの直接対決は避けたかったのでないだろうか
・19日の発表では最先端IT製品とサービスを発表したかった
・発表するケータイはスマホだった
・用意されていたガラケーは注目されにくいシンプルなケータイだった


実際に発表日をずらした理由は、他社の「ガラホ」との直接対決をさけた理由は不確かだが、
ひとつだけ言えるのは「ソフトバンクはケータイを見捨てていない」ということだ。

従来型の携帯電話2機種の発売について|ソフトバンク


布施 繁樹