“うさぎ追いし、かの山小ぶな釣りし、かの川”唱歌「故郷」の一節だが、現在三十代の筆者には、子どもの頃に山でうさぎを追った記憶も、川で小ぶなを釣った思い出もない。しかし、この歌に触れると自然にあふれた田舎の風景が浮かび、なんとも懐かしい気分に浸り、泣けてきてしまう。「自然にあふれた田舎の風景」とは、「日本の原風景」と呼べるものかもしれない。美しい山や川。虫が飛び、鳥が舞う。澄んだ空気。緑の匂い。そ