誰しも長い人生において、自分の進むべき「道」について悩むことがある───「道」ということについて、トーマス・マン、東山魁夷、高村光太郎の言葉から見つめる。「道に迷うこともあったが、それはある人びとにとっては、もともと本道というものが存在していないからのことだった」。───トオマス・マン『トニオ・クレエゲル』(実吉捷郎訳、岩波文庫)『トニオ・クレエゲル』は、ドイツの文豪トーマス・マン(1929