「ミラエール」の採用基準は、「成長意欲があることが大前提」という。「新しい経験を通じて自己成長を遂げたいという意欲が強いこと。登録派遣に登録なさっている方は、ご自身のスキルを活かした仕事をしたいという希望を持たれていますが、『ミラエール』に応募される方は、スキルや経験が今はないものの、働くことでスキルを獲得し、それを磨いてキャリアアップしたいという強い希望をもっています。採用するにあたっては、ポテンシャルとして伸び代があると判断できる方に絞っています」(福田氏)としている。

 派遣先の企業からも「ミラエール」に対する評価は高い。派遣を受け入れているリクルートジョブズの採用コンサルティング部スタッフィング1グループのグループマネジャー河村晋作氏は、「最初は通常の派遣社員を求めたのですが、『ミラエール』の存在を知り、当社では長く働いていただいて業務を覚えて戦力になってほしいという思いがあったことから、『ミラエール』のコンセプトに共感しました」と採用を決めた理由を語る。「『ミラエール』から来る方には、半年ごとにミッションシートを更新することになっていて、スタッフサービスの担当の方と、派遣社員と一緒に、向こう半年で何を覚え、どのような業務ができるようにしたいのかという目標を共有しています。ミッションをクリアすると、それに応じて報酬も上がりますが、それだけ戦力として貢献してくれるので納得感は高いです」という。

 実際に「ミラエール」として働いている室之園彩さんは、「派遣前は、未経験で大丈夫なのだろうかという不安もあったのですが、配属先では周りからのサポートもいただけ、思っていた以上の仕事も任せていただき、頑張りがいがあります」と目を輝かせていた。「オフィスワークの経験がなかったので、基本的なことは配属前に研修を受けました。働き始めて2カ月あまりですが、職場の雰囲気が良く、配属先の方々から分からないことは親切に教えていただき、スタッフサービスの担当の方からバックアップもありますので、仕事を続ける上での不安はありません」と語った。

 スタッフサービスの福田氏は、「『ミラエール』の課題は、事務職の特定派遣という新しい制度について、採用していただく企業の方々に理解を深めていただくことと感じています。これまでは、派遣社員には必要なスキルを補完するという役割を求められていましたが、『ミラエール』は、“派遣社員を使う”というところから一歩踏み出して、“人を育てる”、“協働する”という発想を持っていただきたいと思っています。育てることにコミットしていただくことで、採用いただいた企業様には、これまで以上のメリットがある制度だと実感していただけると考えています」と、「ミラエール」の定着に本格的に取り組んでいく。(編集担当:風間浩)