弁護士が投資ファンドに転職し、ベンチャー企業を立ち上げた理由とは?
学生も社会人も、試験を受ける機会はあります。しかし、がむしゃらに勉強しただけではなかなか上手くいかないもの。忙しい中でいかに効率よく勉強をするかということも大事です。
では、数々の難関試験を突破してきた人たちはどのように勉強しているのでしょうか。
開成中学、開成高校を特別優等の成績(10段階評価で平均評点9.0以上)で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格したという経歴を持つ鬼頭政人さん。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務した後、ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転籍、そして現在は資格試験のオンラインビジネス「資格スクエア」を創業しています。
そんな鬼頭さんの著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA 中経出版/刊)は、誰もが実践すべき合理的な勉強法を教えてくれる一冊です。
今回、新刊JPは鬼頭さんに“効率の良い試験勉強法”についてお話をうかがってきました。インタビュー後編です。
(新刊JP編集部)
■“ヤマを張る”勉強法を実践することで効率は一気に高まる
――どうしてこの『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』を執筆されたのですか?
鬼頭:僕は今、「資格スクエア」という資格試験学習のオンラインビジネスを運営しているのですが、その中で、勉強方法について困っている人がすごく多いことに気づいたんです。実際に、ユーザーの方にお会いしてサービスについてヒアリングをしていたら、勉強法を教えてほしいと僕に聞いてくる人が多かったんですね。
僕自身、特別な勉強法を実践しているつもりはなかったのですが、改めて考えると、確かに合理的な勉強方法を実践していました。そのメソッドを知ってもらうことで、試験勉強をしている人のプラスになればと思って書きました。
――「資格スクエア」のユーザーの方々は、勉強法について具体的にどのような悩みをお持ちだったのですか?
鬼頭:具体的には「何をしたらいいのか分からない」とおっしゃる人が多いです。自分が目指すべき試験は決めた、参考書も過去問集も買った、でもこれらを使ってどのように勉強すればよいかがわからない、とおっしゃいます。なので、予備校に与えられたカリキュラムをこなして安心したい、とお考えの方が多いように感じました。
実際、どのように勉強をしているかお伺いしたのですが、すでに自分が知っている範囲を何度も勉強していたり、非常に効率が悪いやり方をしているケースもありました。
――新たに勉強を始める時、どうしてもそれまでやってきた勉強法を当てはめることしかできないように思います。
鬼頭:そうだと思います。ただ、与えられた課題に対して、それなりに成果を出してきた人でも、そのやり方が効率的でなかったりすると、難しい試験を受けるときに躓いてしまうんです。難しい試験の場合は、通常出題範囲が広いので、効率が悪い勉強法だと全範囲をカバーできません。そのときに、本当は別の他のやり方を考えなければいけないのですが、それが分からないので、これまでのやり方で勉強している、という人は多いように思います。
――どうして鬼頭さんは「資格スクエア」というサービスを立ち上げたのですか?
鬼頭:僕はもともと司法試験を合格して弁護士事務所に所属した後、産業革新機構という投資ファンドに転職したのですが、その2つの組織に違いを感じまして、それがサービス立ち上げの原点の一つになっています。
――違いというのはどのような?
鬼頭:弁護士事務所は、もちろんチームで働くこともあるのですが、基本的に一人で仕事をするのですね。成果物も、誰にも直されないようなものを時間がかかってでもいいから出してこい、と。仕事に対するプライドをひしひしと感じる世界でした。法律の話なのでそうなるのはある意味当たり前なのかも知れませんが、ビジネスの世界とは真逆ですよね。ビジネスの世界では5割の出来でもいいから、早く成果物を出せといわれますから。
ただ、一方で会社組織に入って、ビジネスの世界を渡り歩いていると、どの会社からも愚痴みたいなものが聞かれる。自分の仕事なのに、どうしてプライドを持てないのだろうと。自分の仕事にプライドを持てれば愚痴を吐くことにはならないと思うんです。
こうした違いがどこからくるのか、と考えたときに資格という視点に行き当たりました。資格はキャリアアップの一つの手段ですし、資格という切り口がビジネスパーソンの皆さんにプライドを与えている側面があると感じたのです。ただ、資格試験学習のサービスを見てみると、意外と高額なので、なかなか手を出しにくい人も多いように思うんですね。それで諦めてしまうのはもったいないので、オンラインサービスでコストカットをし、プライスを安くして、そういった人たちでも資格試験に挑戦できるサービスを立ち上げようと思ったんです。
――東京大学法学部、慶應大学の法務研究科から司法試験合格といわゆる法曹のルートを歩んできた鬼頭さんが投資ファンドに転職されたのは何故なのですか?
鬼頭:もともとベンチャーの仕事がすごく好きだったので、転職をしてビジネスの視点を学ばせてもらいました。でも、働いている中で、やはり自分で舵を取るのが一番面白いな、と(笑)また、自分の信念として、社会貢献というか人の役に立つビジネスを、人生をかけてやりたいという想いもあって、起業しました。
――今後、「資格スクエア」をどのように発展させていきたいですか?
鬼頭:今は資格試験対策のサービスですが、資格試験は合格してからが本当のスタートだと思います。なので、その先の仕事の部分、資格を取っただけではなくて、実務につなげる部分のサポートもしていきたいですね。具体的には求人や仕事の斡旋などを考えています。
――『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』をどのような人に読んでほしいですか?
鬼頭:どんな人でも試験を受ける機会はあると思いますが、仕事をしている中で勉強していたり、子育てをしながら資格の取得を目指していたりするなど、時間のない中で勉強をしている方に読んでいただきたいです。そうした方には、この本のメソッドが有効に使えると思います。
――では、最後にこのインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。
鬼頭:書籍タイトルはとてもキャッチーですが、内容はいかに合理的にゴールにたどり着くための勉強をするかというところにしぼって書いています。もし、何かの試験を受けようと思っている人、もっと効率よく勉強したいと思っている人は参考にしてもらえると嬉しいです。
(了)
では、数々の難関試験を突破してきた人たちはどのように勉強しているのでしょうか。
開成中学、開成高校を特別優等の成績(10段階評価で平均評点9.0以上)で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格したという経歴を持つ鬼頭政人さん。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務した後、ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転籍、そして現在は資格試験のオンラインビジネス「資格スクエア」を創業しています。
そんな鬼頭さんの著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA 中経出版/刊)は、誰もが実践すべき合理的な勉強法を教えてくれる一冊です。
(新刊JP編集部)
■“ヤマを張る”勉強法を実践することで効率は一気に高まる
――どうしてこの『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』を執筆されたのですか?
鬼頭:僕は今、「資格スクエア」という資格試験学習のオンラインビジネスを運営しているのですが、その中で、勉強方法について困っている人がすごく多いことに気づいたんです。実際に、ユーザーの方にお会いしてサービスについてヒアリングをしていたら、勉強法を教えてほしいと僕に聞いてくる人が多かったんですね。
僕自身、特別な勉強法を実践しているつもりはなかったのですが、改めて考えると、確かに合理的な勉強方法を実践していました。そのメソッドを知ってもらうことで、試験勉強をしている人のプラスになればと思って書きました。
――「資格スクエア」のユーザーの方々は、勉強法について具体的にどのような悩みをお持ちだったのですか?
鬼頭:具体的には「何をしたらいいのか分からない」とおっしゃる人が多いです。自分が目指すべき試験は決めた、参考書も過去問集も買った、でもこれらを使ってどのように勉強すればよいかがわからない、とおっしゃいます。なので、予備校に与えられたカリキュラムをこなして安心したい、とお考えの方が多いように感じました。
実際、どのように勉強をしているかお伺いしたのですが、すでに自分が知っている範囲を何度も勉強していたり、非常に効率が悪いやり方をしているケースもありました。
――新たに勉強を始める時、どうしてもそれまでやってきた勉強法を当てはめることしかできないように思います。
鬼頭:そうだと思います。ただ、与えられた課題に対して、それなりに成果を出してきた人でも、そのやり方が効率的でなかったりすると、難しい試験を受けるときに躓いてしまうんです。難しい試験の場合は、通常出題範囲が広いので、効率が悪い勉強法だと全範囲をカバーできません。そのときに、本当は別の他のやり方を考えなければいけないのですが、それが分からないので、これまでのやり方で勉強している、という人は多いように思います。
――どうして鬼頭さんは「資格スクエア」というサービスを立ち上げたのですか?
鬼頭:僕はもともと司法試験を合格して弁護士事務所に所属した後、産業革新機構という投資ファンドに転職したのですが、その2つの組織に違いを感じまして、それがサービス立ち上げの原点の一つになっています。
――違いというのはどのような?
鬼頭:弁護士事務所は、もちろんチームで働くこともあるのですが、基本的に一人で仕事をするのですね。成果物も、誰にも直されないようなものを時間がかかってでもいいから出してこい、と。仕事に対するプライドをひしひしと感じる世界でした。法律の話なのでそうなるのはある意味当たり前なのかも知れませんが、ビジネスの世界とは真逆ですよね。ビジネスの世界では5割の出来でもいいから、早く成果物を出せといわれますから。
ただ、一方で会社組織に入って、ビジネスの世界を渡り歩いていると、どの会社からも愚痴みたいなものが聞かれる。自分の仕事なのに、どうしてプライドを持てないのだろうと。自分の仕事にプライドを持てれば愚痴を吐くことにはならないと思うんです。
こうした違いがどこからくるのか、と考えたときに資格という視点に行き当たりました。資格はキャリアアップの一つの手段ですし、資格という切り口がビジネスパーソンの皆さんにプライドを与えている側面があると感じたのです。ただ、資格試験学習のサービスを見てみると、意外と高額なので、なかなか手を出しにくい人も多いように思うんですね。それで諦めてしまうのはもったいないので、オンラインサービスでコストカットをし、プライスを安くして、そういった人たちでも資格試験に挑戦できるサービスを立ち上げようと思ったんです。
――東京大学法学部、慶應大学の法務研究科から司法試験合格といわゆる法曹のルートを歩んできた鬼頭さんが投資ファンドに転職されたのは何故なのですか?
鬼頭:もともとベンチャーの仕事がすごく好きだったので、転職をしてビジネスの視点を学ばせてもらいました。でも、働いている中で、やはり自分で舵を取るのが一番面白いな、と(笑)また、自分の信念として、社会貢献というか人の役に立つビジネスを、人生をかけてやりたいという想いもあって、起業しました。
――今後、「資格スクエア」をどのように発展させていきたいですか?
鬼頭:今は資格試験対策のサービスですが、資格試験は合格してからが本当のスタートだと思います。なので、その先の仕事の部分、資格を取っただけではなくて、実務につなげる部分のサポートもしていきたいですね。具体的には求人や仕事の斡旋などを考えています。
――『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』をどのような人に読んでほしいですか?
鬼頭:どんな人でも試験を受ける機会はあると思いますが、仕事をしている中で勉強していたり、子育てをしながら資格の取得を目指していたりするなど、時間のない中で勉強をしている方に読んでいただきたいです。そうした方には、この本のメソッドが有効に使えると思います。
――では、最後にこのインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。
鬼頭:書籍タイトルはとてもキャッチーですが、内容はいかに合理的にゴールにたどり着くための勉強をするかというところにしぼって書いています。もし、何かの試験を受けようと思っている人、もっと効率よく勉強したいと思っている人は参考にしてもらえると嬉しいです。
(了)