ナイジェリア北東部で、200名以上の女子生徒が誘拐された事件が発生してから1か月以上が経つが、行方はいまだにわからないままである。3人の女の子の父親でナイジェリア出身のタレント、ボビー・オロゴンはテレビ番組のインタビューで、涙を流しながら事件の早期解決を訴えている。

4月14日深夜から15日未明にナイジェリア北東部でイスラム過激派ボコ・ハラムが、学生寮から200名以上の女子生徒を拉致した事件。女子生徒を「奴隷として売り飛ばす」というボコ・ハラムによるビデオが公開されたことで、問題は世界的な関心を集めるところとなった。

5月23日放送の『ひるおび!』(TBS系)内でこの事件についてインタビューをしたのが、ナイジェリア出身のタレント、ボビー・オロゴン。最初に事件を知った時より、解決を見ないまま時を重ねた現在の方がショックが大きくなっているという。彼にも3人の愛娘がおり、「自分の娘だったらどうなっているんだろうと思う」と話すボビーの目には、涙が浮かんでいる。そして“今日にでも明日にでも”拉致された女子生徒らが自由になって欲しい―と、ボビーはカメラに向かって訴えていた。

残虐な武装集団を生み出した背景の1つに豊富な資源が集中するキリスト教徒中心の南部と、「ボコ・ハラム」が拠点とする北部との深刻な経済格差があると言われている。父親がイスラム教徒、母親がキリスト教徒のボビーによると、富裕層は毎週ヨーロッパに買い物に出かけ、自分の子供たちはヨーロッパの学校に留学させていると話す。その一方でナイジェリアの7割の国民は、食事も満足にとれない貧困層だという。このように人口の約半数を占めるイスラム教徒が集中して住む北部地域からの、キリスト教徒中心で富裕層が多い南部への不満は大変強いとのこと。

拉致事件に対する抗議の声は、世界中に広がっている。SNS上ではオバマ大統領夫人のミシェルさんも加わり、「#BringBackOurGirls(私たちの少女を返して)」というキャンペーンが展開されている。またアメリカ政府は21日、捜索活動を支援するため米軍兵士80人をナイジェリアの隣国チャドに派遣したと発表。多くの国と国際的な機関は事件の早期解決に、連携して対応する方針である。
(TechinsightJapan編集部 みやび)