GW中の家族サービスで、財布の中身はスッカラカン。そんな庶民感情を逆なでする事態が、永田町の注目を集めている。
 実は、今年は同期間に外遊に出かける議員が例年以上に多いという。安倍内閣では首相と15人に及ぶ閣僚が海外渡航したが、それ以外にも約140人もの国会議員がこぞって外遊に出かけたのだ。

 政治部記者がこう話す。
 「安倍首相は4月末からドイツ、フランス、イギリスを外遊。5月6日には各地を外遊してきた岸田文雄外相、茂木敏充経産相、林芳正農水相、甘利明経済再生相らとパリで落ち合い、経済協力開発機構閣僚理事会に出席したのです。一方、麻生太郎財務相はカザフスタンで開かれたアジア開発銀行の年次総会に出席。森雅子少子化担当相は4月27日から5月2日まで米国に赴いていたのです」

 また、稲田朋美行政改革担当相は5月3日から6日までシンガポールを来訪し、石原伸晃環境相は4月末に韓国へ。太田昭宏国交相も同時期にモンゴル、韓国に赴いたほどで、さながら外遊ラッシュの様相を呈していたのだ。
 「そのため、一部では6月の内閣改造を見越した“卒業旅行”との批判も出ている。しかも、こうした閣僚のタガの緩みが政界に蔓延。140人もの議員が我先にと“大名旅行”に出掛けたというわけなのです」(同)

 気になるのはそこで使われた血税の総額だが、これが目を見張る額なのだ。
 経済アナリストがこう話す。
 「安倍首相は昨年6月の訪問時にも、2億円超えの外遊費を使ったことが判明しており、麻生財務相も首相時代から外遊1回につき1憶3000万円を掛けていた。そのため、今回も同額程度の費用が使われたと見られている。閣僚クラスは訪問国によってバラつきはあるものの、一人平均5000万円程度。一般議員らの平均額も200万円程度と見られているが、これを単純計算すると、13億円を軽く超えるのです」

 アベノミクスは、政界、一部財界にのみ恩恵をもたらしているといえそうだ。