本人の全身をスキャニングして作成されたフィギュア

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東京・西新宿にある3Dプリント店「オフィス24スタジオ」。聞いたところによると、ここでは最近話題の3Dプリントを自分でできる「3Dセルフ出力サービス」や、3Dフィギュアを作成する「フィギュアサービス」などを提供しているという。
一体どんなものができるのか気になったので、早速行ってみた。

お店に入ると、デスクスペースに6台の3Dプリンター、パソコン、3Dスキャナーが。さらに作例として、小学生、ウェディング姿の女性、背広姿の男性や、バスケットボール、スパナ、小型アンプケースといったフィギュアが展示されていた。いろいろなものが、ここまで再現できるとは……。

本当に自分で簡単にできてしまうのか、担当者にお話を聞いた。
「はい、『3Dセルフ出力サービス』は、事前にスタッフと打ち合わせをした後、データをプリンターに入力してスイッチを押せば完了です」
あとは出来上がりを待つだけだそうだ。なお、料金は時間制で15分ごとに1200円。できあがりに要する時間は、大きさ、形などの条件により異なる。

ところで、ひとつ気になることが……。
それは、3Dプリントするために3Dデータが必要なこと。もともと知識のある人は、自分で3Dデータを作り、それをお店に持ち込むことができる。だが、自分で作れない人はどうすればいいのか。
そういった人は、セルフコーナーにある3Dスキャナーを使ってデータを作成するといい。中に入るものなら基本的になんでも大丈夫だが、ガラス製のものなど光を反射しやすいのはNGとのこと。

スキャンもちょっと……という人には、スタッフがすべてやってくれるフルサービスがおすすめ。店内に置いてある高精細プリントが可能な業務用プリンターで、人も物もかなり精密に作ってくれる。

本人そっくりのフィギュアができてしまう「フィギュアサービス」はどうなのか。
まず、スタッフが本人の体の上に手持ちタイプのスキャナーをかざしてデータをとっていく。このとき、5分程度じっとしていなくてはならない。これが結構しんどいので、できるだけ楽なポーズをとるといい。データ加工、プリントもスタッフが行い、後日渡しとなる。

さらに3Dフォトサービスなるものも。これは、従来の写真データをもとにスタッフが3Dデータ化してプリントする。現物を見ると、まるでフォトフレームから本人が飛び出している感じ。なるほど、見た目も手触りも凹凸があるので、これも3Dプリントと言っていいだろう。

ここまで説明してきたが、「どうしてわざわざ3Dプリントするの?」という素朴な疑問を抱く人もいるだろう。実用的なものや、業務用途のものならともかく、自分や家族なら写真やビデオでいいのではと。そんな疑問に担当者は、「成長記録として役立ててはどうでしょうか」という。
七五三、小学校、中学校などの入学式、成人式、結婚式、妊娠といった、それぞれの記念的なシーンでの自分や家族の「体形的記録」を残すのに、フィギュアが適しているようだ。たとえば小学生から高校生までの成長をそれぞれフィギュアにすれば、身長差、体形まで如実に比較できる。あるいは、妊娠のとき、実際にどのくらいおなかが出ていたかを前後左右から見ることができるといった具合。

記念行事のときだけでなく、アニメキャラの格好をした自分、バンドメンバーとしてギターを持った自分、スポーツをやっているときの自分など、非日常的な特別の自分をフィギュアにするのもおもしろいだろう。

「自分を3Dプリントにするおもしろさは、やはり自分を直接見ることができることでしょう」(オフィス24担当者)
ふつう、鏡や写真、モニターなど何らかの媒体を通してしか自分を見ることができないが、フィギュアは手にとって自分をさまざまな角度から体形やポーズを直接見るような疑似体験ができる。いわば「己を知るための3Dプリント」なのだ。自分や家族を3Dプリントしたものを友人や知人、得意先などへの贈り物にすれば、インパクトは大きいだろう。

3Dプリントを気軽に使う時代は確実に近づいている!
(羽石竜示)