中国共産党機関紙・人民日報はこのほど、日本のA級戦犯を標的に射撃する無料ゲーム「打鬼子(日本鬼子をやっつけろ)」の配信を開始した。同ゲームでは東条英機など日本のA級戦犯14名が標的として登場するほか、戦犯それぞれが「どのような罪を犯したか」を中国側の視点で表記している。

 同ゲームは標的に描かれた東條英機や土肥原賢二などといったA級戦犯を狙い、マウスでクリックして射撃するという極めて単純な内容だ。

 人民日報は、ゲーム「打鬼子」を開発した目的として、「ゲーム形式で日本の侵略者が犯した罪を暴き、ネットユーザーたちに歴史を心に刻みこんでもらうため」と説明する一方で、中国の簡易投稿サイトの公式アカウントでは「鬼子を参拝する人がいるなら、われわれは鬼子を撃とう!」とゲーム参加を呼び掛けた。

 中国のネットユーザーからは「これはおもしろいゲームだ」など称賛のコメントが寄せられたものの、ごく少数であった。

 むしろ、「妄想強国ですね」、「くだらないことこの上ない」、「これでは北朝鮮とやっていることが変わらない」、「子どものような幼稚な行為だ」など、政権を担当する党の機関紙が不謹慎なゲームを制作したことに対する非難の声が続々と寄せられた。

 さらに過激な批判コメントを寄せるユーザーもおり、「憎しみと圧力をほかに向けさせようということか? 赤い党こそ撃つべきだ!」、「撃つべき対象は中国の某党ですが」など、直接的な単語は使用していないものの、暗に共産党に対する非難もあった。

 人民日報は以前にも「汚職官僚をやっつけろ!」というゲームを発表、わずか1週間で20万人がプレイするなど大人気となったことがある。しかし今回の場合、反日愛国者からは好評を得ていたようだが、多くの冷静なネットユーザーからは不評であることが見て取れた。(編集担当:畠山栄)(写真は「CNSPHOTO」提供。「打鬼子」のワンシーン)