人は自分を過小評価しすぎ?夢をかなえるメンタル

写真拡大

 何かに向かって「夢」や「目標」を立てる時、ほとんどの人は「お金持ちになりたい」「3年後までに結婚したい」など、一つしか決めません。
 しかし、これでは「お金持ちになったけど体を壊してしまった」「結婚できたけどお金が全くない」など、目標を達成しても幸せになれないということが出てきてしまいます。そう、目標は一方面に立てるだけではうまくいかないのです。
 世界的自己啓発プログラムの販売世界記録を持つ三好比呂己さんは、目標を多方面に複数立てることによって仕事の成功と人生の幸せを両立させているといい、著書『マンモスを獲りに行く人、ネズミ捕りを仕掛けて待つ人』(ぱる出版/刊)で、その詳細を明かしています。目標を立て、それを追いかける秘訣とは?
 ご本人にお話を伺いました。今回は後編です。

―目標を立ててからそれを達成するまでのプロセスの例として、三好さんの経験談を一つお聞かせ願えればと思います。

三好「私の実家は中華料理店だったんですけど、私はそれとは別に自分でラーメン店をやりたかったんです。ただ、漠然とそう思っていただけで、行動を起こさずにグータラ暮らしていました。
でもそれから先ほどの自己啓発プログラムに出会って、夢を持ちなさいということを言われるわけです。そこで私は、“俺みたいなバカにできるわけないだろ”と思いながらも、ラーメン店を7店舗やりたいという目標を立てました。なんでかというと、私の父は中華料理店だけでなくホテルまで起業したような事業家だったのですが、その収入が月に350万円だったんです。せめてそのくらいは稼げるようになりたいなということで、1店舗から毎月50万円くらい取り分をもらうと考えると、7店舗で350万円に届く。
でも一か月くらいして、ふと“なんで父と比べなきゃいけないんだろう”と思ったんです。
“父の業績と自分の可能性とは直接関係ない”と思ったんです。そこで、男が本当に真剣に打ち込んだらどれくらいの事業ができるだろうかと考えたら、“一生をかけて100店舗”という目標が浮かんできました。それに思い至ったとたんに、この目標のためならどんなことでもやろうという気持ちになれたんです。
でも、当時父の具合が悪くて、あと数か月の命という時期でした。そんな時期に私は一人で目標実現に向けて燃えていて、独立してラーメン店を始めるなんて言い出すものですから兄弟と大喧嘩になるわけです。結局、独立する3日前に父は死んでしまって、遺産が兄弟一人に2億円ずつくらいあったんですけど、受け取りませんでした。
その時は本当に遺産なんていらない、逆に遺産があることで甘えてしまうことが怖かったんです。今は本当にそれでよかったと思います。」

―現在の三好さんの6方面の目標を教えていただけますか?

三好「精神面としては、自分が死んだあとにご先祖様から“ありがとう、お前のおかげだよ”と言われる生き方をしようというものです。
家庭生活は、息子を立派な経営者に育て上げることですね。あと子供たちが独り立ちしたので、家内と最高の夫婦像を確立することです。今でもとても仲がいいんですけどね。
社会生活はもっといろいろな人と知り合うことです。これまで付き合ってこなかった人とも意識して付き合うようにしています。
教養面はもっぱら中国語です。祖父が中国人だったというのもあって、今は中国語をいつも聞いています。
健康面はウォーキングを続けることで、これが一番苦労しています(笑)
経済面は、さっき言った100店舗というものなんですけど、これはフランチャイズが始まるので、あと5年くらいで達成したいと思っています」

―最後になりますが、本書の読者の方々にメッセージをいただければと思います。

三好「何かで成功する人って、若い頃から優秀だった人が多いと思いますが、私は28歳まで不勉強であり、グータラ一本槍できました。こんな人間にできたんだから、本当に誰でもできるんですよ。
そういう意味で、ほとんどの人は自分の能力を低く見積もりすぎています。この本を読んで自分の可能性にもっと目を向けてもらえたらうれしいですね」
(新刊JP編集部)