どん底から頂点に上り詰めたヘンリック・ステンソン(Photo by Chris CondonPGA TOUR)

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 今年のFedExカッププレーオフシリーズを制し年間王者の称号を手にしたのは、終盤で2勝を挙げたヘンリック・ステンソン(スウェーデン)だった。ステンソンは1000万ドル(約10億円)のビッグボーナスを手にすると共に、欧州勢として初の年間王者の栄冠に輝いた。
ステンソンが逃げ切り優勝!初の欧州勢年間王者に輝く
 だが今スポットライトの真ん中にいるステンソンも、今季のここまでの道のりは決して平たんではなかった。
 近年は深刻なドライバーイップスに悩まされ、2012年シーズン開幕時の世界ランキングは230位。ティショットでスプーンを多用する苦肉の策でなんとか戦っていたものの、今年3月でも世界ランク50位以内に入れず、華やかなWGCに隠れて石川遼らと共に“裏開催”の「プエルトリコオープン」に出場した。石川も「彼(ステンソン)は本来ここにいる選手ではない」と語っていたが、それが今のステンソンを表す現実だった。
 だが、ウッド系の不調の一方、切れ味抜群のアイアンショットで少しずつ上位に顔を出すとそれに応じてランキングもさらに上昇。勝利には恵まれなかったものの、「全英オープン」で2位、「WGC-ブリヂストン招待」でも2位タイ、「全米プロ」3位とシーズン終盤に入りその安定感は際立った。
 そしてプレーオフシリーズ第2戦「ドイツ銀行選手権」で今季初優勝を挙げると、最終戦も制して堂々の年間王者に。ショットのキレ味を示すパーオン率は全体で1位の数字をマークした。イップスに苦しみながらもドライバーを極力封印することで活路を求め、ついに頂点に立ったステンソン。「自分を信じてあきらめずにやれば結果はついてくる」。使い古されたこの言葉の重みは、ステンソン自身が一番よくわかっている。
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