画面タッチでは手ブレするのは当然!スマホがカメラボタンを搭載しない謎

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多くのスマートフォン(スマホ)は“充実したカメラ機能”がアピールされており、利用者もスマホのカメラ機能には関心も利用頻度も高くなっています。

記念写真や食事、画像メモなど、さまざまなシーンでスマホのカメラは使われていますが、ここで、ひとつ大きな疑問があります。それは、本体にカメラボタン(シャッターボタン)が搭載されていない機種が圧倒的多数ということ。

2013年の夏モデルで専用キーとしてカメラボタンを搭載している機種はNTTドコモの「Xperia A SO-04E」(ソニーモバイル製)、「らくらくスマートフォン2 F-08E」(富士通製)、auの「Xperia UL SOL22」(ソニーモバイル製)のわずかに3機種のみ。

なぜ、これほどスマホでカメラ機能をアピールしながら、あれば便利なカメラボタンをないがしろにしているのかがとても疑問です。


■画面タッチでは手ブレするのは当然
キャリアやメーカーがカメラボタンを搭載しないということは、少なくともキャリアやメーカーは、カメラボタンはスマホには必要ではないと考えているのでしょうが、実際に使う側にとっては、必ずしも同意できるかは疑問です。

写真を撮る際は、手ブレだけはしない写真を撮りたいと誰しもが思うことです。

写真が好きな人なら、手ぶれをしないように脇を固めて撮ったり、三脚を使って撮ったりするのは基本中の基本だと知っているでしょう。カメラに振動を与えることが最も大きな手ブレの原因となるため、いかにカメラに振動を与えずにシャッターを切るかが重要なポイントとなります。

さて、スマホで撮影する場合はどうでしょう?画面のシャッターボタンのアイコンをタップしてカシャ!
画面タッチ=画面を押す どう考えてもスマホは前後に動いたり、揺れたりしやすいわけで、むしろ手ブレない方が不思議なくらいです。

もちろん、スマホのカメラには手ブレ防止機能も搭載されており、明るい場所などではそれほど手ブレを感じない場合が多いのですが、夜景や暗い場所で撮影してみると、一気に"ブレまくり"写真を量産してしまいす。

つまり、手ブレしているのです。

もちろん、カメラボタン(シャッターボタン)を搭載すれば手ブレが完全に解消するわけではありませんが、どう考えても画面にタッチしてシャッターを切るよりは、カメラボタンを押して撮影した方が手ブレの原因となる物理的な振動は軽減できるでしょう。


■操作のしやすさがブレ軽減に
集合写真や自分撮り(自撮り)をする場合では、画面タッチのシャッターは手ブレに関しては致命的です。

例えば、記念写真で誰かに撮ってもらう場合、撮影する人がスマホのユーザーでもない限り、まず操作には迷います。またスマホユーザーだった場合でも、自分のスマホ以外の操作はよく知らないので、操作に迷うケースは案外多くあります。操作に迷いながら撮れば、ブレブレ画像になっても不思議ではありません。

自撮りの場合、インカメラが搭載されていますが、そもそもインカメラはテレビ電話、ビデオチャットといった用途で搭載されているので画質は低く、ある程度キレイな自分撮りをするには背面のメインカメラで撮影する人も多いでしょう。

この場合、ディスプレイは裏側で見えないので、画面のシャッターボタンの位置が分からないということになります。また裏側になる画面のシャッターボタンを押すためにスマホの持ち方も不自然になるため、当然ブレやすく何回も撮り直すハメになります。

撮りやすかったり、操作が分かりやすかったりすることが、ブレ軽減に繋がるのは理解に苦しみません。


■ガラケーの方がはるかに撮影しやすい
スマホのカメラはこれだけ手ブレする要素を持っていながら、画質が綺麗、シャッターチャンスを逃さないなどのキャッチコピーやウリ文句でカメラ機能がアピールされています。

実は、シャッターの押しやすさでは、スマホよりも従来型の携帯電話(ガラケー)の方がはるかに押しやすいのです。一度、スマホに移行してガラケーでカメラを使わなくなった人は、以前使っていたガラケーで試してみると、「こんなにも撮りやすかったのか!」と改めて感じることができるでしょう。


iPhoneは秀逸なカメラ操作ができる
スマートフォンと言ってもiPhoneは別格です。iPhoneは画面タッチのシャッターに加え、側面にある「+」ボタンを押すことでシャッターが切れます。横向き撮影だとボタンの位置が微妙になりますが、ボタンの形状も丸いのでまさにシャッターボタンとして使えます。

さらに、この「+」キーはボリュームキーなので、iPhoneに対応したボリュームキー付きのイヤホンであれば、イヤホン側の「+」キーを押してもシャッターを切ることができます。

つまり、iPhone自体を固定できるスタンドとボリュームキー付きのイヤホンがあれば、自分も入った集合写真や、iPhoneから離れた場所での自撮りも可能なのです。


■なんとAndroidもボリュームキーで撮影可能に!?
先日発売されたグーグルの新しい7インチタブレット「Nexus 7(2013)」では、iPhone同様に、カメラモードでボリュームキーの上ボタンを押すことで撮影できるようになっています。Android 4.3にアップデートした「Nexus 7(2012)」のインカメラでも同様にカメラモードでボリュームキーの上ボタンで撮影できたので、OS4.3の標準カメラであれば可能になっているようです。今後スマホでもAndroid 4.3以上を採用した機種は同様の操作で撮影ができるようになるのかもしれません。

しかし、それでもやはりボタンの位置や大きさ、長押しでカメラが起動するといった操作性を考えると“専用キー”としてのカメラボタンは、搭載する価値が十分にあるでしょう。