深さ約9メートルまで潜れ、時速2.4kmで移動、2時間の潜水が可能な潜水艦を、配水管や廃棄された電化製品を使って約20万円で完成させてしまったのが高校生のJustin Beckermanさん。潜水艦は既に3度の潜水を成功させており、実際に潜水を行う写真やムービーが公開されています。

Justinvent Inc.
http://www.justinbeckerman.com/Site/Home.html

Justin Beckerman builds working one-man submarine - CNN.com
http://edition.cnn.com/2013/05/29/tech/innovation/teenager-justin-beckerman-builds-working-submarine/index.html

実際に潜水艦に乗り込んでいる様子などは以下のムービーから見ることができます。

Teenage Thomas Edison builds submarine for Lake Hopatcong NJ.com - YouTube


これが潜水艦「Nautilus」。潜水状態を保つためのバラストタンクと、水面から酸素を送り込む通気口、補助バッテリー、警報装置、ストロボライト、呼吸装置、ポンプといった非常用設備を備えているのですが、かかった費用は2000ドル(約20万円)で、これは彼の作品の多くが家族や友人が廃棄したものやリサイクル施設から集めた電化製品を使っているため。Nautilusに使ってあるレギュレーターや圧力計は、飲食店のドリンクバーで使われていた部品をショッピングセンターの裏で見つけて利用。2基のメインバッテリーは子供用の乗り物から、PAスピーカーは古いカーステレオから組み立てたとのこと。


Beckermanさんは6カ月で潜水艦を完成させたそうです。


配線図はこんな感じ。


潜水艦を移動させる時はモーターボートを使用。


実際に潜水艦に乗り込んでいきます。


水の中の様子はカプセル状の窓から見られるようになっている設計。


静かに水の中に沈んでいく潜水艦の様子。


潜水は深さ約9メートルまで可能で、時速2.4kmで水中を移動。最大2時間の間潜水することができるそうです。なお、NautilusはBeckermanさんの初めての潜水艦ではなく、これまでにも3つの潜水艦を作っているとのこと。しかし、以前のものはプラスチック製でダクトテープを使っていたため頑丈さに欠け、約1.5mしか潜れませんでした。「私はどのように潜水艦に座りたいか、というアイデアは持っていました。横になることで潜水艦をより効率的にすることができると分かっていたので、排水管を利用することが適しているように思えたのです」とのこと。今回の潜水艦にはエアタンクが高すぎて使えない代わりにバラストタンクを使ったなどの妥協点があり、溶接の方法を学べたら次は金属で作ってみたいそうです。


また、「若い発明者ならではの難題はあるか?」と言う質問にBeckermanさんは「予算の問題と、学校の勉強など義務の他には」何もないと語りました。時間と予算があれば潜水艦をさらに作りたいと考えており、「潜水艦の正面にかぎ爪とバスケットをつけて、水底のゴミを拾ってキレイにできるような役に立つものを作りたい」そうです。

なお、Beckermanさんは2歳の頃から物を作るのが好きで、12歳の時にはリモコン式の掃除機を製作。船や飛行機、ロボットなどを作っており、作品はBeckermanさんのウェブサイトから見ることができます。