ケイレブ・ヴェロートンに一本勝ちし、タイトル挑戦をアピール。リングアナがバンタム級王者クリサントス・ピットピットンゲでなく、フェザー級王者のジョー・タイマングロへの挑戦と煽ったため、グアムのファンが大いに沸いた。グアム出身のタイマングロは、PXCからベラトール参戦が噂されている (C)MMAPLANET

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8日(金・現地時間)にグアムでPXC36「Guam vs Hawaii」に出場し、ケイレブ・ヴェロートンに一本勝ちした田中路教。

下になる場面やバックマウントを2度許すなど、決して簡単な試合でなかったが、最後はしっかりと三角絞めを極めタイトル挑戦をアピールした。これで海外+ケージファイトで2試合連続一本勝ちとなった田中に、試合の印象を尋ねた。

――テイクダウンばかり狙われると、厳しくなると試合前に言われていましたが、そのような展開に近かったです。

「やられちゃいましたね。まだ、自分の戦い方が確立できてないと感じました。打撃で攻めることに慣れていなくて、近づきすぎてしまい、打撃にテイクダウンを織り交ぜていけなかったです」

――テンションが上がっているというか、気合が入り過ぎていたようにも見受けられました。

「そうですね、ちょっと空回りしてしまったかというのはあります。もう少し、冷静に戦うことが出来れば良かったです……」

――戦っている最中に、ご自身のなかで『アレッ』と思う部分はあったのでしょうか。

「寝技の際で勝てなかったときに、ホントに『アレッ?』、『アレッ?』っていうのが続いていました。これまで試合では際で負けたことがなかったので、あそこで上を取られたことが空回りに繋がっていったと思います。

反面、下になったときに落ち着き過ぎてしまいました。下になっても立てる、バックにつかれても返すことができる自信は持っていたんです。そこで慌てないでいることで、逆に落ち着いてしまったようで。勝村(周一朗)さんの『止まるな』っていう指示も聞こえていたんですけど、その言葉も守ることができませんでした。こういうのは初めての経験でした」

――結果的には2Rで一本勝ちしましたが、どちらのラウンドもバックマウントを取られてしまいました。

「あそこも普段だったら、バックマウントを取られるまでにトップを取ることができるんですけど……」

――普段より動きが悪いのではなくて、普段通り動けているのに対戦相手が手強くて、トップを取りきれなかったとすれば、今後は戦い方に変更が必要になってくるかもしれないです。

「世界には強い人ばかりだと思うので……。ここまでのグラップラーと戦ったのも初めてだったので、それも良い経験になりました。ただ、極めに関しては危ないと思うことはなかったんです。でも、ポイントは取られているという意識はありました。下になったことが初めてだったので。

それと打撃と組み技のコンビネーションですね。打撃一辺倒になってしまって。本当は打撃を上下に散らして、テイクダウンを狙っていたのですが、全く頭から飛んでいました。とにかくテイクダウンされないようにして、打撃をいかに当てるかということばかりに気持ちが行ってしまって。当たった後に、距離を詰め過ぎてしまったりだとか。そこは本当に良い経験になりました。多分、次は失敗しないです」

――良い経験が勝利で学べた点が、この試合の成果ですね。最後の三角絞めの手応えは?

「あんまり覚えていなくて……。なんかワシャッてなって、上を取ったら三角に入れる態勢になっていたんです。少しバランスが狂っていたので怖かったですけど、そのまま絞めました。完全に入っていたのにタップしなくて、逆に殴り返してきて(苦笑)。そこから足をすくったんです」

――テイクダウンを狙ってくるタイプでも、昨年11月に戦ったラッセル・ドゥワンと比べて、戦い難かったでしょうか。

「力でいえばドゥワンの方が全然強かったです。でも、ヴェロートンは妙なバランスを持っていて、力勝負ができなかったです。なにかクニャクニャクニャって動いて、気付いたら上を取られていました」