結局、オリンピック放送のメインディッシュは「実況中継」だ。

ロンドンの戦況をいかに伝えるか、放送のベーシックな力が求められる。

この部分はNHKと民放の共同制作だ。どちらかと言えば、NHK主導で、民放は独自色を出すことが出来ない。

だから、オープニングタイトルと、日本、現地のスタジオからの放送が、民放の腕の見せ所になる。

2008年の北京五輪では、各社がアナウンサー、タレントがこってりと出演して、騒がしく盛り上げていたのだが、今年は各局ともにおとなしい。

TBSの中居正広、日本テレビの櫻井翔のジャニーズ勢は、元々“気が利かないキャラ”でテンションは低い。今のところ、淡々と事実関係を伝えている。

同じジャニーズ勢のフジテレビ、国分太一は、まるでアナウンサーかと思うようなおとなしさ。中で暑苦しいのはテレビ朝日の松岡修造と、テレビ東京の佐藤隆介。どうしても「から騒ぎ」という感じが否めない。

スタジオでの応援放送は「弁当の包み紙」でしかない。弁当の中身=実況中継が共同制作で差別化できないのだから、各局は「包み紙」で勝負せざるを得ないのだが、所詮「包み紙」は「包み紙」。番組の盛り上がりは「弁当の中身」次第だ、ということに各局が気づきはじめたのではないかと思う。

民放の肩の力が抜けてきた。暑苦しい夏の五輪だが、少しは観戦しやすくなりそうだ。