整備新幹線3区間の着工を国交省が認可、「多重的な幹線交通体系」確保へ

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国土交通省は29日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請のあった北海道新幹線新函館(仮称)〜札幌間、北陸新幹線金沢〜敦賀間、九州新幹線武雄温泉〜長崎間の工事実施計画を認可した。

昨年12月26日の「整備新幹線の取扱いについて(政府・与党確認事項)」を踏まえ、全国新幹線鉄道整備法第9条第4項の規定に基づき北海道、石川県、福井県、佐賀県、長崎県へ意見聴取を実施。

すべての道県から回答があり、今回の認可に至った。

北海道新幹線新函館(仮称)〜札幌間の路線延長は約211.5km。

途中駅として新八雲(仮称)駅、長万部駅、倶知安駅、新小樽(仮称)駅が設置される。

全長約26.5kmの渡島トンネル(新函館〜新八雲間)をはじめ、全長約18.8kmの手稲トンネル(新小樽〜札幌間)、全長約18.0kmの後志トンネル(倶知安〜新小樽間)など、長大トンネルが連続する区間に。

今回申請分の工事費は約1兆2,386億円。

工事の完成は新青森〜新函館間の開業(2015年度末)からおおむね20年後とされている。

北陸新幹線金沢〜敦賀間の路線延長は約125.2km。

途中駅として小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅、福井駅、南越(仮称)駅が設置される。

南越〜敦賀間の新北陸トンネルは全長約20.0kmとなる予定。

今回申請分の工事費は約8,968億円で、長野〜金沢間の開業(2014年度末)からおおむね10年強を経ての工事完成を予定している。

九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)においては、武雄温泉〜長崎県をフル規格で整備し、フリーゲージトレインでの運行(博多〜新鳥栖間は鹿児島ルートを共用、新鳥栖〜武雄温泉間は在来線を活用)が計画されており、既着工の武雄温泉〜諫早間と未着工の諫早〜長崎間を一体的な事業として扱うことに。

武雄温泉〜長崎間の路線延長は約66.0kmで、途中駅として嬉野温泉(仮称)駅、新大村(仮称)駅、諫早駅を設置。

今回申請分の工事費は約3,706億円で、工事完成は諫早〜長崎間の着工からおおむね10年後を予定している。

羽田雄一郎国土交通大臣は今回の着工認可について、「3区間の整備により、ビジネス・観光の交流を促進し、地域の産業や社会に大きな効果をもたらすだけではなく、災害リスクへの備えなどの観点で多重的な幹線交通体系が確保され、持続可能で活力ある国土を築くための礎となることを期待しております」と発言している。