魅惑の街アムステルダムにある秘宝館
飾り窓と呼ばれる売春宿が広がるオランダ、アムステルダム。その中央駅から延びるハイストリート沿いにアムステルダムの秘宝館、セックス・ミュージアム・アムステルダム(愛称「ヴィーナスの神殿」)はある。パリの秘宝館に続き、オランダの秘宝館にも行ってきた。一体どんなところなのだろうか?
まず入口で入館料4ユーロを払い進むと、奥に露出狂のおじさま人形がお出迎え。なんと動くようになっていてアレを豪快に披露してくれる。もちろんオランダ特有の展示も満載で、昔のアムステルダムを再現したセットがあり、当時の飾り窓の様子が再現されていた。またテレフォン・セックスのコーナーもあって、受話器を取ると先から悩ましい声が聞こえてきた。秘宝館だけに、当然男女の局部をかたどったアートはいたる所で散見できる。これだけ一度に見せられるとお腹いっぱいというか、むしろ「隠してください……」と思ってしまう。さすがアムステルダムの名に恥じない秘宝館である。
じつはこの博物館、面白い逸話があるそうだ。開館初期の館内改装の際、男根を勃起させトランプしている男が描かれた18世紀のデルフト焼きのタイル片が出土されたという。当時、博物館が成功する吉兆として大事にされ、そのお陰か今では年間50万人が訪れるのだとか。
ところで、ヨーロッパにとって性とはどのような位置づけだったのか。博物館の説によれば、中世ヨーロッパにおいて快楽は悪魔と同義語とされ、性は抑圧されていた。しかし、宮廷の恋は花盛りで官能は粋なものとして扱われ、18世紀には最高潮に達したという。また20世紀に入ってからも性は再度解放され、これを第二のセックス革命と呼ぶそうだ。
ここには西洋のエロばかり集まっているわけではない。チベット仏教の歓喜仏や中国の絵画、また日本の春画も展示している。熱海の秘宝館も紹介されていた。東西問わず、性とは全人類が持つ共通項だ。
「人間がどこから来たかということについては、色々論じられています。しかしながら現在の私たちが猿の子孫であるか、アダムとイヴの子孫なのかはともかく、『行為』がなければ、生命は存在しなかったのです」(同館)
人類の歴史ともいえるセックスを考えに週末はアムステルダム! ……とまではいかないでも、最寄りの秘宝館に足を運んでみても面白いかもしれない。
(加藤亨延)
まず入口で入館料4ユーロを払い進むと、奥に露出狂のおじさま人形がお出迎え。なんと動くようになっていてアレを豪快に披露してくれる。もちろんオランダ特有の展示も満載で、昔のアムステルダムを再現したセットがあり、当時の飾り窓の様子が再現されていた。またテレフォン・セックスのコーナーもあって、受話器を取ると先から悩ましい声が聞こえてきた。秘宝館だけに、当然男女の局部をかたどったアートはいたる所で散見できる。これだけ一度に見せられるとお腹いっぱいというか、むしろ「隠してください……」と思ってしまう。さすがアムステルダムの名に恥じない秘宝館である。
ところで、ヨーロッパにとって性とはどのような位置づけだったのか。博物館の説によれば、中世ヨーロッパにおいて快楽は悪魔と同義語とされ、性は抑圧されていた。しかし、宮廷の恋は花盛りで官能は粋なものとして扱われ、18世紀には最高潮に達したという。また20世紀に入ってからも性は再度解放され、これを第二のセックス革命と呼ぶそうだ。
ここには西洋のエロばかり集まっているわけではない。チベット仏教の歓喜仏や中国の絵画、また日本の春画も展示している。熱海の秘宝館も紹介されていた。東西問わず、性とは全人類が持つ共通項だ。
「人間がどこから来たかということについては、色々論じられています。しかしながら現在の私たちが猿の子孫であるか、アダムとイヴの子孫なのかはともかく、『行為』がなければ、生命は存在しなかったのです」(同館)
人類の歴史ともいえるセックスを考えに週末はアムステルダム! ……とまではいかないでも、最寄りの秘宝館に足を運んでみても面白いかもしれない。
(加藤亨延)