韓国アングラシーンを揺るがすバンド「バムサム海賊団」がやってくる
K-POP人気を契機に、日本の音楽リスナーの間でも「チャン・ギハと顔たち」を初めとするインディーズ出身の韓国バンドが注目を受けつつあるが、韓国アンダーグラウンドシーンにおいて、いま熱い反応を集めているバンドが「バムサム海賊団(BAMSEOM PIRATES)」だ。今週末に行われる日本ツアーを前に、メンバーにインタビューを敢行、意気込みなどをお聞きした。
バムサム海賊団は、ドラムのヨンマンとベース・ボーカルのソンゴンによる2人組のロックバンド。グラインドコアと紹介されることが多いが、本人たちは「ばかパンク」と言う(日本語で)。
「最初はグラインドコアをしようとしたが、早弾きの技術がなく、メタルやパンクを混ぜながら、難しくなくて単にうるさい音楽をやっています」。
2010年に発表したファーストアルバム『ソウル火の海』は、全51分9秒・42曲収録という過剰っぷりを発揮。ジャケットには説明不要なあの人の顔が描かれており、収録曲だけ見ても、『本物男よ、赤い旗を揚げろ』『楽しい戦闘警察体験期』『金正日万歳』と、不穏極まりない。
彼らの音楽の核になるのが、批判精神あふれる歌詞。いや、批判というより、ネタにして笑いをとろうとしているだけなのかもしれない。
歌に登場するのは、忠誠心が過ぎる軍人や労働者、北のスパイから、ソウル市のマスコットキャラクター、CEOを夢見る子供、デス声でかっこつける自分自身まで。国家主義、民族主義、資本主義、社会そのものも、社会から逃れられない自分も、どこまで本気なのか分からないブラックユーモアで笑い飛ばす。
過激派とも取られかねない危険な歌詞が、放送禁止になったりしないのかと質問してみた。「最初から放送されることもないですから。僕らのCDにはバーコードもないし著作権もない。不法音楽市場で、勝手に音源を作って遊んでいるだけ」(ヨンマン)。
ライブでは「滅共」と書かれたヘルメットや軍服、警察服を着用し、テンポのよいMCでアジテートする。怒とうの演奏は客席にモッシュを呼び、挙句の果ては「公演効率化のためのバンド民営化」と称して観客に演奏させるなど、激しさの中に笑いが詰まったパフォーマンスで、ライブハウスのメッカである弘大前の音楽ファンをとりこに。
昨年は13年目を迎えるインディー音楽中心の老舗ロックフェス「サムジーサウンドフェスティバル」に出演し、話題を集めた。
昨年2月には、長野駅前で和太鼓とベースによるゲリラライブも行ったという彼ら。3度目となる今年の来日ツアーでは、どのような姿を見せてくれるのか。
ヨンマン「日韓関係はいろいろあり、偏見もあるじゃないですか。それを否定するのではなく、あえて活用し、くだらないことを言うのが、これまでは多かったです」
ソンゴン「キムチ! テコンドー! 軍人!」
ヨンマン「まずは言葉は分からなくても、僕らの音楽を一度体験してほしいですね」
ソンゴン「深刻に受け取らなくていいですよ」
ヨンマン「いや、そこはあえて深刻に受け取って欲しいです!」
最後まで、どこまで本気なのか分からない彼らであったが、日本ツアーでは何かが起こるはず。韓国アングラシーンの最終兵器を、ぜひ体験して欲しい。
(清水2000)
■バムサム海賊団ライブ日程
2012年1月7日(土)横須賀Fuck Yeah!
2012年1月8日(日) 高円寺スタジオドム
2012年1月9日(月)江古田Cafe FLYING TEAPOT
バムサム海賊団は、ドラムのヨンマンとベース・ボーカルのソンゴンによる2人組のロックバンド。グラインドコアと紹介されることが多いが、本人たちは「ばかパンク」と言う(日本語で)。
「最初はグラインドコアをしようとしたが、早弾きの技術がなく、メタルやパンクを混ぜながら、難しくなくて単にうるさい音楽をやっています」。
2010年に発表したファーストアルバム『ソウル火の海』は、全51分9秒・42曲収録という過剰っぷりを発揮。ジャケットには説明不要なあの人の顔が描かれており、収録曲だけ見ても、『本物男よ、赤い旗を揚げろ』『楽しい戦闘警察体験期』『金正日万歳』と、不穏極まりない。
歌に登場するのは、忠誠心が過ぎる軍人や労働者、北のスパイから、ソウル市のマスコットキャラクター、CEOを夢見る子供、デス声でかっこつける自分自身まで。国家主義、民族主義、資本主義、社会そのものも、社会から逃れられない自分も、どこまで本気なのか分からないブラックユーモアで笑い飛ばす。
過激派とも取られかねない危険な歌詞が、放送禁止になったりしないのかと質問してみた。「最初から放送されることもないですから。僕らのCDにはバーコードもないし著作権もない。不法音楽市場で、勝手に音源を作って遊んでいるだけ」(ヨンマン)。
ライブでは「滅共」と書かれたヘルメットや軍服、警察服を着用し、テンポのよいMCでアジテートする。怒とうの演奏は客席にモッシュを呼び、挙句の果ては「公演効率化のためのバンド民営化」と称して観客に演奏させるなど、激しさの中に笑いが詰まったパフォーマンスで、ライブハウスのメッカである弘大前の音楽ファンをとりこに。
昨年は13年目を迎えるインディー音楽中心の老舗ロックフェス「サムジーサウンドフェスティバル」に出演し、話題を集めた。
昨年2月には、長野駅前で和太鼓とベースによるゲリラライブも行ったという彼ら。3度目となる今年の来日ツアーでは、どのような姿を見せてくれるのか。
ヨンマン「日韓関係はいろいろあり、偏見もあるじゃないですか。それを否定するのではなく、あえて活用し、くだらないことを言うのが、これまでは多かったです」
ソンゴン「キムチ! テコンドー! 軍人!」
ヨンマン「まずは言葉は分からなくても、僕らの音楽を一度体験してほしいですね」
ソンゴン「深刻に受け取らなくていいですよ」
ヨンマン「いや、そこはあえて深刻に受け取って欲しいです!」
最後まで、どこまで本気なのか分からない彼らであったが、日本ツアーでは何かが起こるはず。韓国アングラシーンの最終兵器を、ぜひ体験して欲しい。
(清水2000)
■バムサム海賊団ライブ日程
2012年1月7日(土)横須賀Fuck Yeah!
2012年1月8日(日) 高円寺スタジオドム
2012年1月9日(月)江古田Cafe FLYING TEAPOT