タイで洪水による被害が深刻だった、ホンダのタイ四輪車生産拠点「ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド」は、工場施設内の排水作業が完了し11月28日より清掃など復旧作業を開始しました。


テレビなどで同工場のモータープールに停められていた多くの車両が水に浸かった映像を見た人も多いでしょう。
あそこまでの被害があったため、ホンダによると生産再開の見通しについては工場の被害状況の確認とともに、引き続き精査を行うとのことです。





タイからの部品供給の制約で日本の四輪車生産拠点である鈴鹿製作所、埼玉製作所では、11月7日から生産調整を実施していましたが、部品供給に一定のめどが立ったことから、12月5日より通常レベルの生産を行います。
そのため当初10月に販売を予定されていたもののタイで生産される14インチ・アルミホイールの供給が滞っていたため延期になっていた“ライフDIVA”の 特別仕様車「スマートスペシャル」を12月22日に発売すると発表しました。


現地アナリストによるとホンダのタイ工場があるアユタヤ・ロジャーナ工業団地は日系自動車部品メーカーも多く進出していることから「各メーカーともタイでの自動車生産が本格再開するのは2012年の夏以降になるのではないか」と述べるとともにホンダの工場については「一部操業再開するにも、来年の3月、4月まで待たないといけないだろう」と話してくれました。


首都バンコクでは、地域による被害の大小は違うものの生活に影響がでているところも多いそうです。
バンコク在住の知人は次のように話してくれました。


「タイ人は飲料水も食べ物も寝る所もなくトイレが使えないなど自ら被害を受けているにもかかわらず、テレビニュースのカメラが来るとみんな手を振ってスマイルするためそんなに気にしているようには見えないかもしれませんが、もちろん皆さんは困っています。
ただ洪水でストレスになっていても仕方がないと、前向きで生きるタイ人を本当にすごいと感じました。
この間テレビで放送していたのですが、洪水による浸水で家に住めない人たちのために、安全な場所を確保しそこで音楽をライブで流し皆さんタイダンスを踊っていましたよ。これがまたびっくりしました」


幸いなことに、タイでは雨期が終わったためこれからは水がひいていくと言われています。自動車メーカーのみならず、現地在住のみなさんが元通りの生活を早くできるようになることを祈りたいです。


【クリッカー編集部】



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