少し前までは、仲良く残留争いをする仲だった両チームなのだが、この試合ではCLベスト8を経験してきたシャルケが、全ての面でヴォルフスブルクよりも一段上の存在になった事を知らしめる試合だったと言える。

ヴォルフスブルクは長谷部がスタメンに戻り、1トップにグラフィチ、ジエゴとク・ジャチョルを2列目に起用する4-3-3という形にして来た。が、クはどちらかと言うと右SBの内田に対してケアをする対応が多く、マガト監督が内田のビルドアップを警戒していた様子が良く分かる。

長谷部らの中盤も基本的には大きくポジションを崩すことがなく、長谷部もパスをタイミングよく回しては前線に少し上がったポジショニングを取るなど、どちらかと言うと味方がリズムよくパスを回せるように気を使ったプレイが多かった。

そういった守備偏重の戦いをして来たヴォルフスブルクに対し、シャルケは相変わらず好調のファルファンを中心に何とかゴールをこじ開けようとするが、前半の決定機をものに出来なかった後はヴォルフスブルクのペースにはまってなかなか得点を奪えず、ヴォルフスブルクはヴォルフスブルクでグラフィチに対するサポートが薄く、ジエゴも孤立しがちでほとんど点の臭いが感じられない前半となった。

後半も、ヴォルフスブルクはGKベナーリオを中心とした粘り強い守備を続けていたが、とうとう76分に内田のスローインから素早くパスを横につながれ、ヴォルフスブルクの右SBが前線への飛び出しに釣られてサイドのスペースがポッカリと空いてしまい、長谷部が慌ててカバーに行ったが間に合わず、フラドがゴール隅にミドルシュートを決めて先制してしまう。

ヴォルフスブルクはヘルメスを投入して2トップの攻撃的な布陣に変更してきたが、シャルケは余裕の受け止めでしっかり勝ち点3をゲットして9位浮上。逆にヴォルフスブルクは1試合消化が少ない17位のザンクトパウリと同勝ち点の16位に留まった。

内田は、やや守備に怪しい場面はあったが正確な縦パスで、ミスからカウンターを狙いたいヴォルフスブルクにリズムを与えない役割が効果的だった。あまり中では働かない内田にしては珍しく良いミドルシュートもあったしね。ただ、途中で足を踏まれていたようなのでCLインテル戦に向けて若干心配ではある。

そのインテルは、キエーボ戦で長友が先発し、かなりキレキレだったようだからCLでも出てくる可能性が高いだろう。いや、内田との対決が本当に楽しみだね。