三陸沖を震源とする東日本大震災の影響から、その開幕日を4月12日としたプロ野球界。だが、当初、セ・リーグは巨人が主導する格好で“4日ずらしただけ”の3月29日開幕を断行しようとしたことで、ファンの反感を買い、阪神タイガース・新井貴浩を会長とする選手会や、文部科学省からは苦言が述べられていた。

それにしても、巨人はなぜ3月開幕にこだわったのか――。29日発売の「週刊アサヒ芸能」(4.7号)では、『巨人が「3月開幕」に固執したゴーマン理由!』と題し、その周辺レポートを掲載した。

渡辺恒雄球団会長、滝鼻卓雄オーナーら球団首脳陣が強気の姿勢を見せていた今回の開幕問題。同誌は「2つの誤算があった。一つは当初は3・25開幕に積極的だった中日、阪神、広島がパの延期案に同調し始めたこと。そして、もう一つが政界工作の不備である」と指摘する。

同誌にコメントを寄せる球団関係者は、「3月25日の巨人の開幕カードはテレビ中継される予定だったんです。それが4月12日までズレ込んだ場合、春の番組改編期に当たるため、プロ野球中継を入れることがきわめて難しくなる。さらに、チケットの払い戻し、地方球場の確保、交通宿泊施設のキャンセルと再予約などを考えると、ぎりぎり妥協できるのが29日だった」と説明する。

また、連盟関係者は、「加藤コミッショナーと昵懇であるソフトバンク・王会長が、コミッショナーと巨人サイド双方に連絡を取って、打開策を探っていたんです。24日の緊急理事会で1球団だけ4月9日の週末開幕を希望しましたが、結局、折れたのは王会長の後押しがあったからとも言われています」と語り、その内幕を明かした。

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