「哲学的発想法」再考/松尾 順
先日、ヘーゲルの哲学を元にブランディングを考える機会があったのですが、改めて、ヘーゲルの「弁証法」は使える理論だなという理解を新たにしました。
特に、「新たなブランド(商品)開発」に使えるのが弁証法です。
実際、弁証法の考え方をマーケティングに当てはめて見ましょう。
現在の主流の製品(正)に対して、その反動というか、対極に近い製品(反)が登場する。しかし、さらに時間が経過すると、「正」と「反」を統合したような、革新的な製品(合)が登場してくる、というように、製品・市場の変化のプロセスに一定の法則性を見出すことができるのです。
弁証法的な変化を辿った典型的なブランド開発例は、アサヒのスーパードライですね。ビールの味わいとして、ヘビーな「コク」という方向性、対極にライトで「キレ」という方向性で競っている時、
「コクがあるのにキレがある」
という両者を統合する全く新しい味わいのスーパードライでビール市場を席巻することができたのです。
このように、成功する製品やサービスは、しばしば、相互に矛盾した、対立的な特徴、すなわち、「正」的な特徴と「反」的な特徴をうまく統合・解決した場合に生まれます。
考えてみれば、ユニクロもそうですね。
「驚くほど安いのに品質が高い」
という、他社ではできなかった弁証法的解決を実現したからこそ、現在の地位を確立したわけですよね。
なお、弁証法的な変化のプロセスでは、いったん製品が「合」の段階に達すると、その合が主流の「正」となるため、再び、対立的な「反」が生まれてくる。
その先には、新たな「合」が登場するというように、ある意味、螺旋的に発展を続けていきます。
弁証法が実務に役立つということについては、田坂広志氏が数年前に出された『使える弁証法』で詳しく解説されています。
まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください。
『使える弁証法』田坂広志著、東洋経済新報社
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特に、「新たなブランド(商品)開発」に使えるのが弁証法です。
実際、弁証法の考え方をマーケティングに当てはめて見ましょう。
現在の主流の製品(正)に対して、その反動というか、対極に近い製品(反)が登場する。しかし、さらに時間が経過すると、「正」と「反」を統合したような、革新的な製品(合)が登場してくる、というように、製品・市場の変化のプロセスに一定の法則性を見出すことができるのです。
「コクがあるのにキレがある」
という両者を統合する全く新しい味わいのスーパードライでビール市場を席巻することができたのです。
このように、成功する製品やサービスは、しばしば、相互に矛盾した、対立的な特徴、すなわち、「正」的な特徴と「反」的な特徴をうまく統合・解決した場合に生まれます。
考えてみれば、ユニクロもそうですね。
「驚くほど安いのに品質が高い」
という、他社ではできなかった弁証法的解決を実現したからこそ、現在の地位を確立したわけですよね。
なお、弁証法的な変化のプロセスでは、いったん製品が「合」の段階に達すると、その合が主流の「正」となるため、再び、対立的な「反」が生まれてくる。
その先には、新たな「合」が登場するというように、ある意味、螺旋的に発展を続けていきます。
弁証法が実務に役立つということについては、田坂広志氏が数年前に出された『使える弁証法』で詳しく解説されています。
まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください。
『使える弁証法』田坂広志著、東洋経済新報社
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