インタビュー:MEG「表面は女の子っぽいけど、内面は毒があったり芯が強い」
――中田さんのプロデュースで言うと、capsule始めPerfumeや鈴木亜美さんのライブを観ても、CDの音源とライブとでヴォーカルエフェクトはそれほど変わらないんですけど、“PARTY”でのMEGさんは、ほぼ生声に近い感じでしたね。
MEG:そうですね。声がオートチューンになる前から?(笑)地味にライブはやっていたので、普通のことなんですけどね。思えばCDのトラックに加工した声が入っているものに声を重ねるというのは、本当に最近ここ一年ぐらいしかやってないことだから。やっぱりライブはその時々のコンディションも出るし、DVDになるということもあるし、それも含めて残しておきたかったというのがありますかね。「イケナイコトカイ」だったり、ちょっとゆっくり聴いてもらいたい「NATALIE」だったりも、その曲のまとまりというか、聴いてもらうものとして、ちゃんと歌いたいなと思ったし。特に「イケナイコトカイ」に関しては、去年までずっとバンドでジャズやボサノバにしたり、色々なセッションを試していたので、私の中ではすごく普通の流れだったんですけどね。――最近、知った人にとっては驚きだったと思います。
MEG:「オートチューンが無くても歌えるんだ!」ってね(笑)。――CDの世界観を再現するだけではない、生のライブの良さを感じられて良かったです。
MEG:ありがとうございます!最初、去年の「OK」とかその辺りは、ライブでやる時にわざとオートチューンにこだわってやっていたんですけど。インディーズでやっていたことをメジャーでやるということで、一般の人達に聴いてもらうという課題が増えた分、オートチューンはダンスミュージックという所から離れないための、自己表現の一つみたいなファクターだったんです。でも、最近はもうオートチューンが声に掛かっているのを普通に受け止めてくれる人が多くなってきている分、別にそこにこだわらなくてもよくなったというのもあると思うんですけど。無理にそういう所で曲の雰囲気というか、キャラクターを打ち出すのを気にしなくてもよくなったのは、自由になった感じがしますね。――MEGさんを構成するファクターとしては、音楽と同じくファッションがあると思いますが、今回はステージ上での早着替えも含め、かなりの数の衣装チェンジをしましたね。
MEG:やっぱりファッションがきっかけで来てくれている人も多いと思ったので、音楽を知らなくても楽しめるものにしたかったし、衣装チェンジは視覚的に楽しめる要素としてマストだったのと。最後の方にライブTシャツを着て出る所があったんですけど、よく見ると20人全員がライブTシャツをそれぞれ切ったり縫ったり新しいデザインの服にリメイクしてるんですよね。そういう所も、洋服が好きな人だったら面白いと感じてくれたらいいなぁと思ったり。結構細い所なんですけど(笑)。――ダンサーと言えば、リウさんは夏のイベントとか暑さ対策が大変だったんじゃないですか?
MEG:それが、夏フェスはSUMMER SONICだったので、すごく良かったです。あれが、ひたちなかだったら結構厳しかったかもしれないです…って呼ばれてないよ、みたいな(笑)。内部冷却ファンとかを付けることができるらしいんですけど…あっ!でも、こういうことを言ったらダメだ!リウさんはただの大きい猫なので、中身とかそうゆうのありませんから!(笑)。――そういう設定ですか?中の人が、おぎやはぎの声でしゃべってましたが。
MEG:いやいや(笑)。リウさんは今までキャラクターをあまり出したことがなくて、ここ2年ずっとしゃべらないできたんですよ。でもそれは、ワンマンをやれるようになった時にあのコーナーは絶対に入れよう!って決めてたので。それこそ、リウさんを私が描いて作った時から決めていて。「この中のキャラクターを出すときは、絶対に…」というイメージがあって、矢作さんに電話したら「いいよ〜」って(笑)。――でも、MEGさんはちょっとケチな感じのキャラクターに設定されちゃいましたね。
MEG:そうです!私、小木さんとは、打ち合わせの時にしか話していないので。イメージで(笑)。――やっている本人達にもオチが見えているのか心配になるくらい、台本通りに話しているというよりは、フリートークのように見えたのですが、もう好きにやって下さいという感じ?
MEG:リウさんのビデオを観てもらったり、事前情報は矢作さんに伝えておいて。ただ、「突然しゃべりだす所の設定をどうしよう?」というのを私が決め兼ねていて。「何か謎のドリンクを飲んだら声が出た設定とかですかね?」みたいに適当に言ってたら、「それは結構すごいね(笑)」って話になり、最終的に「普通に、今までだって実はコッソリしゃべれていたという、楽屋トークでもいいんじゃない?」ということに落ち着いて。撮影は1回撮りずつで、台本とか無かったですから、やっぱりお二人はプロだなぁと尊敬しました、感謝です。