K-POP史上4組目の「10億回再生」達成、でも“当時の歌声”はもういない…偉業の陰にグループ分裂の悲哀

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K-POPの歴史に、新たな大記録が刻み込まれた。

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ガールズグループFIFTY FIFTY(フィフティフィフティ)の代表曲である『Cupid(Twin Version)』が、Spotifyにて累計10億回再生を突破した。

所属事務所ATTRAKTの発表によれば、9月23日の時点で再生回数は10億2524万1452回に達したとされる。

K-POPグループとしてSpotifyで10億回再生を成し遂げたのは、BTS、BLACKPINK、HUNTR/Xに並ぶ4組目となる。海外アーティストが主導したフィーチャリング楽曲を除けば、K-POPで10億回を超えた作品は19曲に限られるという。

2023年2月に発表された『Cupid』は、米ビルボードの「HOT100」に25週連続でランクインし、英国オフィシャルチャートでも22週続けてランクインを果たした。さらにTikTokを通じても世界的な人気を集めた。

本来であれば、“中小芸能事務所の奇跡”がついに10億回に到達したとして、手放しで祝福されるべき話題であるはずだ。

異例の快挙に漂う複雑な事情

しかし、FIFTY FIFTYを取り巻く状況は少し事情が異なっている。

なぜなら『Cupid』発表当時の4人体制は、すでに同じ形では存在していないからだ。しかも、今回10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』で歌声を披露していたのはアランとシオであった。

『Cupid』が世界中で大ヒットを記録していた2023年6月、キナ、セナ、シオ、アランのメンバー4人全員が、所属事務所ATTRAKTに対し専属契約効力停止の仮処分を申請した。

2023年4月当時のFIFTY FIFTY。左からシオ、セナ、アラン、キナ(写真提供=OSEN)

メンバー側は精算資料の提供や健康管理の義務を事務所が十分に果たしていないと主張したものの、裁判所はその申請を棄却した。その後、キナのみが控訴を取り下げてATTRAKTへ復帰し、セナ、シオ、アランの3名はグループを離れた。

現在のFIFTY FIFTYは、キナを中心にムン・シャネル、イェウォン、ハナ、アテナの4名を加えた5人体制で活動を行っている。

つまり、今回のSpotify10億回突破という記録は「FIFTY FIFTY」という名前に刻まれるものの、10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』を歌ったアランとシオは、現在どちらもグループを離れているのだ。

ここにこそ、この偉業が抱える複雑さが存在している。

分裂を経たグループとそれぞれの現在

2023年当時における『Cupid』のヒットは異例であった。デビューから間もない中小事務所出身のガールズグループが、米ビルボード「HOT100」にランクインし、25週も残ったのである。FIFTY FIFTYは一躍、“中小芸能事務所の奇跡”と呼ばれる存在になった。

本来ならば、その大ヒットを足場として次の作品や海外活動、ツアーへと進んでいくはずであった。

しかしFIFTY FIFTYの場合、その直後に契約紛争が発生し、グループは事実上分裂した。

世界的ヒットは、グループをさらなる高みへ押し上げる好材料となるはずであった。ところが、その直後に契約紛争が起き、その後は制作や権利をめぐる争いへと発展していった。

『Cupid』はグループを世界へと押し上げた曲であると同時に、FIFTY FIFTYの運命を大きく変えた曲にもなったといえるだろう。

現在のFIFTY FIFTYは、新しい5人体制で活動を続けている。

現在のFIFTY FIFTY(写真提供=OSEN)

9月にはファンとともに2周年を祝い、メンバーたちは今後の目標として音楽番組での1位獲得やワールドツアーを挙げた。各種イベントにも出演し、新体制として着実に歩みを進めている。

一方、グループを離れたセナ、シオ、アランは、MASSIVE E&Cで3人組「ablume」を結成し、再デビューした。

長引く法廷闘争と取り戻せない時間

その後、3人について大きな動向が伝えられる機会は多くなかったが、9月21日、久しぶりに彼女たちに関する大きなニュースが出た。

ATTRAKTが元メンバー3人、その両親、制作会社The Givers関係者ら計12人を相手に起こした130億ウォン(約15億円)規模の損害賠償請求訴訟で、11月13日に一審判決が言い渡される予定だと報じられたのだ。

この訴訟は2023年12月に提起されており、判決までは実に1061日。1000日を超える長期戦となる。元メンバー3人側もATTRAKTを相手に反訴を提起しており、法廷での争いは今も続いている。

つまり、『Cupid』はリリースから3年半余りが過ぎた今も世界中で再生され続けているが、その曲を歌った当時のメンバーたちはすでに別々の道を歩み、法的な争いもまだ終わっていない。

(写真=ablumeのInstagram)

Spotify上では当然、「FIFTY FIFTYの『Cupid』」が10億回を突破した。

ATTRAKTのチョン・ホンジュン代表も「胸がいっぱいになる」と喜びを表し、世界中のファンへの感謝を伝えている。現在のFIFTY FIFTYにとっても、グループ名に刻まれた大きな実績であることは間違いない。

ただ、今回10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』を歌ったアランとシオは、現在どちらもFIFTY FIFTYにはいない。

その意味で、この10億回は少し特殊だ。FIFTY FIFTYという名前に残る記録でありながら、その10億回を生んだ歌声は現在のグループにはない。

『Cupid』という一曲だけが、グループが分裂する前の時間をそのまま閉じ込めたように、いまも数字を伸ばし続けている。

K-POP史上4組目となるSpotify10億回再生は、間違いなく大きな快挙だ。だからこそ、少し複雑でもある。

もし、あの4人がそのままFIFTY FIFTYとして活動を続けていたら、この10億回をどんな形で迎えていたのだろうか。その答えを知ることはもうできない。

現在のFIFTY FIFTYは新しいメンバーと前へ進み、離れた3人も別の道を歩んでいる。それでも『Cupid(Twin Version)』だけは、アランとシオの歌声のまま世界中で再生され続けている。

記録は更新されても、その記録を作った時間まで作り直すことはできない。

FIFTY FIFTYの10億回は、K-POP史に残る快挙であると同時に、このグループがたどった異例の3年余りまで映し出す数字になった。

(記事提供=スポーツソウル日本版)