片や逆転勝利で勝ち点3を奪い、片や終了間際に同点に追いつかれ勝ち点3を失う。明暗を分けた優勝候補のレアル・マドリーとバルセロナ。これにより勝ち点66で並び、直接対決でバルセロナを上回るレアル・マドリー(今季はレアル・マドリーの1勝1分)が2005年10月15日以来、実に1年と7ヶ月ぶりにリーガ首位に立った。そして、バルサはリーガ4節を残し首位の座をライバルに明け渡すことになった上、自力優勝の可能性もなくなった。つまり、バルサが残り4試合全勝をしてもレアル・マドリーの結果次第、というこれまでの追われる立場から追う立場へと情勢は一気に逆転した。

 ヘタフェ戦での大敗、国王杯決勝進出を逃したというダメージは、予想以上にバルサの選手たちにとって重くのしかかっていたようだ。そして、その3日後のベティス戦では終了間際にベティスに追いつかれ勝ち点2を失ったことでロッカールームが失望の色で塗り尽くされていたことは容易に想像できる。

 それでもバルサのキャプテン、プジョールはリーガ優勝に前向きな姿勢を崩さず、「R・マドリーが残り4試合全てに勝つのは難しいと思う」と気丈にコメントし、この状態の時こそチームの団結力、そしてファンの声援の重要性を訴えかけている。第2キャプテン、チャビも「残念なことに優勝は僕ら次第という状況ではなくなった。それでもチームは優勝への“渇望”を失ったわけじゃないし、当然くやしい思いで一杯だ。でも、まだ挽回するチャンスもあるし、逆にレアル・マドリーに首位としてのプレッシャーがのしかかることに期待している」と首位奪回を信じて最後まで戦う意欲を見せている。

 数節前までレアル・マドリーの選手たちから発せられていたコメントが、今度がバルサの選手から言われるようになるとは誰もが予想しえなかったことだろう。

<両チームの残り4節の対戦カード>

    1位:レアル・マドリー  2位:バルセロナ
35節 レクレアティーボ(A)  アトレティコ・マドリー(A)
36節 デポルティーボ(H)   ヘタフェ(H)
37節 サラゴサ(A)      エスパニョール(H)
38節 マジョルカ(H)     ナスティック(A)

 追う立場となった今、バルサはまず残り4試合全てに勝たなければならない。悪い流れを断ち切るためにも次節アウェイでのアトレティコ・マドリー戦は絶対に落とせない試合となる。いずれにしても一戦一戦が正念場はあることには変わりない。最後まで諦めず戦い続けるというバルサの選手たちのリアクションに期待したい。

(スペイン通信)